ブロックチェーンを活用したソーシャルインパクトボンド、スマートインパクトボンドについて。 | 前枚方市議会議員 木村亮太
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ブロックチェーンを活用したソーシャルインパクトボンド、スマートインパクトボンドについて。

8月9日に参加していた勉強会の内容です。

 

カタカナばかりが並んだブログタイトルですが、読んでいただいた方にも伝わるようにまとめていきます。

 

スマートインパクトボンドという言葉は、ブロックチェーンを活用したスマートなソーシャルインパクトボンドインパクトボンドという意味ですので、それぞれの言葉を順次説明します。

 

ソーシャルインパクトボンドとは・・

 

一言で言うと、成果報酬型の委託です。医療費を100万円分下げたら(下がる見込みになったら)50万円支払う、200万円下げたら100万円支払うといったようなものです。

 

ソーシャルインパクトとは、社会的影響のことです。例えば、上記のような医療費が下がる、の他にも、貧困層が少なくなる、引きこもりが少なくなる、犯罪率が下がる、などをイメージしてください。

ボンドとは債券のことです。国債とか、地方債など、証券・金融商品です。ソーシャルインパクトボンドは社会的影響を実現するために債権という形で資金調達する仕組みです。

 

 

お金の流れで言うと例えばで言うと以下のようになります。

  • Aさんが医療費を下げる債券を会社Bから10万円分買います。
  • 会社Bはその10万円で、医療費を下げるための活動をします。
  • B社は本当に医療費が下がったら成果報酬として政府から50万円もらえます。
  • B社はその50万のうち、借りた10万円に利子をつけてAさんに11万円を返し、39万円がB社の取り分になります。

 

 

整理すると、

  • Aさん(資金提供者):10万円→11万になる。
  • B社:医療費を下げたことで39万円を獲得する
  • 政府:50万円支払っているが100万円分医療費が下がっている。
  • 市民・国民:病気にならない・健康になる

ということであくまでも理論上はWIN-WINならぬWIN-WIN-WIN-WINです。

 

ただ、以下のような課題があり、まだ日本での導入は実験的にいくつかあるだけです。

  • 社会的インパクトをどのように計測するか・・・健診の受診率が上がったことが医療費の抑制にどれだけ結びついているか。実際にどうなったかを見るためには数年かかるので、みなしや推定でいいのか。
  • 社会的インパクトの評価コストもかかる・・・正式に計測するにはそれなりの人や機関が手間暇がかかります。上記のモデルではこの部分のコストをあえて記載していません。
  • 成果報酬型の委託・支払いができるか・・・今は〇〇に対して100万円のように定額の契約がほとんどです。件数や成果に応じて支払う額を変えることができるかどうか
  • 前例のないものにお金を出す人がいるか・・・リターンがわからない中でその債券を買う人がいるのかどうか。

 

ブロックチェーンとは・・

分散型台帳管理をする技術です。といってもよくわからないと思いますが、今は中央で台帳管理をしていますのでその逆です。

例えば、Aさんの入出金のやり取りは銀行とAさんだけが把握していますが、分散管理になると、Aさんの入出金のやり取りを銀行もAさんもBさんもわかっているという状態です。2者間のやり取りだと言った言わない問題や、もらったもらってない問題が発生しますが、Bさんなどの第三者もやり取りを記録しています。また、そのやり取り1つ1つブロックとなって、やり取りが全部チェーンでつながっていきます。このようになっているので、改ざんがしにくいですし、ブロックチェーンと言われるゆえんです。

 

画像は総務省HPより

 

 

 

 

スマートインパクトボンドとは・・

 

ブロックチェーンを活用したスマートなソーシャルインパクトボンドです。

ここでいうスマートはやせている、細い、ではなく、賢い、高知能、高機能、便利という意味の方です。最近自治体でもスマートシティという言葉もありますが、これは小さい街という意味ではなく、ITを駆使した高機能な自治体、便利な自治体という意味です。他にもスマート家電とか、スマートホームとか、そういう言葉ありますよね。

 

スマートじゃないソーシャルインパクトボンドに対して、スマートなソーシャルインパクトボンドということです。

アナログな、賢くないソーシャルインパクトボンドに対して、デジタルな、賢いソーシャルインパクトボンドということです。

 

 

 

具体的には、

ソーシャルインパクトでコストとなっている評価や支払いの部分がブロックチェーンのスマートコントラクトに書き込みができ、その分透明化、効率化、スピード化ができるんじゃないかという話です。

 

 

 

 

スマートコントラクトって何?になると思いますが、

スマートなコントラクトです。スマートはこれまでの用法と同じで、賢いとか高機能、とかデジタル化された、という意味です。コントラクトは契約なので、デジタル化された契約という意味です。

 

「こういう条件になったら、こういうことが起きたら、このようにする」という意味で、広い意味では自動販売機はスマートコントラクトです。「お金を払って、ボタンを押したら、飲み物が出てくる」と決まっています。都度人が介在しているわけではありません。

 

 

これをブロックチェーン上でできる技術があり、そのようにすることを協議の概念としてのスマートコントラクトと言います。

ブロックチェーンにもバージョンがあり、最初のブロックチェーンはスマートコントラクト機能がなかったのですが、高機能なブロックチェーンにはスマートコントラクトの機能が搭載されています。

自動ブレーキのついている車とそうじゃない車、とか、指紋認証のついてるスマホとそうじゃないスマホのようなものだと思ってください。

 

 

 

 

 

ブロックチェーンもソーシャルインパクトボンドも日本においてはまだまだ浸透途中の話ですが、聞いていてワクワクする話でした。

 

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余談ですが、勉強会が8月9日の夜で、翌日大阪で予定があるため最終新幹線で帰りました。お盆休みの帰省と重なり新幹線の指定席が取れず、自由席に2時間半ほどたちっぱなしでした。ちゃんと予約をしなかった自分が悪いのですがとても疲れました・・・。

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枚方市議会議員
木村 亮太
民間企業を経て2011年より枚方市議会議員。政治スタンスは未来に責任を持った政治。主な政策は行財政改革、人事給与制度改革、教育子育ての充実、持続可能な社会保障制度改革、ICTを活用したまちづくり。
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