支援教育の件
来年度から支援教室の要件が変わりますよ、という通知を保護者に出して、今までの方向性から大きく変わるにもかかわらず、いきなりすぎる、と問題になっている件について私なりの考えや経過をまとめています。
今後新たに追記していくかもしれません。
大前提として、教育委員会が丁寧に説明をしてこなかったことで起こっている問題だと思っています。
障害があろうがなかろうが、保護者は子供の将来をすごく不安視していると思います。日本全体でいいニュースがないというか、先行きの見通しがない状態が続いていますからね。
「日本全体が仮に後退し、明るい将来が見えなくても、うちの子は幸せに明るい将来をつかんでほしい」と思っている親も多いと思います。もちろん日本全体がよくなるに越したことはないですが。
その中で、障害を持っていることで、より不安になっていると思いますので、しっかりと、そのことを踏まえて議員としてもできることに取り組んでまいります。
今、議長という立場上、ブログに書けないことがあるということは予めご容赦頂ければ幸いです。
しかし、この問題にかかわらず、市の進め方やコミュニケーションには課題がある案件がありますね・・・。全ての利害関係者に納得してもらうことが難しいというのは重々承知しますが。
木村のスタンス
色々書いてるうちに長くなりましたので、結論だけ言っておきますと、
- 何が問題でどう変わるのかをしっかりと説明すべき
- 判断がつかない人や来年度は支援→通級に行きたくない人に対しても何が何でも来年度に時間数だけで支援→通級の切り替えを進めるべきではない
の2つです。
これまでの経過
保護者や議会の意見を受けて内容が徐々に変わってきていると思いますので経過をまとめます。
議会向けの5月16日付の通知
週の授業時数の半分以上(1日2~3時間以上)
通級指導は年間35単位時間(週1~8時間)を標準
現在、小学校12校(13教室)、中学校2校に設置
今後さらに、通級指導教室を拡充予定
議会向けの6月7日付の通知
校長会、教職員向け説明会、保護者向け動画など
今後のスケジュールについての報告
→次年度、全小中学校に通級指導教室を設置
6月28日保護者向け説明会での資料
真ん中のゾーンが設けられる。
具体的には、9~14時間の方は支援学級に在籍しつつ、通級指導教室への移行を検討する、ということになりました。
通知当初と最新の状況(6月末時点)
このように、
発表当初
- 通級指導教室が拡充予定
※確約はなく、通級に通う場合は他校?? - 週の半分未満の時間しか支援学級に行っていない生徒は翌年度通級指導教室
※今までは週1~2でもよかったのに支援には在籍できない?
最新の状況
- 通級指導教室が全校設置
※他校に行く必要がない - 週の半分未満(9~14時間の方)でも自校の通級への移行を検討しつつも、支援教室に在籍
このように、保護者の方の意見、議会からの意見を受けて、発表当初の問題はだいぶクリアされてきていると私か考えております。
ただ、途中からコロコロ方針が変わっていることはおかしい」「説明が二転三転しているじゃないか」という突っ込みはあるかもしれません。しかし、私としては、半分未満は直ちに通級、しかし、全校設置が確約されていないという内容でごり押ししていないだけよいととらえております。
なぜ変えるのか?なぜ急いでいるのか?
なぜ変えるのか?
は、色々言っておりますが、今の教育委員会の説明を聞いていると、基本的には、「文科省から言われたから」です。
ちなみにこの支援教育の文科省からの通知については、大阪府の自治体が対象となっているということで、逆に言うと、他県ではもともと枚方市がこれから変える予定の形式にすでになっています。
「こういう問題があったので、改善するために、新しい方式にします」
「新しい方式にすることでもっと●●がよくなります」
という説明ができればいいのですが。
なぜ急いでいるのか?
教育長は議会での答弁で、
「小中学校9年間という限られた期間の中では待ったなしの状況であると考えている」
来年度からしなければならない理由の説明として、在籍している期間が限られているから早くするべき、という趣旨だと思うのですが、上記で書いた通り、「このように良くなるので早く変えたほうがいい」という説明をしていったほうがいですね。
新しいやり方が、改善すると思っている保護者の方は少ないように思えます。
来年度以降の人員配置を決めていくためにニーズ調査をしていくことは必要なので、7月と12月とで保護者の方に意向を聞くことは否定はしません。
何が問題なのか?
文科省通知をなぞらえるので受け売りですが、↓
- 特別支援学級において特別の教育課程を編成しているにもかかわらず、自立活動の
時間が設けられていない - 個々の児童生徒の状況を踏まえずに、特別支援学級では自立活動に加えて算数(数
学)や国語の指導のみを行い、それ以外は通常の学級で学ぶといった、機械的かつ
画一的な教育課程の編成が行われている - 「自校通級」、「他校通級」、「巡回指導」といった実施形態がある中で、通級による指導が十分に活用できていない
とあり、ようするに文科省からすると枚方市はこれが当てはまるとは言いませんが、このような問題があるということです。
P3のあたりには、
障害のある児童生徒が、必要な指導体制を整えないまま、交流及び共同学習として通常の学級で指導を受けることが継続するような状況は、実質的には、通常の学級に在籍して通級による指導を受ける状況と変わらず、不適切であること
とあり、これは、支援学級在籍児童が通常学級で授業を受けるときには支援学級の担任がフォローするとか、通常学級の担任と連携して、支援学級の児童は同じ教室にいてても違う学習をするとかが必要なのにできていない、ということらしいです。
もっと具体的に言うと、学習が遅れているのであれば、その人だけ難易度が違うプリントをするとか、横に支援学級の担任がついているとかのイメージです。
この辺りも、私もすべての学校の実態が把握できているわけではありませんが、仮に今できていなくて、それが改善され、よりきめ細やかな指導になればいいと思います。
それにしても、私は不登校特例校の設置などもこれまで提案していますが、そもそも、これまで通りの型通りの学校運営というのが限界にきているのかもしれませんね。
↓
会派として6月議会で取り上げています。
同じ会派の岩本議員の質問です。※2022年度(令和4年度)は議長という立場で議会運営に携わっており、いち議員としての一般質問、議案質疑等をしておりません。質問作成にあたり一部協力させていただいております。
関連のことを書いておきます。
半分独り言のようなものですが、関連して気になること。
通級指導教室の定員の考え方について
↓7月2日の保護者説明会の資料です。6月28日の方では説明されていないので「追加資料」と書いています。
上は、通級の基準定員である13人で、一人当たり6~8コマ通級を使うと、1コマ当たり3~4人になります。これが標準だと思います。
下のスライドは通級のクラスですが7人在籍で、一人当たり6~8コマ通級を使うと、1コマ当たり2~3人になり、より少人数になるというのを言いたいがためのスライドだと思います。
もちろんそうなのですが、国の配置基準は1:13なので、1:7にするためには市独自でお金をかけて教職員を配置できるということでしょうか?
1:13と1:7だと単純に教職員数が2倍違いますからね。それだけの財政負担のことを財政サイドとも話できているのでしょうか。そうじゃない中で示してしまうと(すでに示していますが)期待だけが膨らんでしまわないか心配です。
特別支援教育支援員の配置について
地方交付税の算出根拠となっている単位費用でいうと、
小学校は学校数×3,574千円(R3は2,995千円)
中学校は学校数×1,999千円(R3は1,713千円)
※補正係数などありますが、細かい部分は省略します。
R4の小学校でも約350万円、中学校は約200万円と多い額ではないですが、昨年度より1割ほどアップしてるのは、今後も増額が期待できますね。
子どもの問題様々あるので、子育て、教育の予算はもっと全体として増額していくべきですし、枚方市も自治体として選択と集中で予算を重点的に充てていくべきだと思っています。