不登校支援員の処遇改善・不登校生の抜本的な対策を(フリースクール助成・不登校特例校の設置など) | 前枚方市議会議員 木村亮太
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不登校支援員の処遇改善・不登校生の抜本的な対策を(フリースクール助成・不登校特例校の設置など)

同じ会派の小池議員の質問です。

私も質問にあたり少し関わらせていただきました。

 

質問の趣旨

不登校支援協力員の労働条件は最低賃金に貼りついた状況となっているので、その処遇改善をお願いしています。ここで挙げたのは不登校支援協力員という職種ですが、同趣旨の職種として心の教室相談員というのもあります。

そちらの処遇改善もお願いしたいところです。最低賃金はあるんですが交通費を考えると人によってはそれ以下になりますよね。残業もせざるを得ない状況もあると伺っています。

 

不登校支援にかかるそれぞれの人員の処遇こんな感じです。

  • 心の教室相談員について(枚方市の事業)
    • 全44小学校に配置
    • 報償金:1回あたり5,000円(1回の活動時間は4時間。)
      (※交通費を含む)
  • 不登校支援協力員(枚方市の事業)
    • 全19中学校及び7小学校に配置
    • 報償金:1回あたり5,952円(1回あたり6時間を基本。)
      (※交通費を含む)
  • 大阪府公立学校スクールカウンセラー(大阪府の事業)
    • 全19中学校に配置
    • 会計年度任用職員
    • 1時間につき5,200円(1日につき3時間または、6時間)
    • 公認心理士又は臨床心理士の資格を有するもの
    • 交通費支給あり

 

こうやってみると、枚方市の事業として実施している人員と負の事業として実施しているスクールカウンセラーとでの処遇の差が激しいですよね。時給も全然違うし、交通費支給のありなしと・・・。スクールカウンセラーの方は要資格者という側面もありますが、せめて交通費は実費支給でいいと思うんですけどね。不登校対策待ったなしだと思いますので。

 

 

それと、前回の議会で「抜本的な対策を考えるための協議の場が必要ではないか」という趣旨の質問してましたので、その部分についても進捗確認もしております。

 

以下の3つの観点で整理しているということです。

  1. すべての児童・生徒へに対する魅力ある学校づくり
  2. 不登校傾向にある児童・生徒への早期対応
  3. 不登校となっている児童・生徒への支援

 

1について、言わんとしてることはわかりますし、そのための努力を否定するつもりもありませんが、ニーズが多様化してる中で「すべての児童生徒に対して魅力的な学校」って実現可能なのですかね。

公立の小中学校って子どもが自らその学校を選んだというよりは、「●●町に住んでいたら地元の××学校に通う」ってのが半自動的に決まっているので、そういう状況で「全員にとって魅力的な学校」にするってかなりハードル高いですよね。

 

私立の学校で、「この学校は△△教育に力を入れていて、そこに魅力を感じて入学しました」であればともかく。

 

 

いかがでしょうか。

 

教職員の方々って基本的には学校にいい思い出があるとか、子どもたちが好きとかでその職を選んでると思いますので、「学校は楽しいところだ」という生存者バイアスかかってないですかね?というくらいに今の不登校生徒が増えている現状に対して、敢えて少し引いた視点で考えていただきたいなと思います。

 

教育機会確保法の改正もそういう観点も踏まえてだと思います。

 

フリースクールについて転換期となる文科省の通知と教育機会確保法

 

質問の詳細

【質問】

次に、不登校支援についてお伺いします。
本市の不登校対策の一つとして、小中学校には不登校支援協力員が配置されているとお聞きしています。不登校支援協力員の募集や処遇、これまでの経緯も含めた配置状況、活用の実績についてお伺いします。

【答弁】

次に、3.不登校支援についてお答えします。不登校支援協力員につきましては、不登校児童・生徒等に対して校内適応指導教室等を活用した教育相談や学習支援、家庭訪問等を行っています。募集にあたっては、広報ひらかたへの掲載や大学へのポスター掲示依頼等しており、資格は問いませんが、現在、教員OBや教育・心理学を専攻する学生をはじめ、様々な方に登録いただいております。配置人数は、令和2年度は42名、令和3年度は38名、令和4年度は5月末現在で34名となっています。
不登校支援協力員の配置の経過につきましては、不登校児童・生徒等に対する適切な対応を行うことを目的に、大阪府の事業として、平成17年度に中学校1校に配置されました。平成19年度からは市の事業として拡充を図り、令和4年度現在、中学校19校、小学校7校に配置し、1回6時間を基本として1校あたり、中学校では90回分、小学校では70回分の予算を配分しています。活用の実績につきましては、予算の範囲内で、1人の不登校支援協力員が週に3日勤務する場合、2人の不登校支援協力員が週に1日ずつ勤務する場合など、各校の実情に応じて様々であり、どの学校においても予算額に近い執行状況となっています。
なお、不登校支援協力員の報償費は、交通費も含め1回6時間を基本として5952円となっています。

【質問】

不登校支援協力員には、交通費を含む報償費が支払われているとお聞きしましたが、処遇改善が必要ではないかと思いますので要望させていただきます。
次に、不登校支援協力員がどのような役割をされているのか、また実績についてもお伺いします。また、枚方市における不登校の状況について、適応指導教室「ルポ」の状況も踏まえてお聞き致します。

【答弁】

不登校支援協力員の役割につきましては、教室に入ることに抵抗感のある児童・生徒に対し、校内適応指導教室等で個別学習の指導を行ったり、話し相手になるなどしています。時には教員に代わって家庭訪問も行っています。実績としましては、不登校支援協力員の活用により、校内適応指導教室に登室できた、校内適応指導教室から自分の教室に行けるようになった、不登校支援協力員が得た情報を学級担任等と共有することで組織的な対応ができるようになったことなどが挙げられます。
なお、本市の不登校児童・生徒数につきましては、令和元年度は624名、令和2年度は698名、令和3年度は871名と増加傾向にあります。そのうち、令和3年度においては、32名が適応指導教室「ルポ」に在籍しております。

【質問】

不登校支援協力員の配置状況や適応指導教室「ルポ」の状況についてお聞きしましたが、そのような支援について、不登校児童・生徒の保護者に十分に伝わっていないのではないでしょうか。また、令和3年度の800名を超える本市の不登校児童・生徒数、不登校支援協力員の配置状況、適応指導教室「ルポ」への申請人数を照らし合わせた時に、学校や適応指導教室など、どこにもつながっていない児童・生徒がいるのではいないのでしょうか。中には学校に行けず、適応指導教室「ルポ」やフリースクールのような民間施設にも行けず、なかなか家の外に出にくい児童・生徒もいます。そのような児童・生徒への支援についてはどのように考えておられますか。

【答弁】

不登校児童・生徒数は、令和2年度の全国の調査において調査開始以来最多となっており、学校内・外いずれの機関においても相談・指導を受けていない児童・生徒がいることから、個々の不登校児童・生徒の状況の適切な把握、多様な支援の必要性をより感じているところです。
家から外に出られない児童・生徒への対応としては、実情に応じ、教員等による家庭訪問、タブレット端末を活用した当該児童・生徒とのやりとり、学校からのオンライン授業配信等、必要な支援や個別学習を実施しています。教育委員会においては、適応指導教室「ルポ」の学生による訪問指導を行っています。

 

【質問】

不登校児童・生徒の多様な実情を踏まえ、これまでもわが会派から、先の議会で不登校対策については不登校特例校の設置やフリースクールに通うための費用の助成金制度の検討など、抜本的な対策の必要性を訴えてきました。また、そのことについて、不登校児童・生徒について正面から施策を考える会議の場の設定について要望していたところですが、その進捗状況についてお聞きします。

【答弁】

不登校児童・生徒の支援のあり方について、今年度、6月6日に教育委員会事務局において、福祉部局も交えて「不登校対策検討会議」を開き、不登校児童・生徒への多様な支援のあり方を検討すべく、不登校対策を3つの観点で整理しました。1点目は、すべての児童・生徒へに対する魅力ある学校づくり、2点目は、不登校傾向にある児童・生徒への早期対応、3点目は不登校となっている児童・生徒への支援です。第1回目の協議については、本市の不登校児童・生徒の現状とともに全国の調査結果を参考にして協議を行いました。具体的には、不登校の要因が、不登校児童・生徒が学業不振や同級生との対人関係、先生との関係等に不安を抱えているなどであることを踏まえ、生徒指導と学習指導の観点から児童・生徒の自己存在感等に着目し、安心して過ごせる魅力ある学校づくりについて協議を行ったものです。
今後、令和4年6月10日、文部科学省通知の「不登校に関する調査研究協力者会議 報告書」を踏まえ、不登校児童・生徒への多様な支援に向けて不登校特例校の設置やフリースクールとの連携のあり方についても、他市の動向を調査し、その会議の中で協議を進めてまいります。

 

【意見要望】

不登校児童・生徒を取り巻く状況は多様であり、学校だけでなく、適応指導教室「ルポ」にも登室できない、フリースクールに行きたくても経済的な面から通えない子どももいます。子ども達の学校生活はあっという間に過ぎ去ります。教育機会の確保の観点からも不登校支援協力員に係る処遇改善を含めた支援の拡充、不登校児童・生徒の保護者にも伝わる適切な情報提供、フリースクールに通うための費用の助成金制度、特に非課税世帯への助成を強く要望します。

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