ご寄付頂いた2億円、行政手続きがイレギュラーでは?ただ「お金をもらったから建てる」という安直な進め方にならないようにお願いします。
3月9日の議案審議の中の補正予算の質疑その3です。
質問の趣旨
- 2億円の寄付をいただいた。寄付者の意向としては三矢町の幼児療育園跡地に観光交流施設を建ててほしいということ。
- 市としては幼児療育園跡地の活用は考えていたが、観光交流施設の話が明確にあったわけではない(私の勉強不足かもしれないので深堀します)
- にもかかわらず、「お金をもらったので建てる」と進めています。美術館の時と構図は同じと認識しています。
- お金の入金は11月12日。寄付がある場合はこれまでは「〇〇基金」というのを作り、そこにお金を入れている。
- 今回は「○○基金」の話がまとまらず、「とりあえずで財政調整基金」に入れている
- 手続きとしてもイレギュラーであり拙速
- 本当に建てるかどうか、建てるにしても費用がもらった2億円以上かからない方法を考えてほしい
それにしてもなんで行政ってそのあとの維持管理の事を考えずにハコモノ建てたがるのでしょうね。
枚方市は一方で、学校の統廃合も進めています。※この件も別途記事にまとめようと思っております。
学校統廃合についてはこれからの時代を考えると進めざるを得ないと思っていますが、地域の中では様々な意見があり、統廃合に反対の方もおられます。そういった方に市としては丁寧に説明をしているのですが、一方で、違う部では「お金もらったから建てます」ということをやっていては学校統廃合を進めている部署からしても「私たちの苦労って」ってなりそうですよね。
美術館の時の二の舞にならないようにしていただきたいです。既にそうなりつつあるような気がしますが・・・。
美術館についてまとめていた当時のブログです。↓
https://ameblo.jp/kimura-ryota/theme-10082310491.html
公共施設を新規整備しようとすると毎回意見言っていきます。。真に必要な施設じゃない限り、その維持管理コストを担うのは現役世代・将来世代ですので・・・・。
美術館について、簡単にまとめると、
- 市民の方から香里ケ丘中央公園に美術館を私財で建ててから市に寄付をするという申し出。(2013年)
- 大変ありがたいものの、美術館については市としての計画もなく、維持管理コストをどうするかという話も含めて議会での十分な議論もなく、市民への説明も少なかった。
- 当初美術館設置については設置条例が可決したものの、地元住民の反対もあり工事が進まず。(2014年3月)
- 美術館が経たないまま市長選挙となり、対立候補(今の伏見市長です)が美術館建設の白紙撤回を掲げ当選。当時の市長であった竹内氏は落選(2014年8月)※維新の会という政党の追い風ももちろんあったと思います。
- その後美術館を建てることはなくなる。条例も廃止。(2016年12月)その方の美術品だけ寄贈を受け、加えてその美術品を管理する費用として1億円を寄付頂く。(2017年9月)その費用を基金条例として可決(2017年10月)
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公共施設全体の延べ床面積を縮減するという計画があります。しかし実際は延べ床面積は増えている状況。その中でもまた降ってわいたような話で新規施設を整備すべきなのか。ということを市に確認しています。
枚方市駅前にも観光ステーションという名目で140㎡の場所を予定しています。こちらもそもそも必要なのか、また、2億円をもらって建てようとしている観光交流施設とのすみわけ等は考えているのか、について確認しています。
質問の詳細
【質問】
議案書39ページに歳入で総務関係指定寄附金2億1,323万3千円が計上されている。一般的に、指定寄附金は特定目的基金への積み立てが行われることが多いと思うが、対応する歳出予算はどのようになっているのか、金額と内容について聞く。
【答弁】
総務関係寄附金に対応する歳出予算でございますが、枚方宿地区の活性化・賑わい創出のための指定寄附2億円及び本市財政に対する指定寄附1,158万円につきましては財政調整基金への積み立てを予定しております。この他、NPO活動応援のための指定寄附89万1,000円につきましてはNPO活動応援基金への積み立てを、また、まちの魅力の向上及び行財政改革の推進のための指定寄附76万2,000円につきましてはこのまちに住みたい基金への積み立てをそれぞれ予定しております。
【質問】
総務関係指定寄附金のうち2億円については、枚方宿地区の活性化・賑わい創出のための寄附として財政調整基金に積み立てるということです。財政調整基金というと、特定目的基金でもなく、ある意味一般財源のような扱いの中に、特定目的のお金を入れておくというのも違和感があります。また、本来であれば、この寄附に応じた基金を設置し、その中に入れるのがこれまでのやり方です。しかし、今回は財政調整基金に積むということです。今回は珍しい処理、イレギュラー的な処理をしているわけですが、この寄附については、10月に寄附者から申し入れがあり、11月に入金されたと聞いている。ある程度庁内で議論する時間もあったと思いますが、この間、市内部でどのようなことを議論し、どのように進めようとしているのか。
【答弁】
枚方宿地区の活性化・にぎわい創出のための指定寄附につきましては、幼児療育園跡地で検討している観光交流施設の整備に活用していきたいと考えています。
施設の整備にあたりましては、まず、観光の方針を作成し、その方針とも整合を図りながら、寄付金の基金化と併せて検討を進めてまいります。
また、整備する施設にどのような機能を持たせるかにとどまらず、その効果的な管理運営方法についても、公共施設マネジメント推進計画を踏まえ、十分に議論し検討していく考えです。
【意見要望】
3点目の2億円の寄付については、観光交流施設の整備とのことですが、正式に決まっているわけもないと認識していますが、現時点で「施設の整備のみ」と使途が限定的になった基金をつくってそこに入れるよりは、とりあえず財政調整基金に入れておくという方がまだいいとは思います。
しかし、入金から時間が経っているにもかかわらず、受け皿としての基金もなく、話を伺ってると市役所の中での議論もしっかりとせずに収受した印象を受け、行政の進め方としていかがなものかと感じます。
施設を整備し、行政が運営するとなると、毎年維持管理コストもかかりますし何十年後には大規模改修の費用を負担しなければなりません。
観光交流施設の整備を進めるにあたっては、施設が本当に必要なのか、施設を整備するにしても、現施設の解体、整備、今後の維持管理コストも含めて、ご寄附いただいた2億円以上に費用がかからないようなやり方をまず考えていただきたいですし、観光ステーションや鍵屋資料館との兼ね合い、公共施設マネジメントの観点なども十分に議論していただきたいと要望します。ご寄付頂いたことは大変ありがたいことですが、こういったトータルコストの観点とかを踏まえず、ただ「お金をもらったから建てる」という安直な進め方にならないよう十分に議論をお願いいたします。ちなみに、同じ方から以前建物の負担付き寄附があり、その時は議決案件でした。今回は負担付き寄附にはなっていないですが、使途が通常の指定寄附より限定的な印象を受けます。逆に負担付き寄附じゃないということは、寄付者の指定通りの使い方じゃなくても返還義務がないということになります。このあたりの寄付の受け方、今後の使い方についてもしっかりと整理していただきたいと要望します。