ごみの民間委託、比率を上げすぎでは?本当にそこまでの効果がある? | 前枚方市議会議員 木村亮太
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ごみの民間委託、比率を上げすぎでは?本当にそこまでの効果がある?

続いての一般質問。ごみ収集の民間委託については、一言で言うと、民間委託率高くしすぎじゃないですか?という内容です。

 

質問の背景

 

枚方市はこれからごみ収集の民間委託をさらに進め、最終的には80%まで委託率を上げていく予定です。

ごみ収集業務の民間委託率が今後80%までに??ごみ収集業務体制見直しについて。

↑当時のインターン生に詳しくまとめてもらっております。

 

  • 私もこれまで民間委託を進めてきた立場です。
  • しかし、それは公務員と民間企業では給与格差があったから。
  • 今は、格差が少ない給料制度にしている。
  • であれば、わざわざ民間委託を進める必要はないのでは?
  • 災害時の対応や、委託費が上がっていくことも懸念されます。

 

 

新しい行革プラン(案)の中にも以下のように記載されています。

 

オレンジで囲っているところ。効果額は4年で2億円。年間5000万円。額的には大きいのですが。。

 

  • 人件費の算出が正確ではない
  • 民間企業の人件費が高騰した場合、5000万円の効果がなくなる場合もある

という点から見かけほどの効果が出るのか疑問符が付きます。

 

 

質問の要旨

  • 災害時の対応について
  • 次回の委託費用が上がらないための取り組みについて
  • 人件費の計算方法について
  • 標準人件費の算出の仕方をもっと正確にすべき
    • 標準人件費約800万円としているが、このごみ収集に携わる職員の人件費水準はもっと低いのではないか。
  • 今回あわせて3人乗車→2人乗車としているので、全体の効果額(5年で2億円)が委託の効果なのか、2人乗車の効果なのかの検証をしていくべき

といった話をしています。

 

 

 

 

質問の内容

 

【質問】

ごみ収集の民間委託について、伺います
ごみの収集業務については、本年1月に「ごみ収集業務体制見直し実施計画」を策定し、令和2年度から令和6年度の5年間にかけて、ごみ収集業務を段階的に委託拡大していくとされ、計画最終年度である令和6年度には、現在40台ある直営車両が、18台まで減少すると聞いています。
収集業務の多くを委託し、直営が減少していく中で、今後発生が想定されている『南海トラフ巨大地震』や『生駒断層帯地震』、また風水害などが発生した場合に、これまでどおり迅速な対応が図れるのか危惧するところです。
今後、自然災害が発生した場合において、どのように災害ごみの収集対応にあたられるのか、お伺いします。

【答弁】

 

自然災害が発生した場合の災害ごみの収集対応といたしましては、地震災害や風水害等の発生事象に関する情報収集や状況調査、緊急収集等の初期対応を直営職員で行いまいります。また、災害対応が長期化する場合等におきましては、許可業者や近隣市等との協定により対応を行うとともに、市単独での対応が困難となる大規模災害時におきましては、府・国への支援要請を行ってまいります。

【質問】

自然災害発生時における災害ごみの収集対応は、一定考えられているようです。近年では、毎年のように全国各地で自然災害が発生している状況ですので、自然災害が発生した際には、これまで同様に、迅速かつ安全で安定的なごみの収集が行えるよう、意見しておきます。
次に、ごみ収集業務の委託契約についてお尋ねします。
(ごみ収集業務の段階的な委託に伴って、委託車両の台数が、現在の37台から令和6年度には72台となり、5年間で35台も増加すると聞いています。)

今回は令和2年度以降で5年間の契約を完了されたとお聞きしておりますが、この契約期間が終わる5年後においては、契約不調になり、価格が上がってしまう可能性もあります。
今後の対策として応札可能な業者を増やす努力をするなど、今後の委託に関して競争性を高めていく必要があるのではないかと感じますが、市の見解を伺います。

【答弁】

今回の収集委託契約におきましては、民間事業者が参入しやすくなるよう、複数に分割する契約手法に見直しを行いました。また、民間事業者において、収集業務に必要な人員確保など十分な準備期間を確保するとともに、契約期間を3年から5年に見直しました。
しかし、議員ご指摘の競争性を高めていく必要性につきましては、市としても見極めていく必要があると考えておりますことから、民間委託を行っている自治体における契約手法や競争性の確保方法などの調査、研究を行ってまいります。

【質問】

市として見極めていく必要があると考えられておられるようですが、この収集体制の見直しについては、(仮称)行財政改革プラン2020案に取り組みの一つとして位置づけられており、その効果額は2段に分けて記載されております。
上段については、さらなる民間委託によって発生する委託料等の必要経費の合計がきされており、下段については参考に人件費効果額を合わせたものを効果額とお聞きしています。5年で合計約2億円の効果額になっています。

ここで確認ですが、効果額を算出するにあたり、基準とされた人件費の考え方と、この収集体制の見直しにおいて積算に用いた職員数及び人件費の額についてお聞きします。

【答弁】

人件費効果額につきましては、実際に、各部の配属職員を元に算出しますと、その年齢構成や年度により変動することから、事務事業実績測定でも用いております一般会計における正職員の平均人件費などを基準として算出しています。
ごみ収集体制の見直しにつきましては、正職員1,918人の平均人件費である約795万円となります。

【意見要望】

各部署の人件費ではなくて、一般会計全体の職員約1900人の平均人件費795万円で算出しているということです。この1900人の職員の多くは行政職給料表(いわゆる行1)が適用されておりますが、収集業務に携わる人は約民間類似職種との均衡を意識した技能労務職給料表(いわゆる行2)を作り、この行2の表が適用された方々です。行2の方は1900人の中で200人程度です。行1と行2では給与水準が違いますので、行2の方々だけの人件費は795万にもならないのではないでしょうか。

何がいいたいのかというと、費用対効果のバランスが悪いんじゃないか、ということです。精緻に検証をすれば人件費抑制効果はもっと少ない中で、価格交渉力が低下することや災害時の対応が厳しくなることまでして委託率をここまで上げる必要があるのか?ということです。

人件費の効果額は先ほど述べたとおりに本当にこれだけの効果があるのか、この効果額はどちらかと言うと3人乗車を2人乗車にすることで生まれている効果額ではないのか、また、災害時のことや5年後の契約更新時に価格が上がってしまわないのか、また、他市では委託率100%に一度したもののセーフティネットの観点から、直営を再開し、直営約70%委託約30%にした横浜市のような事例もあります。
このようなことも含めて、今後の中でしっかりと精緻に再検証もしていただくことを要望します。

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