ソーシャルXスタジオキックオフセミナー
11月18日に開催された「ソーシャルXスタジオ キックオフセミナー」を開催いたしました。



野村幸雄氏(渋谷スクランブルスクエア株式会社 渋谷キューズエグゼクティブ・ディレクター)よりご挨拶
セミナーの冒頭では、会場となった渋谷キューズ(SHIBUYA QWS)の野村氏より挨拶がありました。
野村氏は、約11年前から渋谷の企画に携わっており、ソーシャルX代表の伊東氏とは、キューズ開業前のオフィス入居時からの6年来の付き合いとのことです。
渋谷キューズは「問い」を起点に、大学や研究者と連携しながら「0→1(ゼロイチ)」を応援する施設であり、高校生や大学生のプロジェクトも数多く採択されています。
野村氏から、「スタートアップはあくまで手段であり、NPOやアート、文化など、世界をより良くする活動であれば形態は問わない」という考えを示しつつ、キューズのネットワークや知見を活かして、社会課題解決の一歩を踏み出す参加者を応援したいとエールをいただきました。
講演「社会課題をビジネスで解くという選択」
続いて、ソーシャル・エックスの伊藤さんより講演が行われました。

官民共創によるオープンイノベーションについて
ソーシャル・エックスとしては、「官(行政)」と「民(企業)」、そして「人」をつなぐオープンイノベーションによって、50年先まで続く社会システムを作ることを目指している。
これまでオープンイノベーションといえば企業間や大学との連携が主でしたが、そこに「行政」が入ることで、調整力やフィールドの提供など、お金では買えないアセットを活用できる。
社会構造の変化とインパクト・エコノミー
現在、「パブリック(官)が社会をデザインする時代」から、「官と民の両方で作る時代」へと大きく変化しています。
経済産業省も、従来の産業育成や新自由主義的な政策から、第3段階である「ミッション志向型」へと舵を切っており、政府自らがリスクを負って社会課題解決を目指す方針を打ち出しています。
先輩起業家によるトークセッション
ソーシャルXのアクセラレーションプログラム卒業生であり、第一線で活躍する2名の起業家をゲストに迎えたセッションが行われました。
林大貴の話(株式会社ココロミル 代表取締役社長CEO)
ココロミルは自宅でできる心臓ドックサービスなどを展開しています。
起業のきっかけ
大学時代から人材系で起業していましたが、2019年、一緒に食事をしたわずか12時間後に母親が心疾患で急死するという壮絶な経験をされました。
「6分に1人が心臓病で亡くなっている」という現状を変えるため、医療のバックグラウンドがない中で医療機器開発に挑戦。「行動あるのみ」の精神で、学生時代には3ヶ月で100人の社長に会いに行くなど、圧倒的な行動力と仲間集めで壁を突破してきました。
岸畑聖月氏(株式会社With Mid wife 代表取締役)のお話
岸畑氏は、助産師・看護師・保健師の資格を持ち、企業向けの顧問助産師サービス「The CARE」などを提供しています。
起業のきっかけ
14歳で婦人科系の闘病を経験したことから、「医療の手前で救える命がある」と痛感しました。
病院内だけでは解決できない課題(働く人のメンタル不調や離職など)に対し、潜在助産師などの専門職を企業に派遣し、従業員をサポートする仕組みを構築しました。また、従業員の健康データをトラッキングし、不調を早期発見するシステム開発にも取り組んでいます。
トークセッション
伊藤をファシリテーターに、起業のリアルについて語られました。
なぜ困難な道を選ぶのか?
林氏は「もっと楽に稼ぐ方法はあるが、生まれ変わっても同じ仕事をする」と断言。サービス利用者から届く「命が助かった」という手紙が生きがいであり、世界で1億人の命を救うまではこの道を走り続けると語りました。
岸畑氏も、自分が作りたいのは「簡単な目玉焼き」ではなく、難しくても食べた人が幸せになる「フレンチのコース」のような事業だと例え、自身の原体験が原動力になっていると話しました。
原体験(強烈な動機)は必須か?
「原体験がないと起業できないのか?」という問いに対し、伊東氏は「自分自身には原体験はないが、論理的に必要だと思ったからやっている」とコメント。
岸畑氏は「原体験ハラスメントみたいになる必要はない。最初は『下駄を履く(誰かのストーリーを借りる)』形でも良く、続けていくうちに自分のミッションになる」と学生を励ましました。
学生へのアドバイス
林氏は「半径5メートル以内の人の『ため息』を解消することから始めてみてほしい」とアドバイス。
岸畑氏は「学生というチケットは最強。どんな大人でも話を聞いてくれるので、その特権を使ってヒアリングという最初の一歩を踏み出してほしい」とメッセージを送りました。
ソーシャルXスタジオプログラム説明
最後に、事業責任者の滋賀氏より、今回募集を開始する「ソーシャルXスタジオ」の詳細が説明されました。
プログラムの背景
社会課題解決に挑むスタートアップの数が圧倒的に不足していること、また「原体験」だけに頼らない事業創出が必要であることから、自治体が抱えるリアルな課題を起点にビジネスを作るプログラムとして立ち上げられました。
プログラムの6つのステップ
- eラーニング&課題DB: 社会課題をビジネスに変える基礎知識と、AIを活用したアイデア出しを学びます。
- ワークショップ①(2日間): インパクトと収益を両立させる事業設計を学びます。
- 先輩起業家レクチャー: 成功の秘訣や困難の乗り越え方を聞きます。
- ワークショップ②(2日間): 世界中の企業が活用するビジネスシミュレーションを用い、事業計画の具体化を学びます。
- メンタリング: 建築家、金融、弁護士、行政職員など多様な専門家が伴走支援します。
- DEMO DAY: ビジネスプランを発表。優秀者には最大150万円のプロトタイプ制作費(活動支援金)が提供されます。
特徴とサポート
地方学生には交通費・宿泊費の支給があるほか、プログラム終了後も、アクセラレーションプログラムやインパクトファンドとの連携により、社会実装まで一気通貫で支援するエコシステムが整っています。
エントリーをぜひぜひお待ちしております!!