糖尿病の重症化予防について | 前枚方市議会議員 木村亮太
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糖尿病の重症化予防について

決算特別委員会の質疑です。

 

こちらは同じ会派の岡市議員が質疑をしたものですが、私もこれまで取り上げてきた内容で質疑作成にも関わったのでアップしております。

 

 

質問の趣旨

 

糖尿病は重症化すると人工透析が必要となります。

人工透析が必要となると週に3回程度の通院し、1回の通院に半日以上かかるため、生活の制限と同時に身体的、精神的な負担も大きいとされています。また医療費も年間で500~600万円かかると言われております。

 

一人一人のQOLのためにも医療費の抑制にためにも人工透析に移行するのを防ぐ事業は拡充していくべきと考えています。

 

対象者427人に案内を発送し34人が参加ということで、例年は30人程度で微増しているようです。ただ、対象者は全体で400人以上いるわけなのでより多くの方に参加してもらえるようにさらにアプローチしていくべきですし、成果連動型の契約(PFS)なども考えてよいと思います。

 

 

質問の詳細

【質問】

決算概要説明書P216 糖尿病性腎症重症化予防事業委託料 4,857,380円について

糖尿病は、病状が悪化すると、合併症を引き起こし、病状が進むと失明や人工透析など生活の質が維持できなくなり深刻な事態を招く病気です。
また、人工透析に移行すると一般的に週に3回程度の通院が必要となり、1回の通院に半日以上かかるため、生活の制限と同時に身体的、精神的な負担も大きいと聞いております。人工透析開始の原因の中で、最も多いのが糖尿病性腎症で、4割を占めるといわれており、糖尿病性腎症の重症化を予防することが重要と感じております。
そこで、決算概要説明書P216 糖尿病性腎症重症化予防事業委託料 4,857,380円についてこの事業の内容と利用人数についてお伺いします。

【答弁】

糖尿病性腎症重症化予防事業は、腎不全や人工透析への移行を防止することを目的に、特定健康診査結果等から、糖尿病性腎症の重症化リスクの高い人を対象に、4か月間、保健師や看護師が主治医と連携を図り、個別面接や電話により生活習慣の改善に向けてのプログラムを実施するもので、利用勧奨も合わせ委託しております。
利用人数につきましては、対象者427人に案内を発送し、34人がプログラムに参加しました。

【質問】

腎不全や人工透析等への移行を遅らせ、重症化を予防するために、重症化リスクのある人に対して、しっかりと生活習慣の改善につながる事業として取り組んでいただきたいと思いますが、事業を実施した効果としてはどのように分析しているのかお伺いします。

【答弁】

令和2年度における、糖尿病性腎症重症化予防事業の効果測定につきましては、大学有識者の助言などを踏まえ、ヘモグロビンA1cのコントロール状況と継続受療状況を指標としています。
当該事業対象者において、参加者と不参加者でヘモグロビンA1cの検査データの推移を比較しますと、令和元年度から令和2年度にかけまして、データの値が維持もしくは改善した人の割合は、参加者が76.5%に対し、不参加者は50.2%と、参加者のほうが26.3ポイント高い結果となっています。
また、悪化した人の割合は、参加者では8.8%に対し、不参加者では17.6%となっており、参加者のほうが8.8ポイント低い結果となっています。
更に、平成29年度から令和元年度までのプログラム修了者については、治療中断者はおらず、継続して受療されていることを確認しており、本事業の参加者には、一定の効果があったものと考えております。

 

【質問】

糖尿病性腎症重症化予防の事業については一定の効果があらわれているとのことでしたが、利用人数につきましては、令和2年度の対象者が427人に対し利用者が34人ということで、もっと多くの方に利用していただき、生活習慣の改善につなげていくことが重要ではないかとも考えますが、見解をお伺いします。

 

【答弁】

対象者につきましては、健康診査のデータのみから、重症化リスクが高いと判定された人を抽出しています。例年、抽出しました対象者の中には、1型糖尿病の人やその他の病気がありその治療を優先すべき方、又、現在、主治医にて食事や運動等の指導を十分に受けておられるため申し込みの希望のない方も一定数いらっしゃる状況です。
対象者に対しては、すべての人に教室参加への案内文を送付するとともに、医師会を通じて各医療機関から対象者に対しての利用勧奨をお願いするなど、利用についての周知を図ってまいりました。
利用者数につきましては、例年の利用者数の実績を踏まえ、利用想定人数を30名程度としていましたが、想定を少し上回る34人となりました。しかし、必要な人に一人でも多くプログラムを利用していただく必要があると考えており、今後も周知啓発に努め、糖尿病性腎症の重症化予防を図ってまいります。

【意見要望】

人工透析になられると身体的な負担や精神的な負担にとどまらず、医療費の負担や就業等の社会参加への影響など経済的な面からも負担が大きくなります。
必要なひとが、一人でも多く生活習慣の改善に取り組み、重症化予防を図っていく必要があると考えます。
事業実施にあたりましては、現在委託にて実施している内容を、民間の力をフルに活用してはどうかと考えます。例えば、糖尿病性腎症の重症化予防の重要性の周知をはじめ、プログラムへの利用勧奨から実施まで一連の流れを委託し、その成果指標を利用者数や改善率などと定め、成果に応じた報酬を支払う方法とることで、更に事業の効果が上がるのではないかと考えます。
今後も、効果的な方法を検討するとともに、引き続き、本事業の検証を経年でしっかりと把握し、糖尿病性腎症の重症化予防を図っていただくよう、要望します。

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