公共施設マネジメントの考えを忘れずに新規施設の検討を。
12月定例月議会の一般質問の内容です。
質問の趣旨
先日ツイートもした内容です。↓
市民から2億円の寄付。大変ありがたいものの施設整備使ってくださいとよこと。建物つくるとなると長年にわたり維持管理・運営費もかかります。詳細確認が必要です。
観光交流施設の整備に市民から2億円の寄附【令和2年11月18日】 | 枚方市ホームページ https://t.co/8lsZc0eUDD
— 木村亮太@枚方市議会議員 (@kimura_ryota) November 21, 2020
とある市民の方から観光交流施設のためにと2億円を寄付してもらった件。市としては用地療育園跡地の建て替えを検討しているということです。
有難いものの・・・
- 建物は建ててからもお金がかかる
- 市としては公共施設の延べ床面積を縮減の方向性を示している(公共施設マネジメント推進計画)
- 観光施設が本当に必要か
という点から慎重な議論が必要です。市の中でも勢いで進めてそうな気がしたので、心配になっています。
ですので、そもそもの公共施設マネジメント計画の方向性の確認と、今議論している観光交流施設についても同じ枠組みの中で考えていくのかの確認です。
今枚方市は、コロナの影響も受け、これまで以上に財政状況が厳しくなっていますし、駅前再整備のお金を捻出するのに大変苦労している中、新しく、この施設のお金を捻出することが可能でしょうか?
駅前再整備を成り立たせるために、数字合わせ的に財政シミュレーションで、さらに行革効果額10億円を掲げ、議会からは「根拠がない」「夢の10億円」「マジカルな10億円」といわれている中で・・・。
議会にもしっかりと詳細を示していただきたいですし、庁内での議論もじっくりしていただきたいと思います。
個人的にはありがたいものの、新規で観光施設は不要だと思っています。。(寄付者の方申し訳ありません)
枚方市で観光というのがなかなかピンとこないです。仮にうまくいくとしてもそれは行政主導ではなく市民・民間主導でのものであって、そこに対して行政がやることは、条件整理、規制の調整などの協力が基本ではないかと思っています。
鍵屋別館は民間の会社が経営していて、ずっと続いているということは、利益が出ているのだと思いますが、あのような形であればいいと思います。
公共施設マネジメント推進計画について
ざっくりいうと、今後40年で市の公共施設を全て維持管理していくには、更新・改修などで毎年70億必要。
市の公共施設のうち、築31年以上のものが今後84.4%になっていきます。
お金が足りないので、
- 長寿命化+延床減少(3割減)
- 改修のサイクルを30年周期から→35年周期に。
- 建物の更新終期を60年→70年に。
- 延べ床面積を人口減少率にあわせて、およそ10年後に10%、20年後に20%、30年後に30%と減らしていく。
という内容です。
が、
令和8年度には全体の延べ床面積は総合文化芸術センターの整備などで現在の75.6万㎡から76.4万㎡と約7,400㎡増える見込みというのが現状です。
減るどころか増えています。
幼児療育園について
ちなみに、幼児療育園の機能については、すぎの木園と共に磯島北町の子ども発達支援センターに新規整備移転をしております。
この時の延床面積の推移で言うと、
幼児療育園465.51㎡
すぎの木園756.35㎡の2つで1230.8㎡だったのが、
子ども発達支援センターになった時に3475.6㎡と2200㎡増加しております。
質問の詳細
【質問】
本市では人口増加に伴い、順次公共施設を整備してきましたが、施設の老朽化や、人口減少が進展し、市税収入も減少の中では、公共施設の最適化・総量圧縮が喫緊の課題となっています。
平成29年3月に策定された「公共施設マネジメント推進計画」では、今後40年のシミュレーションを行い、長寿命化対策に加え、人口減少率に応じて延床面積を縮減することで、今後の財政状況と更新費用のバランスを保持できるとされ、人口減少率に応じて、およそ10年後に10%、20年後に20%、30年後に30%の面積縮減が示されていますが、今後、この課題に対してどのような方針で取り組んでいかれるのか、市の見解を伺います。
【答弁】
公共施設の総量最適化にあたっては、「公共施設マネジメント推進計画」の策定時におけるシミュレーションの結果を踏まえ、本年11月に「個別施設計画(総合編)」(案)を取りまとめ、6年間の計画期間内において市民1人当たりの延床面積を1.9㎡と目標設定しております。
今後、この目標達成へ向け、総量の最適化につきまして、「マネジメント推進計画」に基づき将来的な人口規模や構造に応じた施設総量最適化、新規施設整備の抑制、複合化や既存施設の有効活用といった3つの方針を軸としながら、施設評価をもとに施設の複合化や集約化を図り、総量削減に取り組んでまいります。
【質問】
今後、市民一人当たり1.9㎡の数値目標を達成するため、取り組みを進めるということですが、この「個別施設計画(総合編)」(案)を見ると、計画の最終年度である令和8年度では、全体の延べ床面積は(現在の75.6万㎡から76.4万㎡)と約7,400㎡増加し、「市民1人当たりの延床面積の推移」についても1.9㎡から2.0㎡と増加しており、これは総合文化芸術センターの整備によるものとのことです。
今後、市民1人当たりの延床面積を1.9㎡という目標を達成するためには、新規施設の整備にあたっては非常に慎重な検討が重要になると考えますが、市の見解を伺います。
【答弁】
長期的な方向性といたしましては、延床面積の増加抑制を基本としておりますが、真に必要となる施設について新設・増設をする場合には、複数施設の複合化による施設総量の最適化の観点や、民間活力を活用したより効率的・効果的な整備・運営を行うなど、トータルコストの縮減といった観点などから、十分に検討を行い、「個別実施計画」を策定していくこととしております。
【質問】
新規施設の整備といいますと、先日、市民の方から2億円の寄附をいただき、本市が建て替えを含む検討をしている観光交流施設がありますが、この施設についても、「マネジメント推進計画」の方針に沿って検討されるか、市の見解を伺います。
【答弁】
観光交流施設の整備予定地は、枚方宿地区において歴史的な由緒があり、宿地区の中間・中心に位置しています。地域の活性化とにぎわいを創出する施設となるためには、民間の発想が不可欠であると考えており、こうした観点からも、「公共施設マネジメント推進計画」に基づき、民間活力を活用した施設運営を検討してまいります。
【意見要望】
公共施設マネジメントの計画の中には幼児療育園は現在の床面積として465.51㎡が入っています。建て替えたときに延床が増えれば全体の延べ床面積がさらに増えることになります。民活ということですが、観光交流拠点施設については、真に必要となる施設の整理とトータルコストの縮減の検討が必要と考えます。また、新規施設であるため、単純に建て替えた後に3年もしくは5年間で何百万、何千万で指定管理者が運営するというような話ではないと考えます。この施設については、先日の答弁で「稼ぐ」というキーワードも出てきていましたので整備するのであれば、しっかりと戦略、事業計画、収支計画等を考え、市税が投入しなくても施設運営ができる形が見えた段階で実施するという流れで進めていただきたいと思っております。
2億円という高額の寄付は大変ありがたいことだと思っています。しかし、市にさしたる考えもなく、ただ、寄付していただけるからと話を進め、市政に混乱を招いた美術館の時のようにならないように、庁内での議論、議会との議論を重ねていただくよう要望します。また、今後基金条例を制定するということですが、基金の用途は整備だけではなく、解体、運営及びその準備など幅広く活用できるものとしていただくよう要望いたします。