新型コロナウィルス対策で枚方市がどれだけのお金を使えるのか。 | 前枚方市議会議員 木村亮太
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新型コロナウィルス対策で枚方市がどれだけのお金を使えるのか。

5月15日の開会議会、コロナ対策の補正予算についての質疑その1です。

 

質問の趣旨

これまでのコロナ対策の補正予算について全体の財源やあとどれくらいの余裕があるのか、また、災害時のためにはどれくらいの額を備えなければならないのか、等を確認しました。

 

  • 市の財政調整基金はあとどれくらいあるのか、どれくらい残しておくべきなのか。
  • 枚方市の支援は結果として浅く・狭くになっている。
  • コロナの影響を受けている人は従来の経済的に厳しい方もそうだが、それ以外の方でも厳しい状況の方は多い。そのため広く浅くも必要ではないか。
  • 国からの交付金や市の貯金(財政調整基金)の残高も踏まえつつ経済対策を。
  • 財政調整基金は災害や不測の事態に備えているもの。
  • このコロナ禍は特別な状況だという認識で財政運営を。
  • 事業費継続固定費支援金については府の事業との調整が必要
    →市の支援内容は、令和2年4月から6月までのいずれかの月で、昨年同月比で売上が15%以上50%未満の減少となった中小企業・小規模事業者に対し、固定費である家賃等の支援として、10万円を給付に。

 

と言った趣旨での質疑です。

 

 

他の議員の質疑の中でありましたが、寝屋川市18億円、高槻市16億円、豊中市13億円、枚方市はこれまでの合計で23億円と枚方市の補正予算は他市と比べても小さくない規模ではありますが。

 

 

質問の詳細

【質問】

新型コロナウイルスへの対応について財源面から確認したいと思います。
今回の一般会計補正予算では、新型コロナウイルス感染拡大への対応として、財政調整基金の繰り入れが、第2号補正で約3億6,000万円、第3号補正で約7億2,000万円が見込まれています。そこで、これら財政調整基金繰入金を加味した、現時点で想定される財政調整基金の残高はいくらになるのか、また、国の1次補正ではコロナ対策として地方創生臨時交付金が創設されたかと思いますが、本市の交付金の状況と、仮に交付金を加味した場合の財政調整基金の残高はいくらになるのかについても伺います。
また、財政調整基金については予算編成時など通常の財政運営に用いる財源として一定の残高を確保しておく必要もあるかと思います。しかし、コロナ対策については今後も必要に応じ、さらなる追加の対策を実施する必要が生じてくるかもしれません。そこで、今後の財政運営を踏まえた場合に最低限いくらの残高を確保しておく必要があり、また、コロナ対策にあとどのくらいの財源が回せると考えているのか、伺います。

【答弁】

これまでの補正予算に計上しました新型コロナウイルス感染拡大への対応などを加味した、現時点における財政調整基金の残高につきましては約83億円を見込んでおります。
また、国が創設した新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金につきましては、現時点で本市への交付限度額として確定値ではありませんが、約10億円が示されており、仮にこの交付金を加味しますと、財政調整基金残高は約93億円が見込まれます。
次に、今後の財政運営を踏まえた財政調整基金残高と新型コロナウイルス対策のための更なる財政負担の点でございますが、新型コロナウイルス感染拡大による市税収入等への影響を現時点で見極めることは難しく、今後の対策にどの程度の財源が回せるかをお示しすることは困難ですが、本市の財政規模や国が定める健全化判断比率を考慮しますと、少なくとも70億円程度の基金残高は確保しておく必要があると考えております。

【質問】

財政調整基金については、市税収入の落ち込みなどを想定し70億円程度の残高は必要とのことですが、今はコロナウイルスの感染拡大という非常時であり、いわば災害です。財政調整基金には災害対応への財源も想定されているはずです。本市での直近の災害は、平成30年度の大阪北部地震など複数の災害が挙げられますが、その際の財政負担が、今後の災害に備え、考慮しておくべき財源の参考になるかと思います。そこで、まず確認ですが、平成30年度の災害時の財政負担はどの程度だったのか、伺います。
また、自治体の財政調整基金の増加を、交付税に影響させるような国の動きを受け、財政調整基金から特定目的基金に積極的に積み替えするなど、財政調整基金の残高が大きく増加しないよう取り組むべきと指摘していました。しかし、今回の新型コロナウイルスの感染拡大への対応に際しては、当面の間は、寧ろコロナ対策実施のため財政調整基金の残高を増加させておくべきだと考えますが、本市の対応方針について伺います。

【答弁】

平成30年度に発生した大阪北部地震などの災害関連経費につきましては、一般財源ベースで約14億円の財政負担が発生しております。
次に、財政調整基金については新型コロナウイルスの感染拡大を受け、可能な限り残高を確保しておく考えでございまして、令和元年度におきましては、財政調整基金から他の特定目的基金への積み替えなどを見送り、財政調整基金の残高を最大限確保することとしております。

【意見要望】

新型コロナウイルスの感染拡大は未曾有の事態ですから、非常時の対応として経済的な支援などさらなる財政出動もしていく必要があると私自身は考えていますし、市としても他市と比較しても結構な額を計上してきたとも思っています。答弁では、財政調整基金残高現在約83億円。交付金を加味すると93億円で、市としての最低ラインが70億円とのことで、そう考えるとあと20億円くらいの対応が可能とも言えます。今全部使ってくださいというつもりはありませんが、こういう状況においては引き続き対応策を検討する必要があると思います。

私としては、不測の事態も含めた残高が70億円だと考えますので、平成30年度に発生した災害の財政負担が約14億円ですし、南海トラフを想定して仮に約20億円だとしても、一定の財政運営が可能と考えられる50億円程度の残高は維持できるかと思います。さらなる追加対策を検討する際にこうした点も考慮すべきと意見しておきます。また状況によってはこの70億円のラインをどう考えるかの政治判断も必要になってくるかと思っています。

市の補正予算で出てきているのは、従来から経済的に厳しい方などに対してのものが多いのですが、このコロナの影響は非常に広く、従来からの経済的に厳しい方以外にも厳しい状況を迫られている方もいらっしゃると思います。そういった意味では、特定の人に深くという部分だけではなく広く浅くの部分も今後検討していただきたいです。

とはいえ、財源は有限ではないので、スピード感が求められる中でも都度精査も必要です。

特に、この度の補正予算で事業継続固定費支援金として約3.2億円が計上されていますが、この部分はちょうど昨日に吉村府知事が記者会見の中で府としても休業要請対象外の事業者に対して支援をすると述べておられ、市の内容と重複しているように見受けられます。府の内容を確認して市も改めて適切な支援をするというお話もありましたし、今後の対応に期待をするとともに、補正予算の中にはその他にもコロナ関連で様々な支援策があり、スピード感も必要とするため反対はしません。府の事業内容もしっかりと確認していただき、今回の府の事発表でも漏れてしまう事業者への支援にするのかどうか、休業要請対象の事業所と休業要請対象外の事業所のバランスはどうか、考えながら、また、事業者の方もお困りだということは重々承知をしていますが、商工費にかからわず、この3.2億円をほかにコロナの影響を受けて厳しくなっている方々に対応するために一度予算を執行せず、再度組みなおしていくのかどうか、についても部単位ではなく、市として検討していただきたいと思います。

都度状況が変わり対応が難しい場面の連続かとは思いますが、引き続き、特別な状況だという認識のもと市民にも寄り添い、財源面、施策面について国や府の動向も注視しながら市としての取り組みを進めていただきたいと要望いたしまして私の質疑を終わりといたします。

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