2025年3月のPFS事例報告書(八王子市、名古屋市、臼杵市、杵築市)
2026/01/13
PFSの事例を日々追っているところです。
2025年3月に報告されている4つのPFS(成果連動型民間委託契約方式)事業事例について、各項目を整理してまとめます。
詳細はコチラです。

1. 東京都八王子市:乳がん検診受診率向上事業
- 事業概要: 40歳から69歳の女性かつ国民健康保険加入者で、過去2年間受診歴がない者を対象とした、民間ノウハウによる乳がん検診の受診率向上事業です。
- 目的: がんの早期発見・早期治療を促進し、健康寿命の延伸及び医療費の適正化を図ることを目的としています。
- 内容: 対象者に合わせた受診勧奨はがきの送付や、デジタル地域通貨「桑都ペイ」を活用した再勧奨(ポイント付与)などのナッジを用いた施策を実施しました。
- 評価計画: 「乳がん検診受診率」を成果指標とし、受診勧奨を行わなかった場合の基準値(2.05%)からの上昇幅で評価します。
- 実施結果: 事業対象者全体の受診率は8.04%となり、基準値からの上昇値は5.99ポイントと、支払表の上限値(5.00%)を上回る成果を達成しました。
- 当初予算と実際の支払額:
- 当初予算(最大委託料): 10,000,000円。
- 実際の支払額: 合計10,000,000円(成果連動分 10,000,000円 / 固定払い部分 0円)。
2. 愛知県名古屋市:環境配慮行動促進モデル事業
- 事業概要: 家庭における温室効果ガス排出量削減を目指し、電気使用量削減につながる環境配慮行動を促進する事業です。
- 目的: 市民の環境に対する意識を行動へとつなげ、家庭部門の脱炭素化を推進することを目的としています。
- 内容: 約8万世帯に対し、個別の電力データに基づき、他世帯との比較などのナッジ理論を用いた「省エネアドバイス」をWeb上で通知しました。
- 評価計画: アドバイスの受取世帯数、省エネ行動の「理解」「実践」「習慣化」の割合、温室効果ガス削減率の5つの指標を設定しました。
- 実施結果: 「受取世帯数」と「実践割合」は目標上限を超えましたが、「理解」「習慣化」「削減率」は目標下限を下回りました。
- 当初予算と実際の支払額:
- 当初予算(最大委託料): 20,000,000円。
- 実際の支払額: 合計15,400,000円(成果連動分 6,400,000円 / 固定払い部分 9,000,000円)。
3. 大分県臼杵市:心房細動潜在患者の早期発見による健康寿命延伸事業
- 事業概要: 潜在的な心房細動(隠れ心房細動)患者に対し、長時間心電図検査と受診勧奨を行う事業です。
- 目的: 心原性脳梗塞を予防し、健康寿命の延伸と医療・介護費用の抑制を図ることを目的としています。
- 内容: リスク保有者に対し、小型のウェアラブル心電計(7日間計測)を用いたスクリーニング検査を実施し、有所見者には医療機関への受診を勧奨しました。
- 評価計画: 指標①「スクリーニング検査実施者数(目標200人)」、指標②「医療機関を受診した人数(目標10人)」を設定しました。
- 実施結果: 検査実施者は200人(100%達成)でしたが、発見された有所見者4人のうち受診者は3人で、指標②の目標達成率は30%でした。
- 当初予算と実際の支払額:
- 当初予算(最大委託料): 4,782,000円。
- 実際の支払額: 合計約4,397,800円(※固定費1,100,000円 + 指標①単価15,664円×200人 + 指標②単価55,000円×3人)。
4. 大分県杵築市:心房細動潜在患者の早期発見による健康寿命延伸事業
- 事業概要: 臼杵市と同様、潜在的な心房細動患者に対する検査受診勧奨及び医療機関の受診勧奨事業です。
- 目的: 心房細動の早期発見・治療による心原性脳梗塞の予防と、将来的な医療・介護費用の抑制です。
- 内容: ウェアラブルな長時間心電用データレコーダーを利用し、被験者に負担なく7日間の心電計計測と受診勧奨を実施しました。
- 評価計画: 指標①「スクリーニング実施数(目標400人)」、指標②「受診した人数(目標20人)」を設定しました。
- 実施結果: 検査実施者は370人(93%達成)、発見された有所見者12人のうち受診者は10人で、指標②の目標達成率は50%でした。
- 当初予算と実際の支払額:
- 当初予算(最大委託料): 8,466,000円。
- 実際の支払額: 合計約7,445,680円(※固定費1,100,000円 + 指標①単価15,664円×370人 + 指標②単価55,000円×10人)。
これらの事業は、いずれも民間事業者のノウハウを活用し、客観的な成果指標に基づいて支払額を決定するモデル性の高い取組として実施されました。
PFS/SIBの事例が徐々に広がっていることは良いですね。
引き続き注視してまいります。
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