もう一つの寄付問題。ずさんな枚方市の意思決定プロセス・・・。拙速に進めたことで問題に。 | 前枚方市議会議員 木村亮太
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もう一つの寄付問題。ずさんな枚方市の意思決定プロセス・・・。拙速に進めたことで問題に。

本日の議会で、和解についてという議案がありました。

私も含めて5人の議員が質疑しました。

 

和解の経過としては、以下の通りです。

 

和解の経過

めちゃくちゃ簡単に言うと、Aさん(神戸市在住者)から枚方市に対して土地建物の寄付を受けたのにその後、市とAさんで話がこじれて寄付を取りやめたいという話になりました。

 

令和3年1月6日に枚方市に対して、Aさんから枚方市の文化芸術及び地域の活性化の推進のため、Aさん所有の土地及び建物を寄附したい旨の申込みがあった。

 

令和3年6月16日に枚方市はAさんからの寄付を受けることを決定した。

その後、耐震工事に要する費用についての枚方市の対応等に不信感を覚え、
枚方市に寄付の話を取り消したい旨の申し出。

その後、話し合いを続けたが、Aさんに気持ちが変わることはなく、寄付を返すこととなった。

このため、枚方市とAサンで話し合い、令和4年2月8日付けで、枚方市の議会の議決を得ることを条件として、双方の合意により本件贈与契約を解約することとし、このことに関し覚書を締結した。

 

というものです。

 

何が問題なのか。木村の視点。

前提として寄付の申し出は大変ありがたいです。

  • ただし、
    なぜ寄付を受けるのか、その後寄付物件をどう活用するのか、について、どこでどうやって決まったのか、意思決定プロセスが不明瞭。
  • そもそも市は公共施設マネジメント計画の中で全体としては延べ床面積縮減の方向。
    にもかかわらず、新規施設が必要か。
  • 慎重な議論が必要であり拙速。
  • 議会とのコミュニケーション、寄付を受けるときは議会に報告なしで、返す時だけ議会に報告?
  • 2億円の寄付でも再三、慎重に議論していくべきといっていたのに、その裏で同じようなことをするという枚方市の神経を疑います・・・。

 

ありがたい申し出でもあるので、もめずに着地させる方法もあったはず。なぜ話がこじれてしまうのか・・。

本当に中でどういう話になっていたのでしょうか。

 

木村の質疑

【質問】

「議案 第110号 和解について」に関しまして、質問いたします。この件は、令和3年6月16日に寄付を受けたが、その後の市の対応に不信感を抱いたため、寄付の契約を解除したいという申し出があったというものです。
大前提として、市に対して寄付の申し出があったことは大変ありがたいことです。
しかし、今回の件は、寄付を収受する時には、議会には何の報告もなかったにもかかわらず、いきなり今回の贈与契約の和解という形で出てきて一体枚方市で何が起こっているのか、枚方市は寄付の収受をどのように進めてきたのか、市の意思決定プロセスは一体本当にどうなっているのかと感じるところです。
この件については、寄附者が耐震工事費用に関する枚方市の対応等について不信感を覚えられたことが原因だと思いますが、市は寄附者に対してどのような対応をして不信感を覚えられたのか、お伺いします。

【答弁】

寄附者が市に対して不信感を覚えられた原因といたしましては、寄附者が耐震工事の取り扱いについて確認された際に「寄附物件の耐震工事は、今後のサウンディング結果で、その実施について判断する予定である」ことを説明せずに、「現時点で市が耐震工事費を負担することは困難」と回答し、寄附者負担による耐震工事が寄附の条件であると認識させてしまったこと、また、不動産の移転登記が済んでいなくとも、本市の寄附者に対する受領意思の到達により贈与契約が成立しているにもかかわらず、寄附の取り消しは可能と思われると誤った回答をし、後日、あらためて不可能であると、回答を二転三転させてしまったことの2点が原因であると考えます。

【質問】

寄附者が不信感を覚えられた原因として、2点の要因を答弁いただきましたが、耐震の状況が明確でなく、不動産登記に必要な書類がそろっていない中での受領は、意思決定プロセスに問題があり、市としてしっかりと議論をしないまま進めたことが、後々このような問題になったのではないかと感じております。
ただ、所有されている土地と建物を寄付していただけるほどに枚方市のことを好意的に思っていただいていた方と、話がこじれるというのは、やはり、市の対応に問題があったのではないでしょうか。答弁を聞いていても、なぜ話がこじれるのか理解ができません。
繰り返しになりますが、こういった寄付などをお申し出いただいていること自体は大変ありがたいことだと思っています。

しかしながら、そもそも論として、今後のことも考えずに寄付だからと言って話を進めてしまうことは問題です。

別件ではありますが、2億円の寄附収受においても2020年の11月に市が受領し、私はその1か月後の12月の議会から毎議会、再三再四、寄付については市としてどうするかも考えたうえで、収受するなど慎重に対応するべきだったと、意見していたにもかかわらず、その裏で、同じような案件で今回も慎重な対応がなされていないまま、寄附の受領を行っていたということで、市の感覚を疑いますし、議会からの意見を軽んじられているようで非常に残念です。

市はどのような判断で受領に至ったのか、お伺いします。
また、今回の寄附物件についても、急いで寄附を受領するべきではなかったのではないかと考えますが、市の見解をお伺いします。

 

【答弁】

今回の寄附物件につきましては寄附者からの申し出に基づき、その可能性について仮サウンディングを行い、寄附収受後の活用方法を検討した結果、市として収受の判断を行ったものです。
しかし、結果として、贈与契約を解除することにより、寄附者の意向を汲み取ることができなかったことについては反省しており、今後、寄附の取り扱いには、更に慎重に対応してまいります。

【意見要望】

仮サウンディングを行い、活用方法を検討して収受の判断を行ったということですが、耐震費用をだれがどう負担するかが決まっていないことで寄付者とのやり取りの中で不信感を招いたのだと思います。
いつも申し上げていますが、枚方市には公共施設マネジメント推進計画が策定されており、長期的な方向性としては、延床面積の増加抑制が基本で、新設、増設は真に必要な施設かどうかをしっかりと検討するといっているのであれば、今回の寄附物件が本当に枚方市にとって真に必要な施設かどうかは、しっかりと検討して判断するべきでした。

今回のように活用方法が明確に定まらない中、明確な基準もない中で、寄付していただけるからもらう、という姿勢はいかがなものかと思います。

今回の話が市の内部でどのように議論され、決定したのかはわかりませんが、せっかくのありがたい申し出にもかかわらず、結果としてこのような形になってしまったことに関して市の責任も重いです。

枚方市には様々な課題があるので、他の分野でしっかりとスピード感をもって進めるべき案件は進めるべきですが、この案件は慎重に議論をしてから判断してもよかったのではないでしょうか。市の意思決定としてスピード感を持って取り組む場所が違うのではないでしょうか。

今後は、拙速に判断し、このような事態を招くことのないよう、強く要望しておきます。

他の議員の質疑・意見

この件に関しては、どの会派も同じような意見ですね・・・。

全てを文字起こししているわけではありませんが、雰囲気だけでもつかんでいただければと思います。

 

 

 

贈与契約を決定した手続き。決済は誰が承認したのか。
→市長決済

不動産契約にしていた書類はそろっていたのか?
→一部作成中

なぜ耐震診断を前所有者にしてもらったのか。
→寄付の受領前にご好意で。

なぜ不信感のか。
→今後のサウンディング結果次第というのを伝えずに、市の耐震工事を現時点でしないということをいったこと。不動産の登記が住んでいなかったので寄付の取り消しは可能と最初に行ってしまった。

不動産の価値はどの程度のものなのか。
→個人情報の関係で言えない。

恥ずかしい限り。
書類も整わない中進めるというのは行政の対応なのでしょうか。

寄付者の思いを踏みにじり

なぜ専門的な職員がいない。
→今後さらに専門部署によるチェック体制。

市のものを耐震させるのはおかしいんじゃないか。
→好意でやってもらって、請求はされていない。

勝手に判断して貴重な財産を失ったことに対しての責任は。
→お返しすることは反省していかないといけない。

 

市民にとって大きな損害。

担当部は公文書偽造と同じ。安易な進め方。議会への説明に納得できない

組織体制の改善、行政の信頼を取り戻すようお願いします。

 

==

書類が不足している中で、耐震診断の結果も決まっていない中で、慎重さに欠けた中で進めた中でなぜこんなに急ぐ必要があったのか。

→1月6日の申し出があったので半年たって早く伝える必要があった。
→サウンディングでの活用も見いだせた。
→民間事業者の募集も速やかに。

 

早く返事する必要が本当にあったのか。
慎重に対応すべきだったのか。

仮サウンディングといっても、事業者に貸して活用していくといってもそんな簡単な話?
事業者がやめるとなったらどうするとか考えていたのか。
受領の最終判断をされた市長の見解を伺います。

→建築学を専門とする芸術性の高い家、京町や、数寄屋風の伝統と踏まえ・・・いい家だと。文化芸術振興の活用が見込めると受領を決定した。
多くの方にご迷惑をかけたので、今後このようなことが起こらないように。

いい物件だから進めた。ではなく、受領にかかるプロセスが間違っていたのではないか。
いろんなことが欠けていた。
民活を募集するというのは大事。やり方によっては審議会を設置するとか。そこまで決めた段階で寄付を受けるなら。
今回は議会についても報告なかった。なぜ水面下で進めてきたのか疑問。

単品での活用なのか、全体で文化芸術施策の中でどういう位置づけなのか、EBPMの点からもどう整理したのか、関係部署を含めての議論なのか、寄付ありきで独断で決めてきたのか。

私財を投じて寄付をしてくれたことについては市は真摯に答えるべきだった。庁内で議論を重ねて整理する必要があったのではないか。
寄付ありきで使い道を後で決めるようにしてたように思えてならない。
しっかり責任をもって契約を結ぶべき。

議会に何も言わずにうまくいかずに最後だけ議決がいるので頼みますは違うのでは。
市政運営方針では議会の意見を聞いて、丁寧に云々・・・と言ってますが本当に気持ちが入っているのか、絵空事にしか受け取られない。
それはできていないというのと同じ。

 

自分だけに責任があるというわけではないと思ってるのかもしれませんが、市長は行政のトップとしての責任があると思います。

職員の意識改革といってますが、市長が率先して各部署の職員の話を聞いて職場風土の改善をしていただきたい。いろいろ言いましたが真剣に心配している。

 

 

新しい答えがあるとは思わないが、聞きます。市として活用が見込めると判断したが、市が申し出があった時からどういう議論をしたのか。

→庁内関係部署にヒアリング、使用用途の確認等。
事業者に仮サウンディング、プロポーザルで運営していけると思ったので市長決済をした。

協議や調査の記録は残っているのか?
担当課会議は設定していない。複数事業者の仮サウンディングの記録もない。
公共施設マネジメント推進委員会でも議論していない、対象外とのこと。

公共施設の総量をマネジメントしていくという考え方があるなら、審議対象にするべきではないか。

事業計画、実施方針を明らかにし、市民や議会の意見を聞いていくべきでは。
行政目的が共有されていたのか。
設置の目的は何で、どういう機能を持たせるのかを検討すべき。

閑静な住宅街の中にある、耐震改修が必要、バリアフリー、消防法などの適合がどの程度必要なのかを整理しないと判断できない。

思いつきレベルでも行政の公共目的にしていくことが必要ですが、いきなり市長決済というのは風通しが悪い。

 

寄付収受の目的が何だったのか、プロポーザルでカフェとなったらそれでいいのか。支離滅裂。

事前調査が必要、移転登記の手続きも必要。添付書類として登記簿謄本などの目録があった。6月に受諾決定したわけですが境界画定などどのように、何をどこまで確認していたのか。

→登記事項証明書など。寄付物件の活用に重点を置いた。書類は5月に伝えた際に書類作成を依頼した。11月には必要な手続きが完了している。

移転登記の手続きが終わったらすぐに契約解除の方向に進んでいる。

あまりにもお粗末。明確なルールを定める必要がある。
新潟市は寄付の条件を定めている。

担当課に確認したところ、行政目的のない土地を受けることがない。

新潟市はフローも公開している。
寄付を断ることもあると記載している。

建物を原則受けるわけではないと、定めてる。

基準を設けるべきではないか。
→ルールに基づいて慎重に進めてきた。財産担当部署としっかり協議することを徹底していきたい。

 

 

様々な問題がある。
一番の問題は拙速に受理したこと。
活用方法も決まらず書類もそろっていない中で進めたこと。

6月16日に受理することが原因で、寄付者への対応もおかしくなった。
寄付者には耐震診断の費用を負担するなど協力していただいたにもかかわらず、最終的に契約解除となったことはどう思っているのか。

→大変ご尽力いただいたにもかかわらず契約の解除になったのは心苦しく深くお詫び。

当時の担当部長がかかわり、副市長市長に報告しながら、議会には報告がなく、和解の議案ですとなったが、なぜこのようなタイミングになったのか。

6月に受けるタイミングで議会に報告があるべきではないか。
→負担付き寄付ではなく議決案件ではないので寄付受領後手続き完了して活用方法決まってから報告するつもりだったが。報告できず深く反省していて丁寧な説明を行っていく。

今さら言われても市長が議会とのコミュニケーションをとるというのとは矛盾。
公文書偽造の不祥事もあった。許されるものではない。寄付物件についても担当部長が関与していたが、任命権者の市長、当時の部長が処分無しということは憤りを感じるし、ありえない。観光賑わい部は市民や市内事業者との接点も多く、深くかかわりながら協働していく部署なので一国でも早く風通しの良い職場になるように。

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