Govtech Conference Japan#02に参加しておりました。
金曜日は経産省が主催するGovtech Conference Japan #02に参加しておりました。
人口減少、人手不足も進んでいく中で行政の手続きの効率化、デジタル化を進めていかなければなりません。行政にテクノロジーを入れていくことは大事ですので、その観点から話を伺いに行きました。
経産省デジタルトランスフォーメーションのステッカー。スタートアップ企業がこういうステッカー作ってるの多いのですが官公庁では珍しいのではないでしょうか。
ステッカーいくつかもらっているのですが、どこに貼らせていただくのがいいのか・・・。職業柄PCにも貼りにくくて悩んでます。
『国内外のDXオーバービュー』平本健二内閣官房政府CIO上席補佐官による基調講演
課題が多いけどデジタル化は大きなチャンス
人も少ない、お金も少ない中では、ある意味デジタル化をやるしかない。
人口減少→自動化
インフラ老朽化→AIによる診断
高齢化→デジタル技術によるサポート
グッドサイクルを作っていくことが必要
エストニアは改革を実施することで地域が活性化
→人と企業が集積
→税収が増加
→改革実施→活性化→・・・
のGOODスパイラル
とある国では・・・
改革が先送りされる
→地域が停滞
→人と企業が消える
→税収が不足
→改革が先送り・・
のBADサイクル
国内の先進事例も自主的に取り組んでいるところが多い。
今後の方向性としては
オープンガバメント×デジタルガバメント×スマートシティ
政策決定と手続きと暮らしやすい環境をセットで進めていく。
- オープンガバメント・・・ニーズに合った政策
- デジタルガバメント・・・最小限の手続き
- スマートシティ・・・暮らしやすい環境
そうは言っても、、
自治体・・・予算がない
ベンチャー・・Fundがない
既存ベンダー・・・ビジョンがない
効率的な投資にするには、キーワードとしては
- シンプルで直感的な操作
- カウンセリングや現場職員のサービス提供支援
- システムは構築するのではなく既存のサービスを組み合わせていく
- ベースレジストリーの徹底した基盤の整備(エストニアのX-Roadのようなもの)
また、マーケットや事例バンクのようなものが必要なのでは?
ということで、経産省は自治体マーケットプレイスを作って制作中。
デジタルデバイドからデジタルサポートへ
パソコンを使えない、から、デジタル化に反対、使えない人はどうするんだ?という議論になりがちだが、音声認識、手書き入力など、やりやすいように。
政策形成もデジタル化社会に即した流れに。
- ビジョン戦略は、最初にガチガチに固めるのではなく意見を募集しながらやる。コールセンターやチャットボットのやり取りからも市民ニーズを抽出。
- 法律も構想段階からデジタル専門家が関与し、デジタル化社会との整合性をチェック。また、文章で書くのではなくモデリング手法を使い、図示しながら設計。システムに落とし込む時にそのほうが便利。
- 予算も個別予算ではなく枠予算で柔軟な運用が必要、パフォーマンスやバリューを評価していく。
- 年度で動かすのではなく四半期で動かす。
デジタル化が進むと窓口も小さくなる。市役所の仕事の仕方も変わる
デジタル化が進んでいるエストニアのタリン市の市役所には無人受付案内パネルなどが置いていて省スペース化されている。
また、仕事の仕方も、今はデスクワークの時間の比率が多いが、今後は30%がデスクワーク、50%がコラボレーション、20%がイノベーションというような時間の振り分け方に変わってくる。
職員の働く場所も、市庁舎だけではなく「Any Place,Any Space」市庁舎もハブとしての機能になる。
『東京都のデジタル戦略について』宮坂学 東京都 副知事(元ヤフー取締役会長Yahoo)
全ての産業・社会はデータで変わる。
教育×データ→edutech
金融×データ→fintech
政治×データ→gov tech
移動×データ→MaaS
農業×データ→Agri tech
都市×データ→??
都市のデータ化は海外では始まっている。ドバイ、中国・・・
TOKYO Date Highway
東京は世界最速のモバイルインターネット網の建設に着手し、5Gネットワークを早期に構築していく。
ICTが課題を解決する。
のですが、日本人はICTが社会課題を解決できると信じる人の比率が他国と比べると引くいです・・。
日本22%。トップは中国の71%。平均は42%
人材を強化していく。
ICTインフラは未来の基幹インフラであり、道路インフラの建設局や水道インフラの水道局と比べるとICTインフラの人材がいる戦略本部は人員が少ない。
↓現状の東京都庁の部署ごとの職員数
建設局:2046人(事務677人、技術1529人)
水道局:3864人(事務1331人、技術2533人)
戦略本部:106人(事務96人、技術10人)
世界のメガシティと比べても絶対数・割合ともにけた違いに少ない。
都市 | 職員総数 | IT部門職員数 | IT部門職員率 |
東京都 | 32,001 | 67 | 0.2% |
ニューヨーク | 125,128 | 1,508 | 1.2% |
ロサンゼルス | 32,219 | 423 | 1.3% |
パリ | 52,553 | 486 | 0.9% |
シンガポール | 37,291 | 2,602 | 7.0% |
グラレコ(グラフィックレコード:イラスト入りの議事録のようなもの)貼っておきます。
※このグラレコは翌日のCodeforsumimitの宮坂副都知事のセッションでのものです。ですが、共通して話をされている部分もあるかと思います。このセッションも気になっていたのですが、おそらく内容の重複があると思い、私は別のセッション参加していました!
インドのIndia Stackについて
デジタル政府というとエストニアが有名なのですが、インドの事例もお聞かせいただきました。インドもすごい!
具体的には・・・
インドでは個人のデジタルID、認証、決済等のデジタル公共財を整備し、民間に開放(India Stack)。貧困層の金融包摂や新ビジネス創出など、新たな成長モデルを実現。
非営利団体iSpritが主導しサービス構造のアーキテクチャを設計。
India Stackの特徴としては
政府から国民へのサービスが効率化
13億人にデジタルIDを付与。ほぼ全世帯に銀行口座普及。国民への直接給付額は14.1兆円。効率化、不正受給防止により、受給者に届く金額は2倍に。
インドの場合は政治家や官僚の汚職や事務コストの関係で補助金が実際に貧困層に届くまでに45%に減少していたとのことです。
給付事業系はこれで一発で終わるそうです。日本の場合も、官僚の不正というのはほぼありませんが、事務コストはかかっています。対象を行政の方で絞り、その対象の方々に申請書を送付、申請するために郵送で返却ないし市役所に来てもらって、それから給付、というように。
1万円支給するのに1.5万円の事務費がかかっている、といったことも起こります。
こういうシステムを構築するのは最初はとてもお金がかかりますが、将来的には都度事務費がかかることに比べると効率化できるのではないでしょうか。
民間サービスででも広く拡大
銀行が個人と新規取引するコストは600ルピーから0.5ルピーに。貧困層を含むあらゆるものが小口決済のサービスにアクセス可能。アリペイ・GooglePay・銀行などが基板上でサービス提供
中立・オープンな公共インフラ
民間の非営利団体(エンジニア等のボランティア)が中立・オープンな基盤を整備。ベンチャー等がGAFAに搾取されない仕組みに。
効果
共通基盤整備でコストが下がり、これまでサービス提供のコストが高かったBOP(ベースオブピラミッド:貧困層)向けのサービスが盛んに。
GtoCやGtoBtoCやPtoPの取引コストが下がった。
まとめと余談
DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉が、ビッグワード、バズワードになっている面は否めないですが、デジタル化を進めることで利便性の向上や市民サービスの向上につながっていくと思いますので、どんどん進めていきたいと思っております!
また、DXが進めば市役所の業務はもっとクリエイティブになる、作業ではなく市民との対話や今後の事を考えられるようになる、と考えていましたが、海外事例ではそれが証明されていました。また市役所の省スペース化もです。
市民のためになる行政の為にもDXを推進していくことは不可欠ですね。
アンテナ張って新しいものについていかなければと思う今日この頃です。
日本人って科学技術に対しての信頼感って低いようですね。ITリテラシーもそうですし、そもそも科学自体が西洋文化のものなので東洋文化圏の日本人には合わないのでしょうか。とはいっても、今の中国のIT化とかすごいですからね、西洋東洋とかは関係ない気もしますね。中国は一部の都市だけかもしれませんが。
この記事がいいなと思った方は翌日のcode for japan summit 2019に参加。イベントレポート。もあわせて読んでいただけると嬉しいです。
余談:会議環境がすごい!
会議の周辺ツールでデジタルでしたね。アナログな世界におりますのですごいなと思ったのですが民間ではこれくらいは当たり前でしょうか??
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左のオレンジで囲っている部分です。それ用に撮ったものではないので見にくくて申し訳ありませせん。
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そして、地方の人のために翌日のcode for japan summit 2019と3日連続にしていただきありがとうございました。