待機児童対策をもっと。3歳の時点でやむなしで幼稚園を選んでいる人が3割?待機児童用保育室の利用率が低い原因分析と改善策を。
一般質問の内容、待機児童対策についてです。
質問の趣旨
年度途中の待機児童はまだまだいるので、引き続き待機児童対策を、という趣旨です。細かいところも聞いています。
待機児童数について
- 年度当初の令和3年4月1日では
- 待機児童はゼロ
- 希望する施設を利用できていない児童数は259人(いわゆる隠れ待機児童と言われる)
- 令和3年11月1日では
- 待機児童は79人
- 希望する施設を利用できていない児童は399人
3歳の壁と認定こども園について。
小規模保育保育の卒園児の希望の進路と実際の進路を聞いてみると以下のようになっておりました。
小規模保育は3歳の時に保育所に入れるという話もあったのですが、結果としては幼稚園に行っている人も多いですし、保育所を希望していたが幼稚園を選ばざるを得ない児童も3割いるということになります。
いわゆる『3歳の壁』と言われるものです。
0-2の待機児童が多いのでとりあえず、そこの部分を解決するために小規模保育施設を作っていくのは分かるのですが、結局3歳の時に困ることになっているのが現状です。。
ということで、
解決策として、めちゃ簡略化すると、余裕があるところから余裕のないところに枠を振り替えてもらいましょう。という話をしています。
具体的に言うと、幼稚園・保育所の両方を持ち合わせる認定こども園における定員充足率は
- 幼稚園の方(1号認定こども):約90%
↑若干の余裕 - 保育所の方(2号認定こども):約110%
↑定員オーバー
となっているので、協力していただける園には1号認定子どもの定員枠を2号認定こどもの定員枠に振り替えてもらうのはどうか?
という話をしています。
色々話を聞いていると、補助金の出し方で経営のインセンティブが変わるので、待機児童対策を考えるのであれば、もっと幼稚園が保育所に変わってもらうような補助金制度にしていくべきですね。
待機児童用保育室(臨時保育室と就労応援型)があまり利用されない理由は認可保育所の違い?
0-2歳の待機児童対策としては、いわゆる待機児童用保育室として、
臨時保育室(さだ西幼稚園を改修して作ったもの)
就労応援型保育室(14園で実施している一時預かり事業の空き枠を活用するもの)の2つがありますが、どちらも利用率が低くなっています。
↓
さだ西は延べで10人程度(MAXは50人程度)
就労応援型の方は延べで9人(MAXは3人×14施設=42人)
利用されない理由は、認知度の問題なのか、場所の問題なのか、費用の問題なのか・・・・
認知度もこれから上げる必要がありますし、臨時保育室もさだ西だけなので、箇所を増やしていく必要もありますが、費用面について深掘りすると、認可保育所と待機児童用保育室とでは以下のような違いが。
- 保育料が定額(非課税世帯などは除く)
- 第2子無償化の対象外
- 保育料が無償化の場合も就労応援型預かり保育においては、保育料を立て替え
このあたりも保護者の方に聞きながら、改善していくべきところは改善していっていただきたいという趣旨を伝えております。
質問の詳細
【質問】
令和3年4月1日現在、国定義では3年連続0人だったとのことですが、希望する施設を利用できていない児童数は259人もおられます。恐らく年度途中に増加しているのではないかと思いますが、令和3年11月1日現在、国定義による待機児童数及び希望する施設を利用できていない児童数はどうなっているのか、またその年齢構成はどのようなものなのか、お聞きします。
令和3年11月1日現在、国定義では79人ですが、希望する施設を利用できていない児童は399人おられます。また、希望する施設を利用できていない児童の年齢構成は、0~1歳児が約85%を占め、2歳児が約13%、3歳児以上は約2%となっております。
待機児童対策についてですが、市としても通年の待機児童ゼロを掲げておりますが、やはり年度途中に待機児童は増えているようです。11月1日現在、希望する施設を利用できていない児童が約400人もいて、国定義による待機児童数でも79人ということで、また年度途中の待機児童ゼロが達成できていないとなれば、まだ対策が必要です。
待機児童の大半は0~2歳児とのことでしたが、まずは3歳児以降の状況を確認しておきたいと思います。令和3年6月の定例月議会で、小規模保育事業実施施設等を卒園した児童の3歳児クラスへの接続についての質問に対し、「令和3年4月の実績で、小規模保育施設等を卒園した児童の約4割が保育園、約6割が幼稚園を利用されている」との答弁がありました。その際も指摘したのですが、結果として幼稚園を利用された方の中にも、本当は保育所等を希望していた方がいらっしゃるのではないかと思っています。来年4月に入所する保育所等の第1次の申込みを11月末で締め切ったとお聞きしていますが、この最新の状況で、卒園児の何割が保育所等の申請をしたのかお聞きします。
【答弁】
令和4年4月の入所に向けた保育所等の第1次申し込みにおいて、小規模保育事業実施施設を卒園する児童の約7割が保育所等を申請されています。
【質問】
小規模保育施設等の卒園児の約7割が保育所等を希望し、約4割しか利用していないのであれば、幼稚園の方で預かり保育等を実施して保育所に近づける努力はしていただいてはいるものの、単純に考えて約3割が「希望する施設を利用できていない」ことになります。3歳児以上の待機児童は少ないといっても、小規模保育施設等の卒園児には確かに「3歳の壁」があるようです。
この課題を解決するには、幼稚園と保育園の両方の性質を兼ね備えた「認定こども園」の活用も考えられますが、市内の認定こども園の1号認定子どもと2号認定子どもの定員に対する充足率はどの程度か、可能な範囲でお示しください。
【答弁】
認定こども園の定員に対する充足率につきましては、枚方市外の利用者も含みますが、幼稚園として利用する1号認定子どもは、定員に対して約90%、保育所として利用する2号認定子どもは、約110%となっています。
【質問】
大きな開きとまでは言えませんが、保育所として利用する2号認定子どもは定員に達しているものの、幼稚園として利用する1号認定子どもは定員に余裕があるようです。そうであれば、小規模保育事業実施施設の卒園児の保育の需要に対応するためにも、1号定員を減らし、2号定員を増やすことはできないのでしょうか。運営法人の意向もあるかとは思いますが、可能な施設からでも検討していただくよう要望しておきます。
次に、0~2歳児の待機児童対策についてお聞きします。臨時保育室については、昨日丹生議員が質問されており、利用状況がわかりましたので、同じく待機児童対策として今年4月から実施している一時預かり事業の空き枠を活用して本年4月から実施している「就労応援型預かり保育」についての利用状況をお聞きします。
【答弁】
「就労応援型預かり保育」の利用状況ですが、令和3年12月1日現在で6人が利用されています。保育所等への入所が決まり、すでに利用を停止された方もおられることから、これまでに利用された方の延べ利用人数は、9人となります。
【質問】
11月1日現在で希望する施設を利用できていない児童が約400人もいるのに、待機児童用保育室も、就労応援型預かり保育もいずれの施設もあまり活用されていないのは残念です。利用されていない理由を探る必要があるかと思いますが、私は、やはり保育施設を選ぶにあたって保育料は重要なポイントだと思いますが、保育料に関して、認可保育所と就労応援型預かり保育や臨時保育室と何か違いがあればお聞きします。
【答弁】
認可保育所につきましては、市町村民税に応じて保育料を決定しますが、就労応援型預かり保育及び臨時保育室においては税額に関わらず定額となっていること、また、市独自の取組みである第2子無償化の対象外という点が大きな違いとなっています。
なお、いずれの場合も要件を充たせば、国の幼児教育・保育の無償化の対象となりますが、その場合であっても、就労応援型預かり保育においては、一旦保護者から施設に保育料をお支払いいただき、後に3か月分をまとめて市から保護者へ償還しています。
【意見要望】
就労応援型預かり保育については、一旦、保育料を立て替えて支払ってもらっているとのことです。例えば、本来保育料がかからない方でも、一時的に支払いをすることが経済的に負担となっており、利用しにくいという声が届いているのであれば、4月からでもすぐに改善していただくよう要望しておきます。
待機児童の中には様々な方がおられますので、育休延長などで保育の必要に迫られているわけではない人もおられるでしょうが、これだけの利用の少なさですから、場所、保育料、保育内容など、何か利用しにくい理由が何かあるはずです。来年4月の利用に向けては、1次選考で保留となった方全員に、これらのサービスをご案内するとお聞きしましたが、それでも利用が少ないようなら、保護者にアンケートを取るなど利用されない要因を分析し、第2子無償化の保育料のことも含めて直ちに改善していただきたいとお願いしておきます。