埼玉県における「朝の小1の壁」についての調査と実証、国への要望
2026/01/20
私としては今後広がっていくと考えている、小1の壁解消のための朝の預かり事業。情報を適宜チェックしており、今回埼玉県の調査を見つけましたのでブログにまとめます。
埼玉県では「朝の小1の壁」を具体的な課題として捉え、独自の調査を実施されています。
下記がその結果です。

「朝の小1の壁」がもたらす深刻な影響:保護者の2割が仕事変更
埼玉県は「朝の小1の壁」を「こどもの小学校入学に際して、保育所の預かり開始時間と小学校の登校時間の差により保護者等が仕事等を変更せざるを得ない状況」と定義しています。
令和6年度に県が実施した「放課後と夏休み等の過ごしかた調査」では、平日朝の児童の登校時間に合わせて、保護者の21.1%が「仕事を変更した」と回答。これは5人に1人以上が、子どもの小学校入学を機にキャリアの変更を余儀なくされているという深刻な実態を示しています。
平日朝の登校時間に合わせて変更したもの
- 仕事・・21.1%
- 住居・・1.4%
- その他・・1.6%
- 特になし・・76.7%
さらに、仕事を変更した保護者の内訳(複数回答)を見ると、その影響の大きさがより鮮明になります。
仕事を変更した主な内容(複数回答)
- 転職はせずに勤務時間の調整をしてもらった・・53.5%
- 転職した・・31.1%
- 転職はせずに在宅勤務など勤務形態を調整してもらった・・11.6%
- 退職した・・5.8%
- 転職はせずに勤務地の調整をしてもらった・・4.5%
埼玉県が「朝のこどもの居場所」モデル事業を実施
こうした状況を受け、埼玉県は「朝のこどもの居場所づくりモデル事業」を開始しました。これは、小学校等で子どもを預かる仕組みを構築する市町村に対し、予算の範囲内で補助金を交付するものです。
- 実施期間: 令和7年度~令和8年度(予定)
- 補助内容: 見守りを行う者の人件費、環境整備のための経費など
- 補助基準額: 2,000千円
- 補助率: 2/3
- 実施予定: 4市町10校
この事業により、保護者は自身の「出勤時間」に合わせて子どもを登校させることが可能になります。利用者からはすでに「おかげで時間休を取らずに済んでいる」といった声も寄せられており、具体的な効果が表れ始めています。
今後の展開として:九都県市からの国への要望
埼玉県は、この問題が一自治体だけの取り組みでは限界があるとし、首都圏の自治体九都県市(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、相模原市)共同で国への要望をしていきたいとのことです。
要望の柱は以下の2点です。
- 国として、「朝の小1の壁」は社会全体で取り組むべき課題であることを明確に打ち出し、多様で柔軟な働き方を可能にするための企業の働き方改革を一層促進すること。
- 地方自治体が地域の実情を踏まえて「朝の小1の壁」解消に向けた事業を安定的に実施できるよう、十分な財政措置を行うこと。
全国調査で明らかになった保護者のニーズと、埼玉県の取り組みには引き続き注目していければと思います。
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