コロナ禍における介護予防事業について
決算特別委員会の質疑です。
(前にアクリル板の衝立があるので発言の時はマスクを外しております)
質問の趣旨
コロナ禍における外出自粛、行動自粛などが介護予防にどれだけ影響があったのか、ということを確認しました。
現段階では、
- 外出自粛等で運動量が落ち、そして、認定率が激増したということはない。
- 屋内の介護予防教室もオンラインに切り替えていった。
- 屋外の活動は参加者があまり減っていない。
というような状況でした。認定率についてはもう少し期間を取ってみてみると影響が出てくる可能性もあると思います。
高齢者はPCやITが苦手な方も多い中、自宅を訪問して高齢者の方にやり方を教えるなどのアウトリーチもしていただいたようです。そういうところまでやっていただけるのはありがたいですね。
ノルディックウォーキングは人気があるようなので、枚方市駅のニッペパーク岡東からだけではなく、他の場所でのウォーキングコースもできるようになるといいですね。
質問の詳細
【質問】
決算概要説明書239ページ 及び決算審査意見書の70ページの地域支援事業費のうち介護予防・生活支援サービス事業費、一般介護予防事業費)についてお伺いします。
決算概要説明書239ページ介護予防・生活支援サービス事業費842,870,499円については、主に要支援認定者等が利用する訪問ヘルパー等の訪問型サービスとデイサービス等の通所型サービスなどの生活支援サービスに係る総合事業に要した経費、及びケアプラン作成等に係る介護予防ケアマネジメント事業に要した経費であると聞いています。
この費用につきましては、決算審査意見書の70ページによりますと、予算額は1,425,870,000円で決算額は842,870,000円、執行率は59.1%となっており、また、令和元年度の決算額から103,740,000円と減少しています。減少している主なサービス費はどのようなものなのか伺います。
【答弁】
減少しています主なサービス費につきましては、通所型サービス事業費が70,382,668円、訪問型サービス事業が19,997,054円、介護予防ケアマネジメント事業費が11,882,274円、それぞれ減少となっております。
特に通所型サービスにつきましては、令和2年4月~5月及び令和3年1月~3月利用件数が大きく減少しており、新型コロナウイルスの感染拡大や緊急事態宣言の発令等により、短期間の利用自粛であれば生活機能の低下は最少ですむのではないかとの考えも含め、利用者が感染予防を優先し、他者との接触を避けるため自粛したものと想定しております。それに伴い事業費も減少している状況でございます。
【質問】
コロナ禍において利用自粛で通所型サービスの利用が大きく減少したということですが、必要な人がサービス利用を控えることで身体機能が低下するなど重度化を促進することにつながっていかないのか心配しますが、令和元年度と令和2年度の要支援認定及び要介護認定者数の推移は、どのような状況であったのかお尋ねします。
【答弁】
令和元年度末時点の要支援認定者数は6,886人、要介護認定者数につきましては13,992人、令和2年度末時点の要支援認定者数は7,223人、要介護認定者数は14,373人となっています。
【質問】
介護予防・生活支援サービス事業費の減少額に比べ、認定者数には大きな変化が見られないようです。
コロナ禍による高齢者の健康状態への影響は単年度で比較しても表面化しづらいということかもしれません。逆に利用を控えていても、仮に健康状態に影響がないというのであれば、それはそれで事業が過度になっていたとも言えますので、引き続きある程度の期間で検証をしていただきたいと思っております。
しかし、一般的には巣ごもりによる運動や活動の低下から肥満や身体機能が低下したというのはよく聞く話であり、特に高齢者には顕著に表れてくるものと推察しますので、コロナ禍における介護予防の取り組みというのはやはり重要な役割を担っていると考えています。
そこで、決算概要説明書239ページ一般介護予防事業費の内介護予防普及啓発事業についても、確認しておきたいと思います。この事業は、主に介護予防に資する講座や教室等の実施に係る経費と伺っていますが、令和元年度と令和2年度の参加者数を比較すると、コロナ禍の影響で減少しているのでしょうか、お尋ねします。
【答弁】
介護予防に関する講座や教室等の延べ参加数は、令和元年度は14,276人で、令和2年度は5,074人となっております。
緊急事態宣言が発出されるなどにより、人を集めての教室等の開催については、中止せざるを得ない状況が多くありましたが、感染症対策が取りやすい屋外での活動としてノルディック・ウォーキング講座の開催や、ICTを活用したオンライン教室を新たに実施するなど、活動の場の提供に努めてまいりました。
【質問】
ICTを活用したオンライン教室を開催されたということですが、「新しい生活様式」においては、電子決済やオンラインの活用などが推奨されています。
昨年度に高齢者を対象にした「通信機器の利用に関するアンケート調査」のインターネットの利用率を見ると、インターネットを利用している高齢者は56%となっています。ということは、約半数の高齢者がインターネットを利用していない状況となっており、このような状況を踏まえると、高齢者がオンライン教室に参加することについて、ハードルとなるのではないかと推測しますが、オンライン教室の参加を促進するために何か工夫されていることはあるのでしょうか、お尋ねします。
【答弁】
オンライン教室の一つであるエクサルク教室につきましては、参加希望者には、事業受託業者が居宅を訪問して、スマートフォン等の操作方法や通信料等の説明を行うとともに、リスクマネジメントとしてリハビリテーション専門職が身体能力を確認してから、当日の教室参加者に合わせた運動強度で教室の運営を行うなど、個々の状況にあった対応を行いながら、介護予防の取り組みを進めてまいりました。
【要望】
オンライン教室といっても、参加するための操作方法がわからない、難しそう、スマホは苦手といった方が多くいるかと思いますが、訪問して操作方法を教えてもらえるというのは高齢者にとって参加しやすい工夫であるかと思います。外出したくないけど身体は動かしたいと感じている人にとって、自宅から参加できるオンライン教室があることは選択肢の一つが増えることになります。今は新型コロナウイルスの感染拡大が少し落ち着いているものの、この先いつまた第6波がやってきてもおかしくない状況です。オンライン教室は、感染症予防対策として開催できるだけではなく、外出することに不安がある方や大勢の中に参加するのは苦手といった多様なニーズにも対応できるものでもあると考えます。また、細かい数字を伺っているとノルディックウォーキングは屋外活動ということもあり、参加者数があまり減っていなかったです。今は出発地点が枚方市駅のニッペパーク岡東(岡東中央公園)だけになっていますので、他にも実施個所を増やせるように、全庁的に協力していただきたいと要望しておきます。今後も引き続き多様なニーズに答えつつ、介護予防を進めていただくよう要望します。