静岡市がインパクトスタートアップへの投資を実施
最近、社会課題の解決と経済成長の両立を目指す「インパクトスタートアップ」への注目が急速に高まっています。その中で、特に気になる取り組みを行っている自治体の一つが静岡市です。
今回は、静岡市が進めるスタートアップへの出資事業と、その新たな展開についてご紹介します。
これまでの取組みGX・BX分野への集中投資
静岡市はこれまで、地球規模の環境課題解決を目指し、GX(グリーントランスフォーメーション)およびBX(ブルートランスフォーメーション)分野において、社会変革を促す企業への出資支援を積極的に行ってきました。
これまでの主な出資先企業は以下の通りです。
- 株式会社ハイドロ・アース・エナジー(2025年12月出資):独自の「水素吸蔵合金を利用したグリーン水素製造・循環システム」により、水素循環共生圏の構築を目指しています。
- 駿河GXテクノロジー株式会社(2024年12月出資):二酸化炭素排出ゼロの「亜臨界水総合システム」による廃棄物処理を提案しています。
- タケ・サイト株式会社(2025年4月出資):大気中のCO2を回収・固定化する「DAC技術」を活用したプロジェクトを展開しています。
これらの事業に対しては、1者あたり上限3,000万円、出資比率25%未満という条件で支援が行われています。
これからは分野を限定しない「共創型」が開始
静岡市の取り組みは、GX・BX分野に留まりません。新たに始まった「静岡市出資による社会変革(共創型)推進事業」では、分野を限定せず、市が抱える多様な社会課題の解決を目指すスタートアップを募集しています。
静岡市出資による社会変革(共創型)推進事業の概要
「静岡市出資による社会変革(共創型)推進事業」は、これまでのGX(グリーントランスフォーメーション)やBX(ブルートランスフォーメーション)といった特定の分野に限定せず、静岡市が抱える多様な社会課題の解決と新たな価値の創出を目指すスタートアップ支援制度です。
本事業の主な概要は以下の通りです。
1. 事業の目的
静岡市とスタートアップが中長期的に共働し、新たな技術やビジネスモデルを社会実装・事業展開することで、地域の社会課題解決とスタートアップの成長を同時に支援することを目的としています。
2. 出資条件
- 出資額: 1者あたり上限3,000万円。
- 出資比率: 25%未満。
- 予算規模: 合計6,000万円の範囲内で実施。
3. 主な対象者の要件
以下の条件を満たす法人(株式会社)が対象となります。
- 社会実装段階にあること: 静岡市の「知・地域共創コンテスト」や他自治体との共働実績があるなど、すでに実証や実装の段階にある事業であること。
- 資金調達実績: 金融機関からの融資または投資家等からの投資を受けている(予定を含む)こと。
- 市内拠点: 静岡市内に本社または事業所を有していること(移転予定や新設も含む)。
4. 出資後の伴走支援内容
単なる資金提供だけでなく、市による多角的な支援が予定されています。
- 事業計画の策定支援: 事業計画や中長期的なロードマップの更新を連携して実施。
- インパクトレポートの作成支援: 社会的インパクトを可視化し、企業の社会的信用やブランド価値の向上を支援。
- 社会実装・拡大支援: 市内企業とのマッチング、公共施設等のフィールド提供、市が直接実施する事業との連携などを実施。
5. 選考プロセス
- 予備審査: 事務局による書類確認およびヒアリング。
- 本審査: 「静岡市出資による社会変革(共創型)推進事業審査会」による数値化採点。
- 協議・契約: 選定後、具体的な出資方法や条件を協議の上、契約を締結。
この制度は、市とスタートアップが「共創」して社会課題に立ち向かうための、より包括的な支援枠組みとして構築されています。
今後は教育、福祉、地域活性化など、より幅広い分野に出資することになるかと思います。
最後に
自治体によるこうした直接的な支援は、今後全国的に広がっていくことが予想されます。インパクトスタートアップの動向からは目が離せません。
なお、私たちソーシャルエックスも、自治体とは異なる立場ではありますが、休眠預金を活用してインパクトスタートアップへの投資・支援を行っております。
詳細については、ぜひこちらのサイトをご覧ください。

