士別市立病院の経営改革について | 前枚方市議会議員 木村亮太
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士別市立病院の経営改革について

今日は全国自治体病院経営都市議会協議会の第14回地域医療政策セミナーに参加しておりました!

全国自治体病院経営都市議会協議会とは・・・?

・設立目的

自治体病院を経営する都市の議会議長(一部事務組合議会の議長を含む)が連絡協調して、自治体病院経営の健全化を図り、もって自治体病院の興隆発展に寄与する。

→簡単に言うと、公立病院がある自治体の協議会で、病院経営の健全化に向けて、研修会や協議をするためのものです。

 

 

今回の前半の話は、

士別市立病院・事業管理者兼院長の長島仁様のお話。

 

後半はまた別記事にまとめます。

 

急性期中心の病院から慢性期中心の病院に切り替えて、急性期についてはお隣の名寄市の病院と連携することで収益を回復させたという話です。

枚方市においては、都市部と地方部、その自治体の中での病院の数などの状況は違うのですが、病院経営が厳しい状態である(状態だった)というところは共通点です。

経営健全化については
・このまま改革改善をして経営健全化
・急性期中心→慢性期中心に切り替え
・病床の返上
・独法化、民営化

等々選択肢があると思いますが、
急性期中心→慢性期中心に切り替える際にはどのようなことが起こりうるのか、については生々しくお話をお聞かせいただきました。

 

 

 

病院経営は「落穂拾い」のような仕事
→少しずつ無駄を省いてお金を節約する。
それを繰り返していく。

例えば、当直がいなくなった時に他の病院から呼ぶか自分でやるか。

 

急性期医療中心から慢性期医療中心にダウンサイジング。


そしてお隣の病院と連携。名寄市が急性期中心。

経営改革の検証。

外来患者は減少
入院患者は増加

急性期中心→慢性期中心に切り替えたときの苦労話。
派手な手術・治療が減る。
専門医が不要になる。収益は事務幹部がシミュレーションした。データに基づいて。
若い人がいっぱい辞めた。

看護師が多すぎたので減っても補充はしない。
30人の看護師が辞めた。


自治体病院のやり方を変えていくのはトップダウンしかない。
病院と首長の関係が良くないと何も変えられない。

病院の院長としては、自治体病院なんだから損して当然。
もっと金を出してくれと。突破するには話を続けるしかない。
院長と首長が話するのか、事業管理者と首長が話するのか。

院長と事業管理者が関連ない人だと厳しい。
北海道は院長と事業管理者が兼任というところが多い。

 

 

その他にも北海道という場所、

そして士別市という場所がいかに医療環境において厳しい状況かという話もありました。

また医師の配置が各都道府県によりかなり差があることや、それにより急性心筋梗塞での死亡率の関係についてもご説明いただきました。

 

 

四国4県で救命救急センターは8か所。
それに対して道北地域には名寄の1か所のみ

北海道全体でも12か所
東京都には26か所

 


人口10万人当たりの医師数は最多の京都と最小の埼玉には2倍の差がある。

都道府県のキロ面積当たり医師数も
最多の東京と最小の北海道の間には123倍の差がある。


都道府県のキロ面積当たり医師数と急性心筋梗塞死亡率は相関がある。

 


OECD諸国と比較すると日本の医師数は決して多くない
さらに医師の偏在(前述のとおり都市部と地方部)

 

 

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