魅力あるまちづくりに向けたアプローチとは(前豊岡市長中貝宗治氏の講演) | 前枚方市議会議員 木村亮太
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魅力あるまちづくりに向けたアプローチとは(前豊岡市長中貝宗治氏の講演)

2月8日は前豊岡市長の中貝宗治氏をお招きし、議員研修会を開催しました。

 

以下が公園の内容のメモですが、自治体を経営の視点でとらえて、ストーリー性のある、一貫性のある様々な施策を展開していたという印象です。豊岡市はコウノトリの取組みや演劇を通したまちづくりなど特色のあるまちづくりをしていてもともと注目していたのですが、その取り組みを中心にいた中貝前豊岡市長のお話はとても勉強になりました。

 

 

講演の内容

人口減少を和らげるのが精いっぱい

1人いると125万円の消費
1万人減ると125億円の消費減

人口が減ることを前提としてもまちの活性化をはかっていく。

まちの質的転換をはかっていく。

人口動態を見ると、大学の時に出ていって、卒業する時に帰ってくるが、帰ってくるのは35%。65%が戻ってこない。
特に女性が戻ってこない。

結婚した人の産む子どもの数はあまり変わっていないが、結婚する人、夫婦の絶対数が減っている。

枚方市は10代20代で出ていって、30代以降に入ってくる。
ただ、全体としてはマイナス。

 

豊岡は若者に選ばれていない、特に若い女性に選ばれていない。


突き抜けた「豊岡に暮らす価値・魅力」の創造

大都市との資本力の差は歴然としているので、
大きさや高さや速さを競ってはならない

対抗軸は「深さ(文化・歴史)」と「広がり(世界のつながり)」

 

世界に通用する「ローカル」を磨く
世界に突き抜ける
突き抜けると遠くからでも見える

地方創生「より大きく、より高く、速いものこそが偉い」とする一元的な価値観との戦い

「小さな世界都市」を実現するためのエンジン
①環境都市「豊岡エコバレー」の創造
②受けついてできた大切なものを守り、育て、引き継ぐ
③「深さを持った演劇のまち」の創造
④「ジェンダーギャップの解消」

①環境都市「豊岡エコバレー」の創造

豊岡市環境経済戦略
・・・環境をよくする取り組みと経済活動が刺激しながら高まっていく地域を作り上げる。
経済と環境を両立させる。

「コウノトリ育むお米」を作っている
沖縄や海外にも輸出している。
学校給食にも導入し、水田面積でいうと21.5ha相当。

 

 

②受けついてできた大切なものを守り、育て、引き継ぐ

北但大震災の後の復興。

町民大会で議論
川幅を広げて、地面をかさ上げして、
鉄筋は一部だけで、残りは木造建築物で復興。

豊岡観光イノベーション(ToyookaTourismInnovation
豊岡のDMOを作って、英語でリリースを作る。

 

 

③「深さを持った演劇のまち」の創造

兵庫県立城崎大会議館
毎年2000万円の赤字

→城崎国際アートセンターに。
パフォーミングアーツに特化した日本最大のアーティストインレジデンスの拠点に。

毎年70団体程度の応募があり10団体程度が採択

2021年4月兵庫県立芸術文化観光専門職大学を設立

芸術文化の過疎的消費地

創造地に。

芸術文化は強い個性の中から生まれてくる

芸術文化は多様性を受け入れる風土を育み、まちの寛容性に。

観光の閑散期(9月)に豊岡演劇祭2022を開催

文化観光推進法(2020年)

世界の演劇祭を目指せるかどうか、
カンヌ人口7万人
豊岡人口8万人
まちの規模的には問題ない。

演劇の教育への展開

演劇をするとコミュニケーション能力が高まる。
他者への想像力が身に付き、相手に届く表現力が育つ

学力学習状況調査の結果からも
子どもたちのコミュニケーション能力が高くなっている。

演劇で非認知能力を高める取り組みもモデル校で実施。
→スタートは子どもの貧困対策
モデル事業の費用はクラウドファンディングで調達

豊岡アートアクションの取組みは
演劇×認知症

演劇を楽しんでいる町ではなく、
演劇の創造の地であり、演劇が観光、教育、介護など、様々な分野で役割を果たし、地域に根付いているまちを創る

 

④「ジェンダーギャップの解消」

コウノトリも住めるまち

アーティストも住めるまち

女性や若者も住めるまち

なぜ若者が帰ってこないのか
経済的・文化的魅力に乏しい(男女共通)
ジェンダーギャップが大きい(女性)

→ジェンダーギャップの解消に

豊岡では若い女性がスーといなくなった。
女性たちの「静かな反乱」

地方創生のファクターX~寛容と幸福の地方論~
寛容性がUターンに有用

豊岡市ジェンダーギャップ解消戦略

↓↓↓

経済的にも、文化的にも、社会的にも「突き抜けて面白いまち」にする
→突き抜けて面白いまちを本気で作ろうとするところに、意気に感じた人がやってくる、人が帰ってくる、まちが蘇る。

 

 

講演を追えて質疑

経営感覚を養っていけたのは何か理由がありますか?

→民間企業出身の副市長を登用している。

→研修も職員を派遣して泊りで実施していた。

→女性職員が参加できないという声もあったので、講師に豊岡市に来てもらい研修をする形式に変更した。

 

 

 

 

 

ちなみに中貝氏は先日の市長選挙で惜敗し、現在に至っています。演劇によるまちづくり(突き抜けた個性あるまちづくり)や、ジェンダーギャップの解消というのは今後の日本において重要な取り組みかと私は感じておりますが、残念ながら前回の市長選挙で対立候補に負けております。個人的に残念な気持ちもしますが、私は豊岡市民じゃありませんし、有権者の判断が全てですね。

 

ちなみに、演劇のまちづくりはしっかりとした作り込みがある前提だと思います。深く考えない文化芸術施策はまたちょっと違います・・・。

 

勉強会を終わって講師の中貝さんとパチリ。

 

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