エフエムひらかたへの放送委託料を廃止の方向
6月定例月議会前の各種委員協議会で報告のあった中で注目案件についての記事です。
それ以外の内容については、こちらからご覧ください。
ついに?エフエムひらかたの今後の方向性についての報告がありました。
市としては放送委託料の廃止に向けて話を進めていくということです。
エフエムひらかたとは・・
阪神淡路大震災をきっかけとして、災害時の情報伝達手段として、枚方市や市内の民間事業者等の出資により平成9年に開局した地域コミュニティFM。
市は開局のタイミングでも出資していますし、それ以降も毎年放送委託料とという形で実質的には運営補助費用を出してきました。5000~7000万円。エフエムひらかたの売り上げの大半(年度によって違いますが7~8程度)は市からの放送委託料が占めています。
平時は、1日2.5時間、年間で950時間程度を以上の放送委託料で制作した番組で市の情報発信をしていました。
木村も含め議会からのこれまで意見。
開局当時はネットもスマホも普及しておらず、情報伝達手段としては有効だったのかもしれませんが、ネットやスマホの普及とともに必要性が相対的に低くなってきている中、放送委託料は妥当なのか、見直すべきだ、という意見が多いです。
木村のこれまでの発言
今後の方向性と木村の意見
今後の方向性
市としては放送委託料(最近は約5000万円)の廃止に向けて話を進めるとともに、エフエムひらかたの自立経営・事業譲渡の可能性を探ることの協力をしていく。
フロー図。自立経営を目指し、難しければ事業譲渡を目指す、厳しければ廃業も視野に。
今後のスケジュール
市の放送委託料は令和3年度で終了予定です。
木村の意見
私もこれまでも時代の変化から、放送委託料5000万円を支出し続けることは適切ではないと申し上げてきました。また、ありかたについてもしっかりと検証すべきという意見もしてきました。
そういう意味では市の方向性に賛成です。
今後は、この放送委託料として支出してきた5000万円分を、教育や福祉の目的で活用していくこともいいですが、情報発信の強化(具体的にはWEBの強化やデザイン視点を養う人材育成、採用等)にも充てていただきたいと思っております。
私としては2013年の3月に最初に取り上げて以来、約7年のものです。少しずつですが、時代に沿うように。限られた税金を有効活用できるように。
効果検証
災害時の情報伝達手段としての有用性
①災害時情報伝達環境の変化
- 平成9年設立時
- 防災行政無線
- コミュニティFM
- 平成9年設立時
- 防災行政無線
- コミュニティFM
- ホームページ
- SNS
- エリアメール
- Jアラート
→多様化。FM放送は主たる伝達手段から複数の伝達手段の1つに
②エフエムひらかたの聴取率
【問】エフエムひらかたをどのくらいの頻度で聞いていますか?(平成30年度情報発信アンケート)
- H23:10.6%
- H26:12.7%
- H30:7.4%
③災害時における活用実態
災害時に「エフエムひらかた」による地域の詳細な災害情報の発信は必要だと思いますか?
必要と思うと答える人は67.4%いるが、実際にそのうち、大阪北部地震に関する情報を聞いた人は3.9%
④災害時における情報収集
大阪北部地震発災直後は市公式ホームページへのアクセス数が7倍以上
⑤高齢者における情報収集手段
- スマホまたはタブレットを持っていますか?
「はい」が58% - スマホがない方で大阪北部地震小歳の情報収集手段は?
テレビ34%
新聞27%
近所の人などの口コミ23%
パソコン4%
ラジオ6%
その他6%
スマホがない方の災害時の情報収集は、テレビや新聞、口コミが大半を占めている。
災害時の情報については、複数の手段により収集している実態がみられた。
⑥災害伝達手段としての活用
FM放送の場合は、必要な情報を得るために継続的にラジオ放送を聴き続ける必要がある。
エフエムひらかたを聴いている人は少なく、情報伝達手段としては効果は低い。
平常時の市が提供する番組の効果
市放送委託料約5000万円による制作番組全13プログラム
1日2.5時間年約950時間
主管課へ市提供番組の発信効果についてのヒアリング調査結果
- 放送内容について
- ルーティン化している
- これ以上の放送枠を拡大するのは難しい
- 枚方の魅力周知に役立っているか
- エフエムひらかたを聞いて市へ問い合わせたという電話は一度もない
- 市民の反響がほとんどない
- 全戸配布される広報誌の効果的であると思う
- 番組がなくなった場合の代替手段は必要か
→市ホームページや広報誌、民間の情報媒体で発信したほうが有効 - その他意見
- 職員のスキルアップになるが費用対効果が良くない
- エフエムひらかたへの委託料を広報誌の充実に使ったほうが効果的
経営戦略プログラムの検証
災害時の放送体制の確保
- 災害時の放送体制を担保するためにはこれまでと同程度の放送委託により、市の継続的な支援が不可欠
リスナーの拡大
- 放送業界で評価の高い賞を受賞するなど、見職的な番組作りに取り組んできた
- 自動車納車前にラジオにプリセットするなど、民間事業者の協力による取り組みを進めてきた。
- それらの成果として・・・エフエムひらかたの聴取率の向上にはつながっていない。
安定した財務基盤の確立
- 市の放送委託料の段階的な減額に対し、新たなスポンサーの獲得など独自の収入増加に努め、収入は市委託料を除くと約791万円の増加
- 経営は市の放送委託料に大きく依存している状況
- 平成30年度には経常損失を伴い、今後も委託料を減額した場合は恒常的な赤字決算リスクが懸念される。
- 大規模な経営の見直しを行わず、現状の組織体制や事業規模を維持したままで安定した経営を目指すのは難しい。
- 一方で独自収入の増加実績を踏まえると、事業規模等の見直し等により自立経営等の可能性の余地はある。