駅前再整備の全員協議会の質疑
今日は枚方市駅周辺再整備についての全員協議会でした。
私を含めて11人の議員が質疑をいたしました。
今回どのような内容が示されたのかについてはまた別の記事にまとめます。
私からは、
- 今後の働き方(テレワーク)やICT活用(オンライン手続き)の流れから庁舎のあり方も変わってくる。
- これまでのように大きなオフィスとしての庁舎は必要なのか検討していくべき
- 現市民会館大ホールや市役所がある場所は市有地の有効活用という点は理解するが売却するかどうかは慎重になるべき
- 財源が必要というのも理解するが、今の財政シミュレーションは変わる要素が多々ある。駅前再整備の効果についてもしっかりと測定していくべき
- にぎわい創出のためには、常に変わり続けるまちづくりが必要でそのような考え方で再整備をする必要がある
- 広場を暫定利用して、オープンカフェやおしゃれな屋台村として実証実験的に活用すべき
という内容で質疑をいたしました。
駅前再整備は時間もお金もかかる事業。都度都度状況に応じてやっていく必要があると思います。また市民の方々にも必要性を伝えながらやってかなければなりませんね。
はじめに
よろしくお願いいたします。10番目ということで、重複する部分も出てくるかとは思いますが、私なりの視点で質疑をしてまいりますので何卒宜しくお願い致します。
今回の資料を見ていると、財政シミュレーションが出たこと、再開発事業から土地区画整理事業に変わったというのは理解していますが、あまり進展を感じられないという印象です。
少しずつでも関係者を巻き込んで進めるべき部分は進めていただきたいと思っております。
今回は、今後の社会状況の変化も見据えながら、庁舎のあり方、まちづくりのあり方、財政シミュレーションのあり方、にぎわいの創出について、将来にわたるにぎわいの創出と、現段階からでもできるにぎわいの創出について順次質疑をしていこうと思いますのでよろしくお願いいたします。
庁舎のあり方について
まず、一つ目は庁舎のありかたについてです。
新庁舎整備における延床面積の考え方についてお聞きします。
昨年12月の全員協議会で示された新庁舎基本構想(素案)では、新庁舎の規模を国土交通省の基準にもとづいて算定されていますが、具体的にどのように算出しているのかお聞きします。
【答弁】
新庁舎整備に際しましては、執務室の面積について、国土交通省の新営一般庁舎面積積算基準、総務省の地方債同意等基準及び他市の庁舎建設事例の平均による3つの算定方法の検討を行い、枚方市新庁舎整備基本構想意見聴取会からの意見を基に、庁舎規模を最も縮小できる国土交通省の新営基準を採用し、想定する部署と職員数により算出しております。
また、現庁舎が課題を抱えています多目的スペースや市民の待合スペースなど、市民の利便性の向上や災害対策関係、議会関係など新営基準では示されていない面積につきましては、他市の先進事例を参考に算出しております。
【質問】
この国土交通省の新営基準は、平成14年度に国において策定されたものとお聞きしていますが、今回、市から示された新庁舎を⑤街区で整備する場合の想定スケジュールでは、この基準が策定されてから新庁舎が完成する令和11年の時点では、最短でも既に27年も経過していることになります。
昨今、市では、行政改革による業務の効率化や働き方改革に取り組んでおられることや、ICTの目まぐるしい進展が予測される中、近い将来にはテレワークやテレビ会議などによる職員の働く環境が大きく変わろうとしています。また、市民においても、市役所に来ずともICTを活用することで手続きや相談等が出来る時代へと変わっていく可能性が大いにあります。
そのような状況で、古い基準にもとづいて庁舎の規模を算定するだけではなく、将来の市庁舎が本当に必要とする最小限の床面積を見据えて、よりコンパクト化を図っていく必要があると考えますが、市の見解をお聞きします。
【答弁】
新営基準並びに本市独自の調整事項を加えた上で算出しました計画面積を、現状の庁舎面積とほぼ同等の約28,000㎡としておりますが、将来の人口減少の推移を見据え、公共施設のマネジメントの観点や本市の財政状況等を踏まえながら、輝きプラザきららなどの既存施設を引き続き有効活用することや、今後さらに進展が予想されるICTの最大限活用などによる規模縮減に向け、現在、事業費の算出などにおいては約25,000㎡で検討しております。
【質問】
現時点で、28000平米必要なところを、25000平米に縮小するということで、1割程度減らした計画になっているのは承知しています。私としては、今後はもっと床面積が必要なくなるのではないかと感じています。今の段階では25000平米以下は考えられないと思いますが、そうであったとしても、将来的に、庁舎の一部を使用しなくなった場合は、例えば1フロア単位で民間に貸して賃料を得ることや、場合によっては切り売りが出来るなどの想定も含めて、柔軟な対応ができる検討が必要ではないかと考えますが、市の見解をお聞きします。
【答弁】
将来人口や社会情勢の変化等に伴い、新庁舎の執務室の一部が空いてくる場合は、新庁舎以外に分散している庁舎機能をさらに集約していくことや、市民の利便性の向上に繋がるスペースへの転用など、公共施設のマネジメントの観点から必要な検討を行っていきたいと考えております。
【意見要望】
庁舎の件はこれで終わりにいたしますので最後に要望をいたします。
先程の答弁では、庁舎規模の算定に際して、他市の先進事例を参考にと言われていましたが、他の自治体の事例だけではなくもう少し広い視野で検討するべきです。
革新的なオフィスレイアウトを施している民間のオフィスや、電子化が極めて進んでいる海外都市の事例研究なども積極的にしていただきたいと要望いたします。
市としても、仮称)行政改革プラン2020(案)の中でこれからの市職員の働き方や市民手続きのありかたも示されております。もっと柔軟にしていく、テレワークなども導入していく流れがありますし、市民手続きに関してはマイナンバー制度の活用や、電子申請の促進、拡充、といった市役所に来なくても済むような取り組みを進めていきますし、仮に来たとしても「書かない」「迷わない」「待たない」窓口サービスを目指していくということですので、そういった中で、市役所のありかたも変わってきます。また、3街区に窓口コーナーも作っていくので、従来の考え方の庁舎が必要なのか、3街区でのスペースを充実させて、庁舎の規模を小さくするという考え方も含めて、新庁舎の床面積やあり方の検討を進めていただくことを要望しておきます。
魅力あるまちづくりの観点から
【質問】
次に、魅力あるまちづくりという観点から、伺います。
まちづくりを進めるうえで、魅力ある景観を形成していくことが、将来にわたり、まちの価値を維持向上するためには大事になって来る要素であると考えています。再整備にあたり、枚方市駅周辺を魅力ある街にしていくためには、例えば、統一感のあるまちとするための規制なども考えられると思うが、市の見解を伺います。
【答弁】
議員お示しのとおり、まちの魅力づくりには、良好な都市景観の形成に取り組むことが重要であると考えております。
本市におきましては、平成25年には「枚方市屋外広告物条例」を定めるとともに、平成26年に、「枚方市景観計画」と「枚方市景観条例」をあわせて定めることで、市全域を対象として実効性をもった規制等を図っているところでございます。
今後、枚方市駅周辺のまちづくりの具体化に合わせて、必要となる景観制度の活用などを検討してまいります。
【質問】
景観制度の活用を検討していくとのことですが、枚方市駅を降りた際に見える景色と言うのは、この街に来る人達にとってまちの第一印象となります。
別紙1-1のイメージ例に示す、駅前広場とニッペパーク岡東中央の連続した大きなみどりの空間は非常に魅力的であると思います。別紙1-2の検討案2では、サンプラザ1号館からの「現状と同様の立地条件」を踏まえ、駅前広場に面した再開発ビルの建築を想定しているように見える。
これでは、そのような空間はできないと思われるが、どのように考えているのか市の見解を伺います。
【答弁】
検討案2においては、②街区の市街地再開発ビルの予定地を地権者の意向に沿ってニッペパーク岡東中央としていますが、本市が目指しますまちづくりの観点からは課題として認識しています。そのため、南口駅前広場とニッペパーク岡東中央との連続性や大空間の確保といった将来めざすべきまちの姿の実現並びに地権者の生活再建の両立が図れるよう、駅前広場の配置や形状を検討するとともに、地権者と協議を重ねまちづくりの機運を高めてまいりたいと考えています。
【意見要望】
駅前広場とニッペパーク岡東中央の連続した大空間は、このまちづくりにおいて重要なポイントとなります。もちろん地権者の意向もあると思います。しかし、駅を降りたときにズバッと緑の空間・広場が見えるか見えないかでは、まちのイメージや価値がだいぶ変わってくると思います、他のまちでは味わえない魅力的な景観づくりのため、魅力ある景観を形成しているまちや、駅前の広場があるまちの事例研究を一緒にして、機運を高めていくなど地権者への理解・協力が得られるように努めていただきですし、職員の方々もどのような配置をするのが枚方市全体にとっていいのか、知恵を絞っていただきたいと要望しておきます。
財政の観点から
【質問】
次に財政の観点についての質問をしてまいります。
今後見込まれる事業経費について、枚方市駅周辺再整備では、財政調整基金からの積替え2億円を含めて5億円が必要とされており、それ以外の施策で約15億円とされていますが、この15億円の中には、どのような事業が見込まれているのでしょうか。
【答弁】
今後見込まれる事業経費の15億円につきましては、第2子以降の幼児教育・保育の無償化や全中学校へのタブレットPCの導入費用など、所信表明に掲げております施策について、現状で見込まれる事業費を算定したものでございます。
【質問】
駅前再整備の話と少しずれるのでこれ以上15億円や(仮称)行政改革プラン2020(案)で示している効果額は、再質問をして深堀はいたしませんが、抜けている点や考慮しなければならない点があるのではないかと思っています。
例えば、中学校給食については市長が公約に掲げておられますが、議会でも慎重論が多いです。また、全中学校へのタブレットPCについても、まだ詳細はわかりませんが、現在政府が、小中学生に1人1台のパソコン・タブレットを整備する方針も示されています。他にも行政改革プランの中では事業系ごみの手数料の話もありますが、効果額が見込まれていません。
タブレットは今実施している1校で約5000万円かかっており、残りの18校も導入すると単純計算で9億
中学校給食は初期費用が3億、ランニングコストが毎年5億円
事業系ごみの手数料については以前の答弁からは年間2億円
というようにされています。
例えば、タブレット整備の市負担がなくなり、中学校給食も実施せず、事業系ごみ手数料の改定をしたとしたら、10年で80億円ほどの財源が出てきます。何がいいたいのかというと、市有地の売却についてです。基本は売却していくのがいいと思いますが、この駅前の土地については貴重な立地なので慎重に考えたほうがいいと思います。市負担額の財源の中で、市有財産有効活用という項目で、土地の売却益など88億円とありますが、先ほどのような条件を設定すると土地を売却せずに、定期借地権で50年貸すということも視野に入ってくるのではないでしょうか。あくまでもシミュレーション上の事で、他にも行政ニーズに応じて新たに取り組む事業も出てくるかもしれませんが、駅前の一等地である4街区の市の土地を売るべきなのかどうか、ということは、そのタイミングの経済状況も含めて、慎重にそして、売却ありきではなく柔軟に考えていただきたいということを要望しておきます。
次に、財政の観点から再整備に伴うプラスの効果についてお聞きします。
再整備を実現するためには、非常に多くの市費が投入されることになります。今回、提案された検討案2では、再整備基本計画(素案)で示された216億円を上回る236億円となっており、これらには多くの税金が投入されることになります。
市民の理解を得ながら、再整備を進めるためには、市費の投入に見合う新たな税収や経済波及効果などを示す必要があると考えますが、市の見解を伺います。
【答弁】
昨年度にお示ししました再整備基本計画(草案)の土地利用計画・施設配置計画図の施設建築物を想定した試算ではありますが、市民税や固定資産税、都市計画税による新たな税収として20年間で約60億円、経済波及効果は約1,600億円を見込んでおります。
【意見要望】
経済波及効果の方は、平成23年大阪府産業連関表(基本表)の経済波及効果推計ツールによる計算式に当てはめ、生産誘発や雇用者所得などによる効果を算出しているものですが、結局これは、整備事業に係る効果であり、事業者に工事費としてお金が入るとか、従業員に給料が支払われるとか、その従業員が市駅周辺でご飯を食べるなどの効果であり、事業期間内の話です。大事なのは駅前が生まれ変わったことによって、住む人が増えることや、訪れる人が増えることや消費額が増えることですので、そこをしっかりと意識していただきたいと思います。
にぎわいの創出の観点から
再整備後の新たな税収などについてご答弁いただきましたが、新たな税収についてはその効果が再整備後に持続した賑わいの創出があってのことです。
次ににぎわいの創出の観点から質疑をしてまいります。
将来にわたってのにぎわい創出
【質問】
賑わいの創出についてはハードとソフトによる公民連携の取り組みが必要であり、ハード面では、再整備により、どのようなコンテンツを導入するのかが重要と考えています。
実現に向けた想定スケジュールでは、④⑤街区について令和6年度から令和15年度にかけて民間活力導入の整備期間が示されており、まちの価値が維持・向上するために、その時代のニーズに合致したコンテンツを導入する必要があると考えていますが、市の見解を伺います。
【答弁】
市民ニーズが多様化しているなど、社会環境の変化に対応しながら持続した賑わいを創出していくためには、民間ノウハウを活用するなど、魅力あるコンテンツを導入していく必要があります。また、事業の実施において、土地利用における民間提案を公募する際には、ニーズに合致したコンテンツや持続可能な賑わい創出に関する提案を求めるなどの検討を行っていきたいと考えております。
【意見要望】
整備期間においても、柔軟に時々のニーズに合った整備をしていくことも必要ですが、一旦、再整備が完了したのちに、建築物をはじめ、まちが陳腐化しないように、常にまちの変化が感じ取れることが重要と考えています。常に何かが変わっていく、新しいものが生まれていく、というのも大事なのではないでしょうか。
建物の耐用年数も物理的には50年60年持つと思いますが、バリアフリーなどの社会的要請に対応しているか、商業施設の建物として魅力的な建物か、テナントが入るかという観点の、社会的、経済的な観点からの耐用年数はもっと短いと思います。
そのために、例えば、施設の更新時期を当初から短期に設定し、一度全体のまちづくりが完成後、新たなまちに向けて施設を更新し続けるなどの観点の検討も必要ではないかと意見を申し上げておきます。
今からできるにぎわいの創出
【質問】
最後に、今からでもできるにぎわいの創出について伺います。
7月のUR都市機構による基調講演では、まちづくりを進める際に、まず小さな社会実験や暫定利用を行うことが重要とありましたが、現市民会館大ホール前の広場などで、すぐにでもオープンカフェなどの暫定利用を行っていくようなことも、再整備の検討に反映するべきだと考えるが、市の見解を伺う。
【答弁】
市民会館大ホール前の広場につきましては、一定の制限はあるものの、これまでイベント開催時に主催者において飲食ブースなど出店の実績もあり、期間限定のブース出店は可能であると考えます。
なお、市民会館大ホール前の広場を含む市民会館廃止後の取り扱いにつきましては、市駅周辺再整備基本計画の検討と合わせて、庁内で検討を進めてまいります。
【意見要望】
広場についてはまだまだ活用の余地があると思います。京都市立芸術大学を京都駅東エリアに移転開設を決めた京都市は、大学の移転工事が始まるまでの期間を限定して予定地の一部を活用して崇仁新町という屋台村をつくり、イベントも開催しにぎわいを創出していますのでそういった手法も今後ぜひ検討していただきたいと要望しておきます。
最後に
最後になりますが、駅前再整備はどうしても時間のかかる事業です。事業を実施している間でも、人口は減っていく推計がされていますし、社会状況や経済状況の変化も発生する可能性があります。庁舎のあり方、手続きのあり方、職員の働き方も変化していくでしょうし、財政状況も変化していくと思います。未来を見据えて、柔軟な対応ができるようにさまざなな状況を想定しながら、まちづくり、駅前再整備をしていっていただきたいと要望をいたしまして終わりとさせていただきます。