不登校率も右肩上がり。学校に行かないことがダメという発想から転換が必要ではないか。 | 前枚方市議会議員 木村亮太
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不登校率も右肩上がり。学校に行かないことがダメという発想から転換が必要ではないか。

決算特別委員会の質疑です。

お悩みを抱える子ども・保護者が右肩上がりですが、

不登校の数も右肩上がりです。

 

「学校に復帰できるように支援体制を強化していくべき」と主張してきていて、私が以前に議会で取り上げたときと比べると支援員は増えたのですが、不登校率は下がらずです。

 

人を増やせば解決するという問題ではないのかもしれません。また、文科省としても「不登校の子どもを学校復帰できるように」というスタンスからも変わってきていると思いますので、そういう流れも踏まえて、新たな対応(フリースクールへの支援や不登校特例校の設置)も考えていくべき時期が来ていると思います。

例えば、尼崎市は提携しているフリースクールを紹介しています。枚方市も提携しているフリースクールはあるのですが、このような形で公表はしていません。個別対応です。

尼崎は市として教育委員会としてフリースクールを紹介しています。

 

また岐阜市は不登校特例校を設置しています。

枚方市の不登校生の数が中学校1校分になっている件について。

 

 

※文科省としても「不登校の子どもを学校復帰できるように」というスタンスからも変わってきている

の部分ですが、、

 

フリースクールについて転換期となる文科省の通知と教育機会確保法

こういう通知が来ており、簡単に言うと、「要件を満たしたフリースクールに通っていれば、学校に通っていたのと同様の扱いとしてよい」ということです。

要件をクリアする必要はありますが「学校じゃなくてもいい」というのを示しています。

 

 

 

 

不登校支援協力員

【質問】

決算概要説明書P.178の不登校支援協力員配置事業経費についてお尋ねします。報償費として12,745,044円が計上されていますが、始めに、不登校支援協力員の配置状況、及び不登校支援協力員の活動についてお聞かせください。

【答弁】

令和2年度におきましては小学校7校、及び全19中学校にそれぞれ1名から3名、合計43名の不登校支援協力員を配置して支援しております。
不登校支援協力員は、教室に入りにくい児童・生徒の居場所として校内適応指導教室などの別室を活用して教育相談や学習支援を行うほか、家庭訪問を行い、当該児童・生徒の不安を和らげて登校を促すなど、各々の状況に応じた支援を行っております。

 

【質問】

本事業の内容及び、活動については一定理解しました。この不登校支援協力員配置事業については過去にも質疑をしたことがあり、平成23年、24年あたりは800万円~900万円程度になっており、全中学校にも配置されておらず、30人弱だったことを考えると、全中学校に配置され、合計43人と増員されていることがわかります。
次に、令和2年度の本市における不登校児童・生徒数の状況と不登校に至る主な要因についてお聞かせください。

【答弁】

令和2年度における年間30日以上欠席した不登校児童・生徒数につきましては、暫定値ではありますが、小学校が216名、中学校が482名となっています。
不登校に至る要因としましては、「心因的理由」「対人関係」「学力不振」等が主な要因になります。

 

【意見】

不登校児童・生徒数の状況と不登校に至る主な要因についてわかりました。中学生の不登校は482人ということで、不登校率にすると、4.75%です。令和2年度は事務事業実績測定によると、
「コロナ不安、休校の影響により想定より多くなった」とありますが、令和元年度においても中学校の不登校率は4.54%で令和2年よりは低いもののかなり高くなってきております。ちなみに先ほど不登校支援協力員が全中学校にいなかった平成23年、24年は、不登校率は4.05%、4.03%で協力員を増やしても不登校の生徒は増えているという状態です。人を増やしても不登校率が下がらないというのはなかなか考えさせられますが、また後でまとめて意見させていただきます。

 

適応指導教室「ルポ」

【質問】

続いて、決算概要説明書P.180の教育文化センター費のうち、適応指導教室経費についてお尋ねします。令和2年度における適応指導教室「ルポ」の登録状況をお聞かせください。また、指導体制についてもお伺いします。

【答弁】

令和2年度における適応指導教室「ルポ」への登録は、小学生が6名、中学生が30名となっております。
適応指導教室「ルポ」では、指導員3名のほか、大阪府研究所加配教員1名と学校運営アドバイザー1名が中心となり、学生指導員や相談員も配置して、登室した児童・生徒に寄り添い、学習支援や教育相談を行っております。

【質問】

令和2年度における適応指導教室「ルポ」への登録は合計36名とのことですが、その内、今年度、学校に登校できた人数については、どれくらいの割合かについてお伺いします。

【答弁】

令和3年度1学期において、学校に登校できている児童・生徒数の割合は、37.5%となります。

【質問】

ルポに登録している37.5%の児童生徒が、学校に登校できているということで、一定の効果はあると思うのですが、令和2年度の不登校児童・生徒数は、698名であり、その内約6%の児童・生徒が適応指導教室「ルポ」に登録しているということになります。「ルポ」に登録していない残りの約94%の不登校児童・生徒の対応についてお伺いします。

【答弁】

不登校児童・生徒について、学校は、ルポへの登録の有無に関わらず、別室や、放課後の登校を提案するとともに、家庭訪問を行ったり、タブレット端末を活用して担任等とつながる等の対応を行っています。
また、学習支援については、保護者と相談の上、オンライン配信を含め個々の状況に応じて対応しているところです。
民間のフリースクールへ通っている児童・生徒についても、学校との連携を図るよう努めています。

【意見】

ルポが一つの受け皿になっているとは思いますが、9割以上はルポにもいっておらず別の対応となっております。一人一人の状況を把握して、しっかりと寄り添っていただければと思います。一方で担任の教職員の負担を考えるとルポ以外にも民間のフリースクールなどともしっかりと連携をしていただきたいと思います。

 

 

教育相談業務について

【質問】

また、教育文化センターにて、幼児・児童・生徒やその保護者等に対する面談により、不登校や発達や学力にかかる、教育相談が行われていますが、令和2年度における一般教育相談の件数についてお伺いします。

 

【答弁】

昨年度1年間の教育相談数は、1446件になります。

【質問】

令和2年度の教育相談の件数は1446件と大変多いと感じます。そこで、平成30年度、令和元年度の相談件数についてお伺いします。

【答弁】

平成30年度は1476件、令和元年度は1392件となります。

【質問】

教育相談の件数は3年間の平均で約1,400件と大変多い状況です。相談の必要な保護者が、速やかに相談が受けられていないのではないでしょうか。
そこで、相談を申請してからどれくらいの期間で相談が受けられるのか、また併せて、相談員の勤務形態についてお伺いします。

【答弁】

相談件数は多い状況ではありますが、保護者の要望した日程との調整が難しい場合等があり、そのことも含めて、おおよそ2週間から1ヶ月程の期間となります。
相談員は4名配置しており、月曜日から金曜日に、1名から2名体制で相談に応じています。

【質問】

保護者の都合もあるかとは思いますが、場合によっては1カ月程度待つことになるということです。また、相談員が4人で1400件とかなりの数になっているかと思います。シフトの関係もありますが、一人当たり年間300件超の相談を受けていることになります。

 

 

教職員のメンタルヘルス相談

【質問】

続いて、同じく教育文化センターで、教職員のメンタルヘルス相談が行われていると思いますが、過去3年間の相談件数及び、勤務形態についてお伺いします。

【答弁】

相談件数につきましては、平成30年度が49件、令和元年度が15件、令和2年度はコロナ禍の影響もあり0件です。その他、スクールアドバイザーとして、必要な学校に緊急派遣をしています。
勤務形態としては、月曜日と金曜日の午後に相談に応じています。

【質問】

こちらの相談員は1人ということで、同じ相談業務でも教職員のメンタルヘルスの相談はここ3年で最多で49件です。先ほどの制度や保護者向けの相談は、相談員一人当たり300件超です。ちなみにどちらも臨床心理士の方に相談業務に携わっていただいているということです。教育文化センターにおける教育相談及び、メンタルヘルス相談の相談員の相談形態についてお伺いします。

【答弁】

相談形態は、教育文化センター来館における対面による面談、もしくは、電話による相談の形態で対応しています。

【全体の意見要望】

教職員向けのメンタルヘルス相談については事務事業実績測定には「相談件数が0件だった。相談時間が9時から17時と勤務時間内であることが少なった要因の一つであるかもしれない。」と書かれております。そして、相談形態は電話か直接教育文化センターに行くかのどちらかということですので、教職員向けのメンタルヘルス相談については相談をしたくてもできない環境にないか、というところは確認していただきたいと思います。コロナ禍で教育現場ではさまざまな対応が求められ、昨年度は教職員の方々は時間が取れなかったのかもしれませんが、相談のため時間を学校現場で調整できるような空気感があるのか、校長や教頭からの働きかけがあるのか、など。また、コロナ禍において様々デジタル化が進んできているわけですから、直接教育文化センターに行かずとも、教職員は授業の合間に、また生徒保護者も自宅からオンラインでの面談もできるようにしていただきたいと思います。

そういったことをして教職員のメンタルヘルスの件数がどうなるかにもよりますが、現段階ではメンタルヘルスの相談件数は少なく、児童生徒保護者からの教育相談は非常に多いです。同じ臨床心理士同士ですので相談員の割り振りも考えていただき、メンタルヘルスの相談をしていただいている方にも教育相談も受けるようなことも考えていただきたいと要望します。

そのうえで、相談件数が増えていく中、相談員の人員が適切なのかどうか、というところも検証していただきたいと思います。

 

 

 

先ほどの家庭児童相談とも関連しますが、不登校も増え、児童生徒保護者からの相談も多くなってきているという状況に対してどう対応していくか、というのが重要になってくると思います。

多様な背景を持った不登校児童・生徒への各々の状況に応じた支援をしていってきただきたいですし、不登校についても、全国的にも枚方市も不登校率もあがってきており、これまでさげようと思って様々な人員配置をしても下がっていないのが現状で、そういう流れの中で、学校に行かずともフリースクール学習内容が認められれば出席扱いになってきておりますし、授業もオンラインで受けられるようにもなってきていますので、そういったことも含めて、学校に復帰できる生徒はしたらいいと思いますが、復帰できない場合も別のあり方があるよ、ということを認めていくのも大事なのではないかと考えます。フリースクールへの支援や不登校特例校の事例も出てきていますので、またこの件については別の機会で改めたいと思います。

 

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