枚方市内にスマートインターが設置されるのかどうかについて。
スマートインターについてお問い合わせをいただくこともありますので、ブログにまとめておきます。
まず前提として枚方市に新名神高速道路が開通予定
そもそもの話としてご存知の方も多いとは思いますが、新名神高速道路が枚方市内で開通する予定になっております。
枚方市域の完成予定は令和5年度末です。
イメージVRです。
※映像は暫定四車線のイメージです。
※映像は完成イメージのため、実際の形状と異なる場合がありますので予めご了承ください。
枚方市域で言うと長尾家具町からずっと地下を通り、船橋あたりから地上に出て淀川を渡るようなルートです。
詳細は市のHPもご覧ください。
そして、この新名神高速道路はほぼ地下とはいえ枚方市域を通るのですが、高速の出入り口(インター)は現計画ではありません。この高速道路に乗ろうとすると、淀川を渡って高槻から乗るか、八幡から乗るかになります。
そして、「せっかく高速道路できるなら枚方市内からも高速道路乗れるといいよね」という意見が出てきますし、国としてもスマートインターチェンジの整備促進を進めています。
また、枚方市内で住民・団体の有志の方々で活動されている方もいらっしゃいました。
そういった声を受けて、
「スマートインターの整備の実現可能性はあるのか」
「整備するとしたらどれくらいの費用が掛かるのか」
「どれくらいの効果や利用が見込まれるのか」などについて市が調査をしました。
結論としては、可能性は低い
私もできたらいいなと思ってはいるものの、端的に言うと可能性は非常に低いです。(ゼロではないと思いますが)
調査結果の詳細について
以下の場所に設置する場合で課題整理をしております。
- 高速道路利用者の増加
高槻IC~八幡京田辺IC間のIC出入り交通量が1100台/日増加が見込まれる - 高速道路利用者の利便性向上
枚方市内から既存IC(高槻IC及び八幡京田辺IC)へのアクセス性を高める道路となる内里高野道線及び牧野高槻線の事業がすでに大阪府により進められている。 - 周辺道路の安全性と円滑な交通の確保
実現性の可能性が最も高い連結道路は、市道楠葉中宮線となるが、幹線道路と比較してアクセス性など交通機能が低い。 - 産業振興・物流の効率化
スマートICの設置が想定される周辺地域では、すでに広い範囲で市街地が形成されており、今後新たに物流拠点が立地する可能性は低い - 社会的便益の確保
全体事業費が総便益に対して過大となる。 - 構造的課題
新名神高速道路の既存の橋脚に近接して新たにスマートICの橋脚を設置することとなるため、河川管理者との協議において、橋脚の位置に制限がかかることが想定される - 地域への影響
これまで高速道路本線の事業についえてゃ、周辺地域の方々にご理解をいただきながら進められてきた。スマートICの設置は、そうした方々の住環境に更なる負担を強いることとなる。
社会的便益について
概算事業費全体で約180億円
- うち、枚方市負担額約86億円、高速道路事業者負担額約94億)
- 180億円の内訳
- 用地費:約8億円
- 補償費:約82億円
- 設計費:約億円
- 工事費:約88億円
総便益:約40億円
- 40億円の内訳
- 走行時間短縮便益:約35億円
- 走行経費減少便益:約4億円
- 交通事故減少便益:約1億円
結論
ということで、総事業費180億円に対して40億円の効果、枚方市だけの負担で考えても86億円の費用に対して40億円の効果ということです。
市としても、
検証を行った結果、枚方市域へのスマートICの設置は高速道路利用者の増加や利便性の工場は一定見込めるものの、全体事業費が総便益に対して課題となることが確認された。このため、現時点においては、本市の施策の中で優先順位を高めるに至らないが、今後、高速道路本線開通後の周辺環境の変化や必要性の高まりなどを注視しながら見極めることとする。
以上のことから、引き続き、新名神高速道路とそのアクセス道路の早期完成を最優先に事業促進に取り組んでいく。
とあります。
簡単に言うと、費用対効果的に優先順位は低い。まずは新名神開通に向けて取り組みを進める。そのあとに、交通量や周辺環境が変わったらまた考える。という話です。
個人的には残念だと思いますが、費用対効果を考えると私も優先順位が高い事業はあるなと思っております。