1人当たり500万円かかる糖尿病性腎症重症化予防対策について
私たちの会派の予算質疑が終わりました。会派を代表して池上議員がいたしました。内容を随時アップしていきます。
まずは木村が質疑作成を担当した分野からです。
一つ目は糖尿病性腎症重症化予防事業について。
この件は以前からずっと取り上げています。→2016年12月議会での質問内容
生活習慣病の1つである糖尿病についてです。※糖尿病は先天的に発症する場合もありますが、ここでは後天的に発症する方と思ってください
- 糖尿病が重症化すると人工透析が必要
- 人工透析になると週何日か透析通いになり、本人の負担も大きい
- 人工透析は医療費が年間500万円程度と医療費への影響も大きい
- 人工透析の予防が必要
という趣旨で質問をしてきております。もちろん、そもそも糖尿病にならないように生活習慣・食習慣に気を付けるというのも大事なのですが、ここではすでに糖尿病になった方への対応についてです。
質問の概要
平成29年度から実施している重症化予防事業のプログラムの効果を伺いました。
検査数値が改善した方の割合
- プログラム参加者では31.2%⇔不参加者では22.5%
- プログラム参加者の方が8.7ポイント高い結果となりました。
検査数値が悪化した方の割合
- プログラム参加者では18.8%⇔不参加者では23.9%
- プログラム参加者の方が5.1ポイント低い
↑上記の通りプログラムの効果は現段階で出ているといえる。(長期間での検証は必要)
今後プログラムの対象予定人数は20人→30人に拡大。
今後も追跡調査をすること、医療費の抑制効果の検証を要望しました。
質問の詳細
【質問】
国民健康保険の糖尿病性腎症重症化予防事業についてお尋ねします。
腎臓疾患が悪化し、人工透析に至りますと、患者ご自身だけでなく、ご家族の生活は一変します。
被保険者のQOL(クオリティオブライフ:生活の質)の観点からも、この事業を進める意義は大きいものと考えております。
また、人工透析の費用が高額であることから、増え続ける国民医療費を抑制する意味からも、この事業は期待されており、市からも、一人当たり年間500万円程度かかる透析費用を抑制できる、という説明がございました。
そこで、この事業について、これまでに確認できている効果・成果をお聞きします。
【答弁】
国民健康保険 糖尿病性腎症重症化予防事業についてお答えいたします。
平成29年度の当該事業の対象者のうち、実際のプログラム参加者と、不参加者との間で、「HbA1c」という検査データの推移を比較いたしました。
平成29年から30年度にかけて、検査数値が改善した方の割合は、不参加者では22.5%、プログラム参加者では31.2%と、プログラム参加者の方が8.7ポイント高い結果となりました。
また、検査数値が悪化した方の割合につきましても、不参加者では23.9%、参加者では18.8%と、プログラム参加者の方が5.1ポイント低い結果となりました。
本事業のプログラムの参加者には、検査数値の改善、悪化の抑止につながる傾向があったと考えております。
【質問】
糖尿病性腎症重症化予防事業について、お尋ねします。
1回目の答弁で、一定の効果が表れているものと理解いたしました。
引き続き、本事業の効果の分析・検証を経年でしっかりと把握し、医療費の面からも効果を明らかにしていただくように要望いたします。
一方で、多くの糖尿病患者がいる現状に目を向けますと、支援の輪をさらに広げていくことも求められています。
この事業を拡充していく方針なのか、また、平成31年度予算案ではどのように方針を反映しているのか、お聞きします。
【答弁】
平成31年度は、プログラム参加者数を20名から30名へと拡大し、保健指導プログラムにご参加いただくよう、働きかけてまいります。
【意見要望】
効果が今のところあるという見込みなので、QOLの向上と医療費の抑制のために今後もさらに対象を広げていただきたいと考えます。
また今回はまだ検査データの比較であり、医療費抑制効果がどれだけなのかに
ついては明らかになっておりません。
今後は医療費抑制効果まで検証をしていただきたいと考えます。
また、糖尿病は、ゆるやかに進行する慢性疾患でありますから、健康的な生活を続けることが大切です。
せっかくプログラムに参加された方が、短期間で重症化に至るといったことがないよう、息の長い支援を行っていただくことも、あわせて要望させていただき、この件の質問を終わりたいと思います。
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枚方市議会議員
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