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尼崎学びと育ち第2回シンポジウムに。尼崎市の教育子育て政策は全国に先駆けてEBPMを取り入れてます。

8月23日は尼崎学びと育ち第2回シンポジウムに行っておりました。

 

 

第1回の様子はこちら。

エビデンスに基づいた教育政策を目指して(尼崎学びと育ちシンポジウム)

尼崎学びと育ち研究所の取り組みを伺う

 

今回どうこうしたインターン生の記事はコチラ

尼崎学びと育ちシンポジウム第2回に参加(インターン生記事)

 

尼崎学びと育ち研究所とは。

学び(教育)や育ち(子育て)に関してEBPMを全国に先駆けて実施している機関です。位置づけとしては尼崎市の教育委員会の中にあると思うのですが、その道のプロ(経済学の教授など)が研究員としています。

尼崎市で実施している教育や子育ての政策を検証したり、新しく実施していく政策をこれから検証してどういう政策が効果があるかを見ていっております。

 

EBPMの必要性。

EBPMとは(Evidence-based Policy Making、エビデンスに基づく政策立案)。限られた資源を有効に活用し、効果のある政策を実施していくためには、しっかりとエビデンス、統計的に有効なデータを活用して政策決定をしていこうということです。

 

自治体も、日本政府もとにかくお金がなく、それでもやるべきことをやっていかないといけないので、効果のある政策を見つけて進めていく必要があります。

 

尼崎学びと育ち研究所の研究員の一人であり、『学力の経済学』で著名な慶応大学の中室教授は「財源が限られている、厳しい中、それでも未来への投資である教育をしていかなければならない。限りある財源を使っていくためにはどれが一番効果があるのかしっかりと分析をしてそこに資本を投入していかなければならない。だからエビデンスベースの政策は大事」とおっしゃっています。まさにその通りだと思います。

 

 

 

当日の内容としては

  • 認知能力(学力テスト的な点数を上げる能力)だけではなく非認知能力(やり抜く力、協調性など)の育成が大事。
  • 無償化により、保育所ニーズがさらに増えると質が下がる可能性がある。その影響は将来にわたって続く可能性もあるため、質を見ていくことが大事。
  • クラスの規模と成績にはあまり関係なさそう
    など非常に興味のある研究成果が盛りだくさんでした。

 

まとめ

内容の詳細を書いてからまとめなのですが、詳細が長くなりましたのでまとめを上に持ってきました。

 

枚方市の教育も力を入れていますが・・・・、尼崎の教育政策への力の入れようや、しっかりと効果を出していこうという意気込みは残念ながら現時点では枚方市と段違いです。話を聞いていると尼崎市で子育てをしたくなります。いいところは枚方でも実施できるように働きかけてまいります!

関連記事です

枚方市でもEBPMを取り入れていくべき。またビッグデータ解析をまちづくりに活用を。

少人数学級が学力の向上に効果があるのか?枚方市の少人数学級の取り組みの状況とともに。

 

 

 

 

 

当日の内容詳細。

基調講演「非認知能力の育成と影響」
尼崎市学びと育ち研究所所長大竹文雄

社会で成功するためには認知能力だけではなく、忍耐力、人間関係を築く力、新しいことに挑戦する力などの非認知能力が重要だ。

それって何かエビデンスはある??

性格特性と年収の関係を調べた(大竹研究)
日本では外向性、協調性、勤勉性の要素を持っていると所得が高い。情緒的安定性や経験への開放性は日本ではあまり関係ない。

アメリカでは協調性はマイナス。勤勉性と情緒的安定性がプラスに働く。

同じ非認知能力でも国によって違う。

因果関係、
仮に茶会で成功している人を調べると認知能力だけではなく非認知農六を持っていたということがわかっても、に賓地能力を持っていることが成功するために必要かどうかは明らかではない。
可能性1:社会で成功すると非認知能力を身に付ける(衣食足りて礼節を知る)
可能性2:に賓地能力にも社会的成功にも関連するものがある。(親のコネ、試算)

ではどうやって測るか?
ある時とない時で比較するのがいい。

でも、非認知能力があった時とない時の比較は難しい。どうやって比較するか。
一人ではできないが、グループなら可能。
同じようなグループを負圧に分けて、片方に非認知能力を付ける。

どうやってグループの比較をする。
・ランダムにグループ分けする(RCT:実際に医療の分野ではやっている事)
・偶然に多様なグループなのに非認知能力の教育をしたグループとそうではないグループが生じたデータから差を見つける。
・差の差分析
・非連続回帰

ヘックマン、アメリカの研究
所得による学力の格差は6歳の時からついている

赤林教授の研究(2013)で、日本でも小学校低学年から所得に応じて学力の差が出ている。

ペリープログラムによると、
3-4歳の恵まれない子供たちに対して介入をして40年間追うと、持ち家比率、月2000ドル以上稼いでる比率、犯罪発生率や生活保護などでの差が大きい。

投資収益率は15~17%で小さい頃の教育の方が大学生に比べての教育よりも効果が高い。

 

ヘックマン教授の主張

社会的に成功するうえで重要な能力は認知能力と非認知能力の両方。
根性、忍耐、やる気といった能力は社会的に成功するうえで重要。就学前の教育の効果の多くは、非認知能力とやる気を育てることから発生。
・就学前に適切な教育刺激を受けておかないと将来伸びない。

他にも、
幼稚園の成績や幼稚園の先生の質がその後の長期的な経済的な影響を分析
成績が1%上昇すると平均年収の1%相当が上昇する。

 

やり抜く力(GRIT)
グロースマインドセット(じぶんの成長は経験や努力によって向上できるという考え方)のビデオを見る。
有名科学者が成功する途中で失敗したということに、夢中になっている事、自分も時々失敗するということを手紙にする。
成功するには多くのチャレンジがあって、多くの失敗が避けられないこと、あきらめないことの大切さを学ぶ。

グリットのカリキュラムをやると難しい課題を選ぶ人が増える。

尼崎市のそろばん教育
尼崎市は計算教育特区
算数の成績状況、グリットの上昇という効果が得られた。

隠れたカリキュラムと経済的価値観(伊藤・窪田・大竹2015)
・グループ学習の経験は日本人の価値観に影響を与えているか。
・勤勉が人生の成功につながるという考え方は今では日本人の価値観になっていない
・競争させない平等主義教育は日本人の助け合い精神を促進したのか

主体的・参加型学習
→利他性、共同、正の互換性、愛国心にプラス

非競争主義
→利他性、共同、正の互換性、愛国心にマイナス。報復にプラス(自分に不利なことされるとし返す人が多くなる)

 

「教育環境が学力に与える影響」「出生体重等が健康に与える影響」
所長大竹文雄(大阪大学大学院経済学研究科教授)

教育環境が学力に与える影響

  • 経済状況との関係
    • 家庭の経済状況が悪い場合にはスコアが低い傾向
    • 非認知能力への影響はわからない
  • 相対年齢効果
    • 小学校低学年の時は早生まれか遅生まれかで学力に差が出てくる。
    • それは中学校になると追いついていく。
    • リーダーシップは中学になっても差が埋まりにくい。
    • 最後までやり抜く力(GIRD)も差が埋まりにくい。
  • クラスサイズの効果(少人数)
    • ほとんど成績に影響がない。
    • 尼崎だけではなく他の日本の研究と同じ。
  • そろばん授業の効果
    • 算数の成績を引き上げる効果はあるがその影響は大きくない、他の科目の成績が下がるということもない
    • やり抜く力と言われるGRITが高まる。一方で自己肯定感を上げる可能性がある

 

出生体重等が健康に与える影響

  • 低体重なほど1歳半時点での発育状態が悪い低所得世帯において発育状態は悪い影響
  • 3歳時点では負の影響は小さくなる。
  • 2500g程度で生まれた子ども発育の差も1歳半では差があるが3歳では見られなくなる。

 

「尼っこ健診・生活習慣病予防コホート研究」
主席研究員岡田知雄(神奈川工科大学応用バイオ科学部教授)

  • 生活習慣病に予防対策の多くは成人を対象としたものだったが、胎児期や小児期の栄養状態が成人になってからの生活習慣病の発症に影響すると言われており、胎児・子どもに対しての健全な環境づくりが課題
  • 子どもの肥満率は昔の3倍
  • 身長や肥満度と出生時の体重の比較。
    →出生時の体重が大きいほど身長・肥満度が高い
  • 小児医療でおける生活習慣病予防の方策が明確になることで、尼崎市の生活習慣病の改善、早期対応により、罹病率・早期死亡率を下げ、医療費の削減にも貢献していく。
  • 小児期の肥満の原因となる生活習慣の傾向は、就寝時間の遅さ、や男子においては総活動量(運動量)が120分未満

「非認知的能力の育ちを捉え育む乳幼児教育・接続期教育の開発」
主席研究員北野幸子(神戸大学大学院人間発達環境学研究科准教授)

 

  • 経済要因と子ども関心要因が独立している。
  • 子どもへの関心が高い保護者は経済的な背景を超えて保育実践の質に関心を持って園選択をしている。
  • 経済要因と子ども関心要因のスコアが著しく乖離しているといった園もある。
  • 保育の質をECERS(保育環境評価スケール)で測定していくことが大事
    •  子どもには3つの基本的なニーズがあります
      •  保護されること
      •  社会的/情緒的発達が保障されること
      • 知的発達が保障されること
    •  これら3つの基本的なニーズを満たす環境は、7つの大きな要素から構成されています
      •  空間と家具
      •  個人的な日常のケア
      •  言語-推理(乳児版;聞くことと話すこと)
      •  活動
      •  相互関係
      •  保育の構造
      • 保護者と保育者

 

「就学前教育の質が就学後の学力や健康に与える影響」
「学力に対する相対年齢効効果の検証」
主席研究員中室牧子(慶應義塾大学総合政策学部教授)

  • 幼児教育無償化で何が起きるのか。
  • 背景としては世代間格差の解消。
  • 60歳以上の世代は4000万円以上もらう。20歳は8300万円多く払っている。
  • 高齢者への過剰投資があると将来世代に対して投資をしていきましょうという流れの中で幼児教育の無償化。
  • 福祉的な役割から、共働き世帯のサポートの役割へ。
    • 保育所利用者に占める生活保護世帯の割合やひとり親世帯の割合が減っている。
    • 比較的所得の高い世帯が利用するようになってきた。
  • 幼児教育無償化は比較的所得が高い人への再分配になるのではないか。
  • カナダのケベック州で1997年に行われた幼児教育の保育料引き下げによる、保育所の利用が増加。
    • 10年後見ると、非認知能力にマイナスの影響を与えた。
    • 良くも悪くも長期にわたって影響がある。
  • 鍵は幼児教育の量ではなく質。
  • 保育環境評価スケールで計測していく。
  • 尼崎の保育の質は平均的には悪くないが、施設によってばらつきがある。
  • どう改善するか。
  • コンサルティングプログラムの実施
  • 結果を施設ごとに公開。
  • 資源の制約を踏まえて保育の質のどの部分を改善するのが効果的か。

 

 

「周産期から幼児期までの状況が発達や学力の向上に与える影響」
主席研究員西山将広(神戸大学大学院医学研究科助教)

 

  • 発達マイルストーン・・ハイハイができる、歩くことができる、言葉を発することができる、話をすることができる、などの発達のステップ
  • 1946年3月に英国で生まれた5326人の2歳までの発達マイルストーン到達速度と8歳、26歳、53歳の知能指数の関係。
    全体としての傾向はあるが個人差がとても大きい。
  • 超早産時(在胎33週以下)、超低出生体重児(1500g以下)の学力や問題行動との関連。
    • 100点に換算すると7点くらい低い。
  • 改善するための試み
    • 行動療法が自閉症のふるまいを改善する
    • 児に対して:教育プログラム・心理療法
    • 親に対して:ペアレントトレーニング
    • 運動療法が自閉症のふるまいを改善する
      ジョギング、乗馬格闘技、水泳、ヨガ

 

「学習や学校生活における困難を改善する指導に関する実践研究」
主席研究員中尾繁樹(関西国際大学教育学部教授)

  • 幼稚園の運動プログラムの効果測定
  • 3つの幼稚園で昨年小11月から今年の3月まで。
    幼稚園でケンケンパ、などの運動プログラムを実施。
  • 結果運動能力の向上の確認
    肖像画を描く、眼球の動きを見る、姿勢の曲がり具合を見る、グッドイナフ人物画知能検査

    • 4歳時では3ヶ月の間で8ヶ月の発達の伸びがあった。
    • 5歳時では3ヶ月間で12ヶ月分の発達の伸びがあった。

 

 

 

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枚方市議会議員
木村 亮太
民間企業を経て2011年より枚方市議会議員。政治スタンスは未来に責任を持った政治。主な政策は行財政改革、人事給与制度改革、教育子育ての充実、持続可能な社会保障制度改革、ICTを活用したまちづくり。
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