駅前再整備についての質疑。
今日は枚方市駅前再整備についての全員協議会でした。
前回からの私が感じる大きな変更点としては・・・
- 厳しい財政シミュレーションと、再整備を成り立たせるために新たな行革10億が出てきた。
- 再整備を段階分けしたものが出てきた。
というところです。。。
それを受けて、以下の質疑をいたしました。
コロナで社会状況、経済状況が変わってきているのでなかなか厳しいですね。
私からは、
- 財政シミュレーション上大丈夫なのか?
- デジタル化の流れを受けて庁舎の規模は見直しできるのでは?
- 駅前の大空間は実現可能なのか?
- ③街区行政サービスコーナーにコンセプトはあるのか?
- 観光がコロナで下火になっている中ホテルはどう考えるのか?
- 庁舎位置の決定については議会との議論を。
という点を質疑しました。
初めに。
質疑の機会をいただきありがとうございます。それでは順次質疑をしてまいります。駅前再整備については、内部の議論をすべて把握しているわけでもないですし、たくさんの利害関係者が絡んでいる話のため、一足飛びに進むような話ではないのは承知をしていますが、前回との変化があまり見えない中、コロナの影響もあり財政状況の厳しさだけが明らかになったような印象です。経済波及効果を入れ込むともう少し余裕はでるかもしれませんが。
前回質疑をした部分についての変化があったのか、またコロナ禍における社会情勢の変化の観点、財政の観点などから質疑をしてまいりますのでよろしくお願いいたします。
財政シミュレーションについて
【質問】
まずは財政シミュレーションについてです。
財政シミュレーションにおける市税の動きについて確認したいと思います。
今回の財政シミュレーションでは、市税収入について新型コロナウイルスの感染拡大による影響を見込んでいるとのことです。そこで、財政シミュレーション上、市税収入についてどのような見込み方をしているのか、考え方や金額などについてお聞きします。
【答弁】
今回お示ししております財政シミュレーションでは、本年2月に作成した長期財政の見通しにおける市税収入に、過去のリーマンショック時の影響などを参考した修正を加えております。
金額でございますが、2月の長期財政の見通しとの差で申しますと、令和2年度が4億円減の550億円、令和3年度が15億円減の528億円、令和4年度が20億円減の525億円、令和5年度が22億円減の524億円、令和6年度が20億円減の521億円とし、その後、若干の回復を見込むものの、平均15億円程度の減とし、令和9年度以降は510億円台で推移するものと見込んでおります。
【質問】
今回の財政シミュレーションでは、市税収入が減少となる一方で、市債残高は1,200億円から1,300億円台で推移し、令和2年2月の「長期財政の見通し」からは大きく増加している状況にあります。もともと、「長期財政の見通し」では「概ね1,000億円程度」とする市債残高の目標を掲げられていると思いますが、そことの整合性について、市の見解を伺います。
【答弁】
今回の財政シミュレーションでは、コロナ禍による市税収入の減少に伴い、臨時財政対策債の増加を見込むことで市債残高は1,300億円台まで増加し、1,000億円を大きく上回る見込みとなっております。
現行の地方財政制度のもとでは、臨時財政対策債の償還費用については、交付税措置がなされることになっておりますが、その他の投資的事業に係る市債残高を含め、全体を見据えた中で、市債の借入にあたっては慎重に行っていくとともに、毎年度の公債費負担に十分留意しつつ、市債の繰上償還や借入抑制など公債費抑制の取り組みを継続的に実施することにより、将来にわたる財政の健全性を維持していく考えでございます。
【質問】
臨時財政対策債については、毎回同じやり取りになりますが、後年度に交付税措置といいますが、いわゆる赤字地方債だと思います。勿論それがないと成り立たないという現状も承知はしますが、市債の借り入れについては慎重にしていただきたいと思います。
次に、財政シミュレーション上の歳出面について確認したいと思います。財政シミュレーション上、市長が公約で掲げられている「中学校給食の全員喫食」は経費として見込まれているのか、お聞きします。
【答弁】
今回お示ししております財政シミュレーションでは、「中学校給食の全員喫食」に要する経費については、現在、実施手法などについて検討を行っていることから、見込んでおりません。
1年前の財政シミュレーションでは、駅前再整備以外の施策で15億円必要としており、その中にタブレットの導入や第二子無償かなと度ともに中学校給食を実施した時の費用も入っていたと認識しております。それが今回は入っていないということで、中学校給食の全員喫食についてはこの間の議会からの意見も含めて、やや優先順位が下がったと認識します。最新の喫食率は34%で、コロナの影響がほぼない昨年度の2月も34.1%と35%をまだ超えていない状態だと聞いております。全員喫食については、駅前再整備や他の教育子育て施策との順番やまずは喫食率の向上を目指すということも踏まえてよくよく検討していただきたいと意見をしておきます。
【質問】
次に、財政シミュレーションで最後に、新たな財源として10億円の確保ができる場合というものがありますが、この新たな財源の見込みとしてどのようなものがあるのかお聞きします。
【答弁】
新たな財源としての10億円につきましては、全街区において事業を推進する中でありましても、実質収支の10億円台を維持し、安定した財政運営を実施する場合に必要となる財源としてお示ししているもので、現在検討を進めておりますFMひらかたの放送委託料の見直しや可燃ごみを共同処理する予定の京田辺市の事業系ごみ手数料との均衡、また、道路占用料の適正化や総人件費の削減などに加え、新たな取り組みを行うことで、確保することは可能であると考えております。こうした取り組みに加え、財政シミュレーションでは考慮していませんが、枚方市駅周辺再整備による市税収入の増加など自主財源の確保につながる経済波及効果についても期待できるものと考えております。
【意見要望】
総人件費の削減などに加えのあとに、「新たな取り組みを行うことで」という答弁でした。現段階では、これとこれとこれとで合計10億円になっているというわけではないということだと思います。
財政シミュレーション上、駅前再整備を勧めつつ、実質収支を二けたにするためには、とりあえずで行革効果額を10億にしないとつじつまが合わないからこの数字になっているのかもしれませんが。ここはもう少し精査が必要だと意見しておきます。そもそも、駅前の再整備の必要性も理解しますが、行革をやっていくにあたっては市民の方々にも理解が必要だと思います。
また、人件費については、繰り返しになりますが、職種ごとの人件費も含めてしっかりと本当に民間委託をすることで効果が出るのかといった点の検証もお願いします。
庁舎規模、デジタル化
【質問】
次に新庁舎の床面積が前回素案の約25,000~26,000m2としていたものが約25,000m2となっており、前回の下限値としています。前回の時も申し上げましたが、コロナ禍において、テレワークやweb会議の活用、デジタル化が急速に進んでおり、もっとコンパクトな庁舎を目指して規模の縮減ができるのではないかと思いますが、今回の庁舎面積の考えを伺います。
【答弁】
新庁舎の規模算定に際しましては、執務室の面積について、国土交通省の新営一般庁舎面積積算基準、総務省の地方債同意等基準及び他市の庁舎建設事例の平均による3つの算定方法により比較検討を行った中で、枚方市新庁舎整備基本構想意見聴取会からの意見を基に、庁舎規模を最も縮小できる国土交通省の新営基準を採用し、想定する部署と直近の職員数を基に、計画面積を27,731㎡と算出しておりますが、既存施設の活用や文書管理システムの導入及びペーパーレス化の推進などによる規模の精査を行い、新庁舎の想定規模を約25,000㎡としています。
また、現庁舎が課題を抱えています多目的スペースや市民の待合スペースなど、市民の利便性の向上や災害対策関係、議会関係など新営基準では示されていない面積につきましては、他市の先進事例を参考に新規追加や拡充を行っています。
【質問】
前回も言いましたが、新営基準ってのは、平成14年度に策定されたものです。最短で新庁舎が完成場合でも、そこから見ると四半世紀以上前の基準になります。何かの基準がないと話が進まないのもわかりますが、まだ精査の余地があると思います。
例えば、書庫については現状面積と同様の1,562m2となっておりますが、行政文書についてもこれから更なるデジタル化が進み、書庫はもっと小さくできると思います。今後も現状の面積が必要と考えているのか見解を伺います。
【答弁】
新庁舎の規模を算定する上で、書庫については現状面積を積み上げておりますが、今後、各種手続きのデジタル申請等に伴うペーパーレス化の推進やファイリングシステムの導入による文書全体の保存量の縮減に向けた取り組みの状況等を踏まえ、引き続き、規模の精査を行ってまいります。
【意見要望】
これ以上は掘り下げしませんが、他にも、駐車場についても、現状より増やしていて、142台とされていますが、現状の渋滞解消のためというのは一定理解しますが、デジタル化を進めていけばわざわざ市役所に来なくてもよくなる方もいらっしゃるのではないでしょうか?そうしたデジタル化の流れや厳しい財政状況も含めて最適な規模を考えていただきたいと思います。民間企業ではコロナ禍においてテレワークを導入してオフィスビルの例えば3フロア借りてたのを1フロア返して2フロアでやっているようなところもあります。業種業態の違いや行瑛の仕事が100%テレワークにできるとは言いませんが、こういう状況も見極めていただきたいと思います。
駅前の大空間について
【質問】
再整備基本計画(素案)で示している②、④街区の連続した大空間は是非とも実現していただきたいと考えています。その実現のためには、サンプラザ1号館の協力が不可欠だと思いますが、サンプラ1号館の地権者の方々とはどのような協議を行っているのかお伺いいたします。
【答弁】
議員ご指摘の通り、本市としましても、②、④街区の連続した魅力のある大空間の形成には、サンプラザ1号館のご理解・ご協力が必要と考えております。
昨年8月にサンプラザ1号館の地権者等から提出された要望書を踏まえ、今回、「庁舎配置及び事業手法比較(案)」においては、②街区から続く公園・広場空間の確保を前提に検討を行い、その結果を、枚方市駅周辺再整備基本計画(素案)の土地利用の方向性に反映しております。
あわせて、サンプラザ1号館とは、本市のまちづくりの考えをご説明するなど、様々な機会を通じて意見交換を致しております。引き続き、地権者勉強会などを行い、生活再編の意向などを伺いながら、実現に向けて機運醸成を図る考えです。
【質問】
ぜひとも1号館の方々については、もちろんそれぞれの地権者の考えはあるというのは前提はありますが、駅前の大空間のためにご協力をいただきたいと思います。また、③街区に当初はいる可能性のあった商工会議所が入らないという話も聞いております。そういう意味では、誰がどのように、というのはありますが、③街区も含めた話もできるのではないかと思います。
また、この件については、P26にイラストがありますが、位置関係がいまいちわからないので、あくまでも現段階の案という形ででも、もう少し明示したものがあってもいいのではと思います。前回の再整備基本計画(素案)では、土地利用・施設配置計画図として詳細な図面が示され、建物の配置の想定も出ていましたが、今回はなぜ、土地利用が明確に分かるものが示されていないのか伺います。
【答弁】
前回の再整備基本計画(素案)では、目指すまちの姿に向けて市街地再開発事業により検討しており、事業手法の特性上、具体的な施設配置などをモデルケースとしてお示ししました。
今回、議会をはじめ様々なご意見を踏まえるとともに、事業の実現性を高めさらなる民間ノウハウの活用などを促すため、土地利用の方向性として基本的な考え方を整理し、新たなまちづくりのイメージをお示しするとともに、④⑤街区の再整備を土地区画整理事業に見直しました。そのため、土地利用などの具体化につきましては、本基本計画を基に地権者勉強会や市民の意見聴取などを行いながら、検討を進める考えです。
【意見要望】
再開発事業じゃななくなったので建物の配置を明確にできないというのはわかりますが、土地区画整理事業であれば、区画案を明示することはできたかと思います。今後もっとわかりやすいものを提示していただくよう要望いたします。
③街区の行政サービスコーナーについて
【質問】
③街区での行政サービス機能の再編について、駅前に行政サービスコーナーがあってもいいと思いますが、現状の案では、サンプラザ3号館の機能を集めただけのように見え、明確なコンセプトがないように見えますが、③街区での再編の考えをお伺いします。
【答弁】
③街区での行政サービスの再編につきましては、枚方市駅前の利便性を活かし、現在実施しているサービスを今後も安定的に継続させ、まちの魅力を高めるという観点などから、新庁舎整備や枚方市駅周辺再整備と連携し各種施設が抱える課題解決を図ってまいります。
具体的には、市駅前の図書館サービスとして課題を抱えている市駅前サービススポットを分館並みのサービスの提供を目指し(仮称)市駅前図書館として拡充することや、枚方市駅市民室サービスセンターで行っている市民窓口機能を拡充すること、それらの機能を複合施設としてのメリットを活かし連携強化を図るため、サンプラザ生涯学習市民センターの機能を拡充し、5階に市街地再開発組合の施設と連携して配置する考えです。
さらに、6階に保健センターが実施している一部機能やサンプラザ3号館の子どもの育ち見守りセンターなどを集約し各種相談機能の効果的な連携を図るなど、高齢者をはじめ妊娠期から子育て期に至る行政サービスを一体となって提供する拠点を整備することで、枚方市駅周辺の魅力や行政サービスの質、市民の安全性・利便性の向上を図っていく考えであります。
あわせて、保健センターに保健所を移転することで、④街区の連鎖型まちづくりを推進する考えであります。
【意見要望】
3街区の話は進んでいますので若干このタイミングという話はあると思いますが、サンプラザ3号館の耐震化の問題のため、どこか別のところというときに、現庁舎にはスペースの余裕がないため3街区の中にというのもわかります。また連鎖的なまちづくりをする観点から保健所の機能をどこかに移転させないといけないというのもわかります。今後新庁舎が整備されるときには、改めて、サンプラ3号館にあるものや保健所をとりあえず移転しただけ、というのではなく、駅前に必要な機能は何か、逆に駅前直結ではなく、庁舎でもいい機能は何か、という視点で何をどこに配置するのかということを考えていただきたいと思います。
また、この駅前行政サービスの再編については、11月24日の総務委員協議会で報告された窓口業務の最適化について、の内容との整合性も必要です。
全員協議会の資料の中では、「市民室の機能を配置して、住民票・戸籍関係、旅券申請受付交付事務と合わせ新たに市府民税課税証明書事務を実施する。さらに、ICTの活用や十分なスペースを確保することで、転入出に関する複数の手続きが同一フロアで行えるよう検討していく」とあり、総務委員協議会の資料の中では、ワンストップ窓口、ツーストップの窓口の導入とあり、転入・転出・転居届等の手続きで・・・とありまして、一方では3街区で、もう一方では今の本館と別館で同じような事をやろうとしてると思います。3街区も令和5年度以降で事業完了、オープンということで、本館別館のレイアウト変更や業務委託開始も現時点の予定では令和4年1月や2月なので、同じようなものが1-2年違いでオープンするってことはないようにしていただきたいのでここは整合性の庁内議論をお願いいたします。
コロナ禍においてホテルのあり方
【質問】
今回のコロナ禍で観光業界は大変大きな打撃を受けており、まだまだ見通しは不透明な状況です。その中、③街区での市街地再開発事業では、高層タワー棟でのホテルが計画されているとのことです。前回の総務委員協議会では、市としてバンケット付きホテルの整備に対して、固定資産税及び都市計画税等の相当額を支援することが示されましたが、この社会経済の状況下で、支援をしてまでホテルが必要と考えているのか市の見解を伺います。
【答弁】
コロナ禍の影響により、観光業界を始め社会経済活動が非常に厳しい状況の中、将来に向けて観光・賑わい交流・産業分野の活性化などの視点やバンケット機能のあるホテルは、以前に議会において枚方市駅周辺における宿泊施設の早期誘致に関する決議が可決されたことを踏まえ枚方市駅周辺再整備ビジョンに示す「広域駅前拠点」及び「まちなか交流拠点」として、本市の玄関口にふさわしい都市機能を形成していくためには、現在、市街地再開発組合が進めているバンケット付きホテルの計画をサンセット方式により支援していく必要があると考えております。
【意見要望】
まず5年、場合によっては追加で5年の支援ということですが、本当に宿泊客がいれば、固都税を払うことも可能だと思います。逆に観光客が回復しないということは、いくら行政が支援しても厳しいと思います。しっかりと都度見極めていただきたいと要望します。
新庁舎の位置や市有地の売却について
【質問】
最後に新庁舎の位置についてです。今回の再整備基本計画(素案)では、新庁舎の位置を⑤街区で整備する旨を示されていますが、あくまでこれは計画でありますので、市の考え方を示されているだけで正式に決定したものではありません。
今後、庁舎位置を決定していくには、どういう手続きが必要なのか? また、その手続きをいつ頃行う考えなのか伺います。
【答弁】
新庁舎を整備するために庁舎位置を移転させる場合には、「市役所の位置に関する条例」の改正が必要になってきます。
条例改正の時期につきましては、④⑤街区におけるまちづくりにあわせて出来るだけ早期に、議会へ提出してまいりたいと考えています。
【意見要望】
できるだけ早期に、ということですが、庁舎の位置というのは非常に重要案件ですのでこれからもしっかりと議会と議論を深めていただきますよう要望をいたしまして、また市有地の売却についても財源を生み出さないといけないのは理解しますが、50年の定借なども含めて、一頭地を売り渡すのがいいのかもしっかり検討していただきたいと要望をして、私の質疑を終わりにいたします。
1年前の質疑の内容です。