ファシリティマネジメント(公共施設マネジメント)の先進自治体:習志野市の視察 | 前枚方市議会議員 木村亮太
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ファシリティマネジメント(公共施設マネジメント)の先進自治体:習志野市の視察

11月14~15日の総務常任委員会の先進都市視察2日目です。

 

習志野市のファシリティマネジメント(公共施設マネジメント・公共施設再生)の取り組みについて視察に伺いました。

 

ファシリティマネジメント・公共施設マネジメントとは

人口減少・財政状況が厳しい時代に、これまで建設した全ての公共施設を維持管理更新をするのは財政的にも非常に厳しい。だからこそ、総量圧縮・複合化や統合化・利活用や転用を実施していく。将来を見据えて持続可能な都市経営のための適正化の取り組み。ちなみに、今でこそ総務省から自治体に対して、「公共施設マネジメントを推進しなさい」と連絡が来ていますが習志野市は国から言われる前に取り組みを始めています。

 

枚方市の公共施設マネジメントの取り組み

少し余談になりますが、枚方市もこの取り組みを進めています。

  • 専門部署の設置(資産活用課)
  • 施設カルテの作成
    (施設の基本情報と維持管理にかかるコスト状況、どの程度老朽化が進んでいるか)
    コチラ(枚方市HPへのリンク)
  • 公共施設マネジメント計画の作成
    コチラ(枚方市HPへのリンク)
    基本的な方針
    これから必要になる更新等費用が年間71億円
    これまでの更新等費用が年間51億円
    →差額分の20億円が足りない。
    →長寿命化+延床面積縮小で持続可能な公共施設管理をしていく

 

 

習志野市の場合は全国に先駆けて実施していること、また、計画だけではなく、すでに再編に向けて実行しているところなどから、枚方市の取り組みの先を行っており、今後の取り組みについて学ぶことがあるのではないかということでお話を伺いました。

●習志野の取り組みの総論

将来推計を建てるときの前提として・・・

  • 地区60年で建て替えると仮定
  • 大規模改修と建て替え費用を試算
  • 延床面積×平均単価
    →25円間で965億円が必要。
    毎年平均年間38億円が必要。
    実情は年間平均15億円。

年間15億円を38億円に引き上げることは可能か??

このままでは40%の施設しか更新不可能ということは、
例えば、小学校と中学校の半分くらいの施設しか更新できない。

総量圧縮+長寿命化+財源の確保で対応

60%圧縮のところ、30%圧縮し、30%は財源確保。

 

右肩上がりの時代から右肩下がりの時代に移行した今、
「量」から「質」への発想の転換が必要。
求めあえば「量」は不足する。譲り合いつつ「質」を向上していく

減らすというとサービスの低下と言われてるが、
将来を見据えて持続可能な都市経営のための適正化の取り組み。
信念を持って取り組む。

財政課が主導で施設カルテを作成した。

H26年3月公共施設再生基本条例

 

統廃合が目的ではなく、人口減少社会の中で持続可能な都市経営を実現し、将来世代に負担を先送りすることなく、時代の変化に適合した公共サービスを継続的に提供すること。

公共施設再生計画は
第1期6年、第2期6年、第3期13年の3期に分けている。
第1期は確実に実施。第2期見直しの可能性あり、第3期は検討の時期を明確化。

学校を残していきたいという声も多いので、コミュニティ、高齢者施設も含めて学校を複合化していくということです。

各地域ごとの将来像、配置図は例えば以下のようにどのように移り変わっていくかを市民に示している。

 

市民説明・住民広報について

  • H17
    財政問題学習会の開催、財政健全化の必要性の説明を開始
  • H23
    シンポジウムを開催、老朽化問題を広く住民、議員に周知する
    まちづくり会議、市民カレッジ、出前講座で説明
  • H24
    公共施設再生計画基本方針を策定
    パブリックコメントを実施
    住民、公民館等の利用団体に対して説明会・意見交換会を実施
    市の広報誌で10回にわたり連載
    公共施設再生計画の素案について、市民説明会・意見交換会を開催

 

 

公共施設再生計画(個別施設計画)を作成する際に注意した点

  1. 地道な住民説明。意見交換
    平成25年1月から26年3月までの間に約70回、延べ2500人に対して実施
  2. 職員への周知と関係課との連携
    学校教育部(学校施設)、社会教育部(公民館・図書館施設)も併任
  3. 地元企業への情報提供と理解促進
    結果的に新庁舎など地元事業者とゼネコンが組んで入札する案件も

実行段階の大久保地区の取り組み

  • 7箇所8建物を1か所3建物に集約
  • 総床面積は7500平米→7200平米
    ※あまり減ってないんじゃないの?と思うかもしれませんが、図書館を分館クラスから中央図書館クラスに格上げしたからということです。(蔵書数が11万冊→35万冊)
  • 縦割りで個別に設置していた駐車場を1か所に
  • ただ、地元からは「閉館しないでほしい」というお声はまだまだある。
  • 引き続き丁寧に説明を続けていく。

 

まとめ

どうしても総論賛成各論反対になっていくような話です。先進的に取り組み、市民への説明を多く重ねている習志野市においても住民理解を得るのは難しいとのこと。とにかく情報公開をし、丁寧に市民の方々と説明をしていく、財政状況や将来の人口推計も含めて公共施設をどうしていきたいかをしっかり議論をしていく、につきますね。それでいうと、習志野市に比べて、枚方市はまだまだ市民への情報公開・説明が少ないと思うのでこの部分をもっと強化をしていくべきであるなと感じました。

 

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枚方市議会議員
木村亮太(きむらりょうた)

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