目標効果額73億円を掲げた行政改革実施プランの進捗状況は全体で66.7%です。が・・・。
行政改革実施プランの進捗状況の報告がありました。(インターン生の力を借りてまとめました)
4か年計画で最初の2年分の進捗です。
私も2016年9月議会の段階で目標効果額を掲げているが、絵に描いた餅にならないか?という質問をしておりましたので注目の取り組みです。行革がすべてじゃないですが、新しい施策を実施するにあたっては、財源が必要です。そのため、行財政改革は必須事項だと考えております。
目標効果額<約73億円>に対する平成29年度までの実績効果額の合計は約49億円となり、達成率は66.7%となりました。
これだけみると4年中2年経った中で60%を超えているのでいいペースのようにも思えます。しかし、内訳を見てみると一般会計は頑張っていますが、特別会計・事業会計が苦しい状態です。
概要
枚方市では、現在、将来世代に大きな負担を残さないよう、新たな施策を展開していくため、「枚方市新行政改革実施プラン(平成28年度~平成31年度)」(以下、「実施プラン」という。)を策定し、4つの改革を柱として、53の改革課題を掲げ、新たな財源の確保や事務事業等の検証·見直しによる行政サービスの最適化やスリム化の取り組みを推進しています。
実施プランでは、取り組みによる効果額の設定が可能なものについて、目標効果額を算出し、それに対する到達度(実績効果額)を明らかにすることで、プランの進捗を測っています。今回は、こうした目標効果額に対する到達度について、会計別の内容です。
実施プランの目標効果額は、策定時(平成28年3月)に設定した目標効果額<約51億円>に、策定後に取り組み内容が具体化したことにより追加設定した目標効果額等<約22億円>をあわせた約73億円を目標に掲げ、取り組みを進めているところです。
目標効果額<約73億円>に対する平成29年度までの実績効果額の合計は約49億円となり、達成率は66.7%となりました。
各会計の達成率
- 一般会計(達成率120.5%)
- 3,334,332(目標効果額)
- 4,017,046(実績効果額)
- 国民健康保険特別会計(達成率48.3%)
- 632,450(目標効果額)
- 305,429(実績効果額)
- 介護保険特別会計(達成率66.7%)
- 321(目標効果額)
- 214(実績効果額)
- 下水道事業会計(達成率39.7%)
- 200,000(目標効果額)
- 79,453(実績効果額)
- 病院事業会計(達成率15.7%)
- 3,185,000(目標効果額)
- 501,230(実績効果額)
- 企業会計特別会計の合計(国民健康保険から病院までの合計)(達成率22.1%)
- 4,017,777(目標効果額)
- 886,326(実績効果額)
※金額はすべて(千円)
効果額の算出方法について
新行政改革実施プランの目標効果額は、※実施プラン策定時は、原則として、以下の方法で算出しています。
算出方法
改革実施前の決算額を基準として、改革実施後の決算額との差額
平成26年度決算額との比較としています。
歳入(市税や利用料の徴収等)
1)新たな財源確保策の実施(駐車場有料化等)
収入額 ― 効果額
※ただし、実施に伴う運用経費が発生する場合は、その額を控除するものとする。
2)徴収率の向上(未収金対策の強化等)調定額× (改革実施後の徴収率-基準徴収率)
<例>平成28年度実績の場合
H28調定額× (H28徴収率-H27徴収率)
歳出
3)事務事業の見直し・最適化等
①事業廃止の場合
廃止前の経費=効果額
②委託化の場合
改革実施前の決算額と実施後の決算額の差額
一般会計における効果額
一般会計において、目標効果額を設定している改革課題は次のとおりです。
般会計の平成29年度の実績効果額は約24億円となり、平成28年度実績効果額約16億円とあわせて累積実績効果額は約40億円、目標効果額<約33億円>に対する達成率は120.5%となりました。
一般会計で効果額が出ている主なものは、国民健康保険や下水道、病院などの他会計への繰り出しの抑制で27億円、税の徴収率アップで6億円、事務事業と補助金の見直しで約2.9億円、ふるさと納税で2.6億円です。
1) 【歳入】新たな財源確保策の実施
- 来庁者·利用者用駐車場の有料化の実施(庁舎別館)
- 来庁者·利用者用駐車場の有料化の実施(保健センター)
- 市税等の収入確保(ふるさと寄附金の推進)
- 市立学校園の施設開放事業の見直し
計301,274千円(約3億円)
2)【歳入】徴収率の向上による効果額
市税等の収入確保(未収金対策の強化)
計616,270千円(約6億円)
3)【歳出】事務事業の見直し·最適化等
- 事務事業·補助金の見直し(一般会計分)
- サービスコーナー(蹉跎、牧野、菅原)の廃止
- 人事給与システムの再構築による事務の効率化と人材育成の推進
- 電子自治体の推進(ペーパーレス会議システムの導入)
- 障害者相談員事業の廃止
- 保育料の改定
- 大気汚染測定局の配置等の見直し
- し尿処理業務の効率化
- 交通専従員配置事業の見直し
- 指定管理者制度の拡大
- 公立保育所の民営化
- 交通安全教室の委託化
- 技能労務職員の適正配置に向けた取り組み(し尿等処理·施設管理業務)
- 技能労務職員の適正配置に向けた取り組み(ごみ収集業務)
- 技能労務職員の適正配置に向けた取り組み(ごみ処理·施設管理業務)
- 技能労務職員の適正配置に向けた取り組み(道路維持管理業務·公園維持管理業務)
計392,375千円(約4億円)
4)【歳出】 特別会計・企業会計に対する一般会計繰出金の抑制
計2,707,127千円(約27億円)
国民健康保険特別会計
632,450(目標効果額)/305,429(実績効果額)
具体的な取り組み課題
【歳入】徴収率·受診率等の向上による効果額
- 国民健康保険特別会計の経営健全化(収納率の向上)
- 国民健康保険特別会計の経営健全化(特定健康診査の受診率の向上)
- 国民健康保険特別会計の経営健全化(ジェネリック医薬品の利用促進等)
【歳出】事務事業の見直し·最適化等
- 国民健康保険·医療助成システムの再構築
- 事務事業·補助金の見直し(国民健康保険特別会計分)
介護保険特別会計
321(目標効果額)/214(実績効果額)
【歳出】事務事業の見直し·最適化等
- 事務事業·補助金の見直し(介護保険特別会計分)
下水道事業会計
200,000(目標効果額)/79,453(実績効果額)
【歳入】水洗化の促進等による効果額
- 下水道事業会計の経営健全化(下水道使用料のあり方検討)
- 下水道事業会計の経営健全化(水洗化の促進)
- 下水道施設の長寿命化
病院事業会計
3,185,000(目標効果額)/501,230(実績効果額)
【歳入】新たな財源確保策の実施
- 来庁者·利用者用駐車場の有料化の実施(市立病院)
【歳入/歳出等】
- 病床利用率の向上による効果額/事務事業の見直し,最適化等
- 病院事業会計の経営健全化
- 公立病院改革の推進 – – –
水道事業会計
※目標効果額を設定している課題はありません。
- 水道料金制度のあり方の検討 – – –
- 水道施設の計画的な整備·更新
企業会計特別会計 合計
4,017,777(目標効果額)/886,326(実績効果額)
まとめ
一言でまとめると、一般会計は順調。なぜなら他会計へに繰り出し(お金を出すこと)を減らせば効果額は出るからです。実際に40億円のうち、27億円は他会計にお金を出さないことでの効果額です。
一方で特別会計・事業会計は苦しい状態です。特に達成率が低いのは、下水道と病院です。どちらも経営健全化を目指していかなければなりません。病院については北河内唯一の公立病院としての役割であるとか、公立病院があることでの安心感もあるというお声をいただくこともあります。そのため、数字では見えない価値というのもあると思います。しかしながら、市全体の財政の中でどうあるべきか、についても考えなければならないのではないでしょうか。
市民の皆様はいかがでしょうか?
やはり公立病院はあったほうがいいでしょうか、もしくは今のように経営が厳しい状態であれば・・とお考えになるでしょうか。
SNS等でも意見を募集しております。
私としてはできる限りの経営健全化をまずは目指す。これまでも一般質問等で様々な提案をしております。それでも苦しい場合は次の判断を考えなければならないのではと考えております。
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枚方市議会議員
木村亮太(きむらりょうた)ご連絡はこちらにお寄せください。
hirakata[at]kimura-ryota.net
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未来に責任
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