子育て施設の安全について
12月定例月議会一般質問の内容です。
質問の趣旨
こちらの件は、包括外部監査で指摘されていた、保育所と小規模保育施設の耐震化の問題。
- 私立保育所:2施設が新耐震基準に適合していない
- 小規模保育:3施設で耐震診断が未実施
という状況が包括外部監査に書いておりました。
運営を実施している方々と建物のオーナーが一緒ではないため、なかなか難しい問題ではありますが、災害が起きる前に対応が必要です。
最新の対応状況を伺いました。また、子どもを預かっている家庭には最低限情報提供すべきではないかとも伝えております。
待機児童対策のために、全国的にも小規模保育施設を増やした時期がありますので、枚方市のみならず他市でも同じようなことが起きている可能性はありますね。
包括外部監査とは
監査法人等にお金を払って市の監査をしてもらう制度。契約上は個人との契約ですが、監査法人単位で仕事をやってもらっています。
予算は1000万円くらいで、安くはないのですが、指摘内容はいいものだと思っていますので、価値はあると思います。内部監査もいいと思いますが、外部の監査もいいです。中核市以上は義務化されていて、一般市は任意ですが費用対効果は高いと感じます。枚方市は中核市になる前から任意で包括外部監査を始めております。枚方市も10年以上やっているので、やり続けているとややネタ切れ感はあり、同じテーマを再度取り上げるということもありますが・・・・。
質問の詳細
【質問】
次に、(3)安全についてお伺いします。
令和元年度の包括外部監査結果報告書を見ておりますと、市内の私立保育所2施設が新耐震基準に適合しておらず、また、小規模保育事業実施施設にあっては、3施設で耐震診断が未実施であることが指摘されています。いずれも賃貸物件で、基本的に貸主が新耐震基準に適合させるための対応を採るべきであるため、対応が難しいという点は理解できるものの、市として認可を行っている以上は、耐震化工事の実施や新耐震基準に適合した建物への移転を促すなど粘り強く対応を講じるべきであると意見を付されています。
これらについて、その後、どのように対応をされたかお伺いします。
【答弁】
次に、(3)安全について、お答えいたします。
包括外部監査で指摘のあった私立保育所2施設のうち、1施設については現在、園舎の建て替えを行っており、新耐震基準に適合する予定です。残りの1施設については、賃貸物件を園舎として使用していますが、今年初めに耐震診断を行い、運営法人において補強工事を実施されましたが、建物全体が耐震基準を充たすためには多額の工事費が必要となるため、一部補強に留まっています。
また、小規模保育事業実施施設3施設についてもすべて賃貸物件で保育を行っていますが、監査の指摘内容を伝え、施設から貸主に耐震診断の実施について働きかけを行っているところです。
【質問】
家主からしても多額の費用が必要となるため、すぐに実施しますというような前向きな回答はもらえないかもしれませんが、監査結果報告書の意見にありますとおり、粘り強く対応を講じていただくようお願いしておきます。
しかしながら、現状として、耐震工事ができていない認可保育所が1か所、耐震診断ができていない市が認可している小規模保育事業が3か所あるということは事実としてあります。
この件について、そもそも例えば、認可する際に耐震ができていることを要件にするなどできなかったのでしょうか。これまでの経過をお伺いします。
【答弁】
耐震基準を満たしていない私立保育所につきましては、新耐震基準となった昭和56年以前から無認可保育所と開設され、平成13年度に大阪府の認可を受け、現在まで同じ場所、建物で保育を実施しています。
一方、小規模保育事業については、平成27年度からの子ども・子育て支援新制度が開始され、地域型保育として小規模保育事業が新たに創設されて以降に本市が事業認可していますが、認可の際には施設管理者から耐震診断を行うよう家主に働きかける旨の文書の提出を義務付けるなど条件を付して認可しています。
なお、今後は、認可する際に耐震補強ができていることを要件にしていきます。
【意見要望】
何もなければいいのですが、大地震が発生し、万一倒壊してしまうなんてことがあったら、市が認可した施設又は事業です。賃貸物件という部分で、対応が難しいのは理解できますが、市も責任を問われるのではないでしょうか。
これまで耐震化を実施してきた園との兼ね合いや、民間の建物の一部であるという部分の整理は必要ですが、耐震診断や補修に係る費用の補助や移転に係る費用の補助など、市としても何らかの手立てが必要なのではないでしょうか。また、せめて当該施設を利用されている方や利用を予定している方には、耐震の状況について情報提供をすべきではないかと意見しておきます。