文教委員協議会~学校園運営に係る取り組みについて~
2019年9月17日から各種委員協議会が開かれています。
そこで委員協議会で話される案件の中でも気になるトピックをこのブログで発信していきます。
この記事はインターン生の臼井くんにまとめてもらいました。
今回のテーマは文教委員協議会の中の「学校運営に係る取り組みの今後の方向性について」です。
現在、学校園では、様々な取り組みを展開し、学びの環境の充実や子供たちの健やかな成長と安全・安心の確保を目指しています。しかし、教職員と管理職員との連携や調整、それぞれの取り組みに多くの時間と労務を要してしまうことで、学校園運営に係る取り組みは本来の教職員や子供の指導・育成にかかわる時間が取り難くなってしまっているのが現状です。
今回の委員協議会は、このような状況を改善し、子供たちのより良い学びの環境の充実を図るため、「学校園運営サポート事業」としての取り組みを進めていこうとするものでした。
学校運営に係る取り組み
- ①学校施設の環境整備
- ②教員の教育活動の補助義務
- ③放課後の取り組み
- ④安全監視
- ⑤学校施設開放
- ⑥単独調理場の調理業務
現在の学校運営における課題と現状(文教委員協議会資料より一部抜粋)
①人材確保
上記の各取り組みにおける担い手の確保ができない(欠員)。取り組みごとの採用としているため、多くの人員が必要。また、人材も高齢化してきており、学校が担い手を探すという状況になっている。
②労務管理
労務管理の作業に多くの時間を費やしてしまっている。教育委員会では、人事・給与等担当職員の負担が増加しているという状況になっている。
※その他の課題として、学校園側と教育委員会との連携が複雑であること、行政改革課題への対応を行う中で、所管部署の複雑さのために横断的な検討が未了であるということなどが挙げられる。
「学校園運営サポート事業」(包括業務委託)
基本方針
①学校運営に係る取り組みは、「学校園運営サポート事業」として一体的に実施する。
②「学校園運営サポート事業」は、経費の縮減に努める。
③「学校園運営サポート事業」は、包括業務委託として段階的に実施する。
④校園長など教職員が子供の教育に専念できる体制を構築する。
⑤教育委員会組織のスリム化を図る。
メリット
①スケールメリット・管理コストの縮減
・包括業務委託による経費面でのスケールメリット
・業務を一元化することによる委託先の労務管理コストの縮減
・委託化に伴い教育委員会事務局の管理業務の縮減、それによる組織のスリム化も可能になる
②地域雇用創出・人材確保
・委託により、従来通りの短時間勤務からフルタイム労働など、希望に応じた就労形態が可能となり、新たな地域雇用を創出できる
・人材の確保が容易になる(=欠員の解消)
③学校運営の円滑化・教員の負担軽減
・委託先の一元化に伴い、学校内における各種業務との連携が円滑化し、学校内の管理職員の労務管理が不要になるなど、教職員の負担を軽減することができる
・スケールメリットによる財源を活用し、学校校務員業務に教員の教育活動の補助業務を追加するなどによって、教員が子供に向かい合う時間の確保が可能になる
④各種行政改革課題への一括対応
留守家庭児童会室の運営形態や、技能労務職員の適正配置などの各種行政改革課題に対する一括対応が可能になる
※ちなみにデメリット(委員協議会の中で指摘された意見)は…..
・これまで管理職員などが行ってきた仕事を民間に委託することで、これまでその仕事に携わってきた職員の処遇をどうするのかを検討する必要が出てくる。
・包括業務委託を枚方市の規模で行ってきた前例はないため、リスクを伴う。
・結局スケールメリットは本当に存在するのかどうかが曖昧。
・教師の負担を減らすことに力を入れることで子供との時間を作るよりも、子供のいじめ問題や不登校問題などの方に力を入れるべきではないのか。
実施時期
令和2年(2020年)2月
まとめとインターン生の感想
今回の文教委員会の中で最も大きなテーマとなった「学校園運営サポート事業」は、民間への委託によって、現場の担当教員や職員の負担を減らし、コストの縮減を図るというものでした。委託という言葉に不安な印象を持っている方もいるかもしれませんが、委託によるメリットともよく照らし合わせて考えていくことが必要なのではないかと思っています。
例えば、学校の労務管理業務をある民間の学習塾の事務に委託することで、委託先は生徒の成績や学習状況の傾向などを分析することができ、委託先のサービス向上につながることが予想されます。
上記ような例だけでなく、そのほかの「委託する側」「委託される側」双方にとってメリットのある事業になっていくのではないかと考えています。
市の職員の方々は実際に協議会の中で議員さんの方々から指摘されたデメリットのことも考慮しつつ、この事業を慎重に進めていく必要があるでしょう。