不登校支援の現場と課題〜学校に行かなくていいのは本当なのか〜
会場でパチリ。自撮りしようとしていたところ、議長に撮っていただきました。恐縮です。
ひきこもりと不登校の関連性
求められる予防開発的な家庭教育支援
不登校支援の現場から見えるものとは
〜ペアレンツキャンプの支援〜
不登校とは何か
スクールカウンセラーの充実の質問はよくある
8中学校全てに配置してるけど不登校の数が減ってない。
心の問題だけではなく、環境の問題、家庭の問題、いじめの問題。
カウンセラーは学校にいる
不登校になった子どもは学校に行きたくないと思っているので学校にいるカウンセラーに相談に行くのはハードルが高い。
不登校が一番多いのは中1
環境に適応できずに、友達ができない、勉強がわからない、先生が授業ごとに変わる
不登校の定義
なんらかの背景により年間30日以上欠席
児童の数は減っていっているが16万人が不登校
小学生は0.7% 学校に1人
中学校は3.65%クラスに1人
不登校はそれぞれ背景や原因が異なり、様々なタイプが存在しています。それぞれのタイプに適した支援が求められる。しっかりとアセスメント(分析)を行った上でどのようなポジションをとるか検討する必要がある。
母子分離不安・怠学甘え・優等生息切れ・学業関係・環境.人間関係・ストレス、神経症
OD疾病・発達障害、学習障害・虐待、ネグレクト
不登校をめぐる近年の動き
2017年2月には教育機会確保法
義務教育においても多様な教育を認めようといった動きがある。
- 休む必要性
- 学校以外で学ぶことも重要であると認めている
- 復学からフリースクールもOK
2019年10月に文科省の通知
- 学校に投稿するという結果のみを目標にしない
- 本人の希望を尊重し、場合によってはきょいうく支援センターや不登校特例校、ICTを活用した学習支援、フリースクール、中学校夜間学級での受け入れなどを活用し、社会的自立への支援を行う
- 児童生徒又は保護者等が希望する場合、就学すべき学校の指定変更や区域外就学を認める対応も重要
- 学校外施設での相談・指導やICT等を活用した学習活動に関して指導要録上出席扱いすることができる
↑学校現場からの反発があった。
不登校に対して多様な選択肢
①復学、②転校、③教育支援センター(適応指導教室)、④フリースクール等、⑤山村留学等、⑥ホームスクーリング
適応指導教室という名称も果たしてどうなのか。「学校に適応させる」という前提
学校に行かないことが問題なのではなく、問題は学校に行かなくなったことにより、生活リズムが変わってしまうこと
ひきこもりと不登校の関連性
ひきこもりは長期化すればするほど支援が難しくなり本人や家族の負担が増加していく
8050問題
80代の親と50代のひきこもりの子どもが同居している世帯の生活が立ち行かなくなるという問題。ひきこもりは幅広い世代に広がっている
- 市民の担税力の低下
- 支援体制の構築に莫大な予算
- 単身未婚世帯の増加
- 虐待、自殺へ発展する可能性
ひきこもりになったきっかけはなんですか?と聞くと。
- 不登校18.4%
- 職場になじめなかった18.4%
- 就職活動の失敗16.3%
- 人間関係16.3%
- 病気14.3%
不登校経験者がニートや引きこもりになる割合が経験のない人に比べて6.7倍になる。
毎年3万人以上の子どもが不登校のまま中学を卒業している
不登校を引き起こすと考えられる要因
※環境要因や疾病等は除く。
本人の性格傾向
自己肯定感が低い、自信のなさ、傷つきやすい、他社評価への敏感さ、こだわりの強さ、がんこ、融通が利かない、完璧主義
親と子の関係性
依存関係、緊張・対立関係、引きこもり状態を強化継続化する働きかけ
社会との関係性
社会への先入観や誤解、社会的規範の欠如、集団への拒否反応塔
この3つはあくまで㎥お関連しているだけで、この要因によって引き起こされるわけではありm線。しかし、これらの要因を意識して家庭教育に取り組むことで、将来的に不登校や引きこもりにつながるリスクを減らすことができます。
そのために予防開発的な家庭教育支援が求められる。
求められる予防開発的な家庭教育支援
家庭教育とは
親が子どもに家庭内で、言葉や生活習慣、コミュニケーションなどを生きていくうえで必要なソーシャルスキルを身につける援助をすること。家庭教育はすべての教育の基礎となるもの。
8050問題も早期対応していれば 5020問題だった。
もっと早くタイミング、学齢期であれば。
どのような家庭教育支援があるか。
子育てサロン、子育てセミナー、過程に対する個別訪問、学生に対する講座、リーフレット等による啓発、電話や来談での個別相談。
しかし、これまでの家庭教育支援は効果がなかなか見られない。意識のある人がサロンに来ることはあっても、行政が来てほしい人が来ない。
参加型の支援だと限られた人しか来ない。
そこで訪問型支援に。
いうことで・・・
家庭教育支援チームを核とした支援モデル
家庭教育支援チームとは
孤立しがちな保護者や仕事で忙しい保護者等、学習機会の確保が難しい保護者への支援を行う。保護者の多様なニーズに応えるために、子育て経験者をはじめとする地域人材を中心に、教育OBやスクールソーシャルワーカ―、民生児童委員東野様々な人材によって家庭教育支援ちいーむは構成されます。
役割
- 誤射h者への学びの場の提供、情報提供
- 地域の居場所づくり及び、相談対応
- 訪問型家庭教育支援
参加型の家庭教育支援がうまくマッチングしない保護者には訪問型家庭教育支援が効果的。
訪問型家庭教育支援の特徴
- 忙しい保護者にとって時間や場所等の都合が良い
- 保護者の悩みや相談に直接耳を傾けることができる。
- 保護者が話しやすい環境になる。
- 支援員と保護者が信頼関係を築きやすい。
- 支援員が家庭の状況や課題を把握することができる。
- 保護者のニーズに合わせたイベントや学習機会等の情報提供が行いやすい。
- 保護者のニーズに合わせて専門機関へ橋渡しすることができる。
訪問型家庭教育支援で、アプローチし、訪問時に情報提供、関係機関への橋渡し。そこから参加型の家庭教育支援に。
現代の行政支援では学びの場に参加してもらう前段階として「来てくれないなら行ってあげる」というおせっかいが必要。
大東市の家庭教育支援チームの事例
大東市の取り組みの3つの特徴
- ベルト型の訪問型家庭教育支援
- 課題から逆算して組織を作るという視点
- 活動指標として具体的な目標値を設定
ベルト型の支援とは
小1と中1のすべての保護者を対象として訪問している。
⇔すべての保護者を対象としたユニバーサル型
⇔不登校対象や非行・ネグレクト対策などの課題のある過程に訪問するターゲット型
⇔エリアを決めて訪問をするエリア型
それぞれメリットデメリットはあるが、大東市は全訪問は難しいのでベルト型訪問支援をしている。
課題から逆算して組織を作るという視点
- 縦割り行政の解消(組織横断型プロジェクトとしてスタート)
- 人材育成
- 予算の確保
- 個人広報の取り扱いに関する特例。各部局が縦割りで管理している個人情報を家庭教育支援のために包括的に取り扱うための特例措置を規定
(個人情報保護審査会の諮問に対する答申により例外事項)
活動指標として具体的な目標値を設定
- 新1年生の児童保護者に対する訪問目標値を設定。(年1回以上を〇件など)
- いくカフェ(小学校区ごとのサロン)を年3回開催。参加人数を目標に。
平成28年から平成30年の表を載せる。
平成30年11月20日時点での実施状況
平成28年 | 平成29年 | 平成30年 | |
チーム員の数 | 53人 | 77人 | 157人 |
小1の全戸訪問の実施回数 | 1回 | 2回 | 3回(目標値) |
訪問時に保護者と会えた割合 | 61.6% | 第1回89.0%
第2回81.8% |
第1回92.3%
第2回92.1% |
いくカフェの参加人数 | 70人 | 1学期319人
2学期369人 |
1学期399人
2学期616人 |
福祉部局でのSSW相談件数 | 29件 (2か月分の集計) |
入学式で家庭教育支援チームの話をして、訪問時間も夜の6時~7時ころにしている。
不登校支援の現場から見えるものとは?~ペアレンツキャンプの支援~
現在
家庭・学校・地域の支える力が弱くなり、相互連携が図れなくなってきている。その隙間を中間支援機関(塾・民間支援機関・行政の支援チーム)が埋めている。
家庭、学校、地域がそれぞれが孤立化。特に教育の最小単位の家庭の孤立化は危機的状況。
将来
全ての教育のベースとなる家庭教育を支援することで、地域・学校・家庭それぞれの教育力が再興される。再び家庭・学校・地域が相互連携を図れるようになる。
まとめ
学校以外の選択肢も確保しつつ、学校に戻れる生徒、戻りたいと思っている生徒に関しては戻っていけるような支援が必要だと感じました。フリースクール等も私はありだと思っています。ただ、フリースクールありきになってもいけないのかなと思います。
それと訪問型支援(アウトリーチ)も大事ですね。非常に参考になりました。