『子育て罰』を読んで
子育て世帯への臨時給付金が話題となっていた中で、気になっていたこちらの本を読みました。
子育て世帯への臨時給付金もですし、児童手当の所得制限も考え直すべきだ、というツイートが私の中では結構RTやいいねがつきました。
子育て世帯への給付金の件で所得制限が議論となりましたが、これを機に、改めて所得制限の発想元となっている児童手当の所得制限や年齢要件とかも国で議論していってほしいですね。子育てに本当に力を入れるというのであれば。
— 木村亮太@枚方市議会議員 (@kimura_ryota) December 28, 2021
また、この本を読む、というツイートも結構RTやいいねがつきました。
年末年始で読む予定。
子育て罰~「親子に冷たい日本」を変えるには~ (光文社新書) 末冨 芳 https://t.co/80PXxwi6hm @amazonJPより— 木村亮太@枚方市議会議員 (@kimura_ryota) December 28, 2021
子育て世帯がこれまでよりも政治に関心を持っているということでしょうか。
『子育て罰』を読んでの感想
共感することが非常に多かったですし、子育て世帯に対する政策の変遷もしっかりとまとめてくれていて非常に良かったです。
子ども庁、子ども家庭庁などの話も出ていますが、省庁をどうするかもありますが、とにもかくにも、教育子育てにかける予算を増やしていくことが少子化対策になると思います。
また、親が子どもを育てないといけないという過度なプレッシャーをなくして子育てを社会化していくことが大事かと思います。※育児放棄していいという意味ではありませんで、仮に育児をできない、虐待に走ってしまっている状態があるとしたら、それだけ親も時間的・心理的・金銭的な余裕がないということが原因なのでは?その原因を取り去るためには何が必要なのか?というアプローチが必要かと思います。
こちらについては、枚方市で「子どもを守る条例」を制定しているときにも、「親が第一義的に責任があることは否定しませんが、核家族化が進む中で、周りに親や親戚がおらず、子育てで追いつめられることもあるので、行政を頼ってもいいというメッセージを出すべき」という話をしていました。
結果として、条例の中の保護者の役割の中では
「保護者は、子どもの健やかな成長に関し第一義的な責任があること及び困ったときは一人で不安等を抱え込まず、周囲に必要な協力を求めることができることが大切であることを認識し、次に掲げる役割を果たすものとする。 」
という文言は入っています。
以下、『子育て罰』を読んだメモです。
稼げば稼ぐほど支援がなくなっていく子育て罰
高所得者の児童手当(約61万人)を廃止して待機児童対策(約14万人の受け皿を作る)に財源を充てるのはおかしい(待機児童対策をするなという意味ではないです、コストベネフィットのバランスが悪すぎるし、そこから財源取ってくる?という話です)
所得制限を受けている子育て世帯も厳しい
貧困世帯も厳しい
母親への過度な期待をする社会、父親への子育て参加を困難にして母親の安定就労を難しくする企業行動。
大学卒業までの子どもの教育にかかるお金は親が負担すべきという親負担ルール
児童手当も政権によって所得制限がかかったりかからなかったり。
保育所の整備など現物給付はあっても現金給付は少ない(所得制限)
年少扶養控除もなるなるなど子育て世代の分断
子ども子育てが公的領域から私的領域に追いやられてきた
そもそも家族支出が少なく家庭の中でなんとかしてもらおうという思想
子どもは親の従属物、所有物という発想がある
本来憲法14条にもある法の下の平等の考えでは差別されないはず。
所得再分配機能が乳幼児期の貧困率は改善しない。25~29歳の女性も同様。
PTAもまさに子育て罰
飲み会の参加率が昇進などの際に強化されるのも子育て罰(子どもがいると夜外食できないので)
体罰はダメだ、ではなく体罰をしなくて済むように親や子どもを応援しましょう、のメッセージのほうが重要なのではないか。
子育て罰をなくすためのステップ
- 少子化対策の失敗原因の構造化
- 政治の価値観不良を正す(古い認識を正す)
- 男性優位の政治・行栄による失敗の隠ぺいをなくす
- 「子どもと家族の幸せが最優先」という価値観の共有
親子にやさしい日本を支える子ども・家族対策
- すべての子供を大切にする「子ども基本法」の制定
- 普遍主義を基盤とした「子ども給付の総合パッケージ化」
- 「広い財源」についての合意形成(末富氏案では年間1.5兆円の積み増しが必要)
最後に
著者の末富氏は国会議員などにも子育て政策の充実についての働きかけをされているということですが、私はそれに加えて、子育て世帯も投票に行くことが大事だと思っています。
今回の子育て給付金は所得960万円以上の方が対象外でそれ以外の方にとっては、そこまで影響がなかった話かもしれません。ただ、これに関連するような話はいくらでもありますので、少しでも政治に関心を持つ、投票に行くといったことをしていただければと思います。
子育て世帯は忙しいのは重々承知の上ですし、ぱっと見は各政党も「子育ての充実」って言っているので判断も難しいと思いますが・・・。